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Scott Hamilton(Ts)
Jeff Hamilton(Ds)
Tamir Hendelman(P)
Christof Luty(B)
Rec. May 18, 2014 in Bern, Switzerland
(Capri Records 74139)

スコット・ハミルトンとジェフ・ハミルトンの共演はこれが初めてのようだけど、2人ともスウィンギーな演奏を得意としているので、相性的にはバッチリだろう。タミール・ヘンデルマンとクリストフ・ルティはジェフのトリオのレギュラーメンバー。「The Jeff Hamilton Trio/From Studio 4(06年)」「The Jeff Hamilton Trio/Symbiosis(09年)」「Jeff Hamilton Trio / Red Sparkle(12年)」(各別頁あり)でのトリオ演奏だけでも十分に楽しめるというのに、本作にはスコットも加わっているのだから、はたしてどういうことになっているのかワクワクするね。

ジェフ曲の「Sybille's Day」と、スタンダード、ジャズメン・オリジナルの「September In The Rain」(Al Dubin / Harry Warren)、「All Through the Night」(Cole Porter)、「Watch What Happens」(Michel Legrand)、「Soul Eyes」(Mal Waldron)、「This Can't Be Love」(Richard Rodgers)、「There'll Be Some Changes Made」(W. Benton Overstreet)、「Key Largo」(Benny Carter)、「Woody'n You」(Dizzy Gillespie)、「The Champ」(Alan Hawkshaw)、「Ballad For Very Tired and Very Sad Lotus Eaters」(Strayhorn)、「You and the Night and The Music」(Arther Schwartz)、「Centerpiece」(Harry Edison)で全13曲。
スコットを聴くのは「Scott Hamilton/Jazz Signatures(01年)」「Eddie Higgins Quartet/My Foolish Heart(04年)」「Scott Hamilton/Back In New York(05年)」(各別頁あり)以来だけど、昔からの若年寄風なプレイにはさらに磨きがかかっているような感じがする。奏法的に決して無理しない歌心がたっぷりのプレイが、ジェフ・トリオのスウィンギーな演奏ともよくマッチしていて実にいい塩梅。よく知っている楽曲とも相まってルンルン気分で堪能できるのだが、トリオとしての演奏は上記3枚のアルバムの方が面白くて、今回は特に前半の曲の方はスコットのバッキングに徹しているような感があるので(もちろんソロも用意されているけれど)、その辺のところはイマイチ。でもオーソドックスを絵に描いたような演奏で、トータル68分を全く退屈に感じることなく楽しませてくれるのだから、これでよしとしよう。演奏的にはスコットとジェフのブラシでのデュオ部分がある6曲目「There'll Be Some Changes Made」、ジェフのオリジナルの7曲目「Sybille's Day」でのノリノリなシャッフル演奏、元々が大好きな曲なのにドラムソロもあったりして演奏にも気合が入っている9曲目「Woody'n You」、アップテンポの10曲目「The Champ」、イントロが「Jordu」となっているのが小洒落ている12曲目「You and the Night and The Music」、シャッフルのブルースの13曲目「Centerpiece」が特に気に入った。
ワタシ的にはもっと刺激が欲しくなってしまうけど、本作はスウィンギーな演奏が好きな人にとってはたまらない1枚ではないかな。録音もライブなのに拍手や掛け声が一切入っていないのには違和感を感じるけれど、各楽器がバランスよく録れていて好感が持てる。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

Live in Bern
Scott Hamilton
Capri Records
2015-10-16