Jon Irabagon featuring Tom Harrell / Behind The Sky

Tom Harrell(Tp, Flh)4,5,9
Jon Irabagon(Ts, Ss)
Luis Perdomo(P)
Yasushi Nakamura(B)
Rudy Royston(Ds)
Rec. April 24, 2014, NY
(Irabbagast Records 004)

デイヴ・ダグラス・クインテット(「Dave Douglas Quintet with special guest Aoife O'Donovan / Be Still(12年)」「Dave Douglas Quintet / Time Travel(13年)」「Dave Douglas Quintet / Brazen Heart(15年)」各別頁あり)でも活躍中のジョン・イラバゴンのリーダー作を買うのは、「Jon Irabagon/The Observer(09年、別頁あり)」以来。本作のメンバーのルディ・ロイストンもまたダグラス・クインテットの一員なのだが、彼のリーダー作「Rudy Royston / 303(13年、別頁あり)」にはイラバゴン、中村恭士が参加。またルイス・ペルドモの近作「Luis Perdomo & Controlling Ear Unit / Twenty-Two(15年、別頁あり)」にはロイストンが参加していて、この辺のところからメンバーの繋がりが見えてくるのだが、そこにゲストとしてトランペットがダグラスではなく、トム・ハレルが参加しているのが興味深いところ。featuring Tom Harrellとなっていることからして、おそらくイラバゴンはかねてから共演を望んでいたのだろう。

全11曲がイラバゴンのオリジナル。
ペルドモの特性を活かした2曲目「The Cost of Modern Living」のようなラテンタッチの曲もあるけれど、基本的には4ビートがメインとなっている。イラバゴンはクリス・ポッターほどの冒険心はないけれど、コルトレーンやロリンズあたりをよく研究していると思われるアグレッシブで熱いプレイが私好み。それと中高音まで線の太いテナーの音質も、ソプラノも含めて実にいい感じだね。そんなイラバゴンを聴いているだけでも満足してしまうのに、ペルドモが曲調にバッチリ嵌りながらも、自分のリーダー作よりもいいのではと思わせるほどに、ハンコック的なフレーズも取り入れたりしながらノリノリかつカッコいいプレイで上手さを魅せつけてくれるし、ロイストンも本領発揮で曲の盛り上がり部分では非常にスピーディーなドラミングで炸裂している(2曲目や6曲目「Sprites」のドラムソロなんかも手がつけられないほどに凄いことになっている)のだから、こんなに嬉しいことはない。またベースの中村も場面によっては粗削りな部分があるけれど、他のメンバーに負けないぐらいに力感のあるプレイで聴かせてくれる。それとゲスト参加のハレルも5曲目「Obelisk」ではイラバゴンとバトルを繰り広げていて、いつも以上に気合が入っているように感じられるのは、普段イラバゴンが一緒にやっているダグラスを意識しているからなのだろう。
メンバー全員が自分の持ち味を存分に発揮している演奏には何も文句のつけようがないし、コンテンポラリー・ジャズでありながらもきちんと4ビートで勝負をかけている楽曲もどれもが好感触で、本作は当然ながらの5つ星。各楽器に温かみがあって、なおかつガッツのある音で録れている録音(エンジニアはDavid Stoller)も、この演奏によくマッチしているね。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

Behind the Sky Feat. Tom Harrell
Jon Irabagon
Imports
2015-09-11