Peter Erskine is Dr. UM

Peter Erskine(Ds, Per)
John Beasley(Key)
Janek Gwizdala(El-B)
with
Bob Sheppard(Ts)
Jeff Parker(G)
Larry Koonse(G)10
Aaron Serfaty(Congas, Bongo, Cowbell)2
Jack Fletcher(Voice)
Rec. 2015?, CA
(Fuzzy Music PEPCD021)

昔と比べるとだいぶ丸くなった感のあるピーター・アースキンではあるけれど、それでもいざというときのバイタリティー溢れるダイナミックなドラミングは相変わらずカッコよくて、近年TAMAのエンドーサーになってからはさらなる張り切りぶりを見せているのだが、本作はウェザー・リポートを連想させるような立体的な文字のジャケットからも分かるとおり(タイトルもMr. Gone的)、これまでのリーダー作とは趣向を変えてフュージョン的な作品となっているのが興味深い。メンバーのジョン・ビーズリーは自ブログで検索するとゴロゴロと引っかかるので割愛するとして、ヤネク・グウィズダーラは「Kazumi Watanabe / Tricoroll(11年、別頁あり)」でしか聴いたことがなかったので、どんな感じで弾いているのか楽しみ。ゲスト的に参加しているボブ・シェパードは、アントニオ・サンチェス参加の「Bob Sheppard / Close Your Eyes(11年、別頁あり)」が最高だった。

アースキン曲が3曲、ビーズリー曲が2曲、ジョー・ザヴィヌルの「Bourges Buenos Aires」「Speechless」、マーラーの「Ich bin der Welt abhanden gekommen(私はこの世に忘れられ)」、ゲイリー・マクファーランドの「Sage Hands」、ヴィンス・メンドーサの「Sprite」で全10曲(その他にしゃべりのトラックが2つあり)。
音楽的にはウェザー・リポート(というかザヴヌル)とメンドーサを足して2で割ったような感じといえば分かりやすいかな。比較的ゆったり目のテンポの曲が続いているけれど、オーバーダブもあり(だと思う)の厚みのあるサウンドに加えて、ゲスト陣が入れ代わり立ち代わり参加しているので、単調に感じることは全くない。そんな中3曲目「Hawaii Bathing Suit」(アースキン曲だけど、かなりWR的)やブルースの7曲目「Sage Hands」での4ビート演奏がいいアクセントとなっているし、クラシック曲(6曲目)が違和感なく溶け込んでいるのもグッドだね。ビーズリーはアコピも含めた各種キーボードを操りながら、演奏だけではなくサウンド面においても大活躍しているし、グウィズダーラもバッキングは比較的オーソドックスではあるけれど、ソロやテーマを受け持っている部分ではテクニカルかつ歌心のあるプレイで聴かせてくれるし、アースキンのドラミングも非常にセンスがよくて、さすがだなと思わせてくれる。ドラムソロを取っているのは自作3曲目と11曲目「Northern Cross」だけと多くはないものの、相変わらずのカッコいいプレイで魅せつけてくれるし、DWの前まで使っていたYAMAHAのドラムと似た感じで録れているTAMAの音自体も実に魅力的。またシェパード、ジェフ・パーカー(「Brian Blade & The Fellowship Band / Landmarks(14年、別頁あり)」に2曲のみ参加しているのが見つかった)、ラリー・クーンズ、アーロン・サーファティも曲調にバッチリ嵌ったプレイをしていて好感が持てる。ヴォイスとクレジットされているジャック・フレッチャーはしゃべりを担当しているだけで、演奏に参加して歌っているわけではないので、こういうのだったら気にならない。
ということで各人がいい仕事をしているおかげで終始いい感じで楽しめたのだが、できればガツンとくる曲が2曲ぐらいあれば更によかったと思う。録音(エンジニアはTalley Sherwood)はこの手のフュージョンものとしては、どの楽器も最高に良い音で録れているね。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

Dr. Um
Peter Erskine
Fuzzy Music
2016-01-15