André Marques / Viva Hermeto

André Marques(P)
John Patitucci(Ac-B)
Brian Blade(Ds)
Rogerio Boccato(Per)6
Rec. November, 2014, NJ
(Boranda BA0025)

ジョン・パティトゥッチ、ブライアン・ブレイドの強力リズム隊コンビ買い。2人が参加している近作「Perez, Patitucci, Blade / Children of the Light(15年、別頁あり)」は思ったほどではなかったので、本作には期待している。リーダーのアンドレ・マルケス(ブラジル生まれ)はこれが初聴き。ディスクユニオンのレビューによると、「エルメート・パスコアル・グループのピアニスト、そしてTRIO CURUPIRAの鍵盤奏者、またVINTENA BRASILEIRAを率いても活躍」しているそうだ。リーダー作は「Solo Piano Solo(08年)」「Sexteto(13年)」に次いで3枚目ということになるのかな。本作がエルメート曲のカヴァー集となっていることからも、彼への傾倒ぶりがうかがえる。

全13曲がエルメートのオリジナル。
1曲目「O Ovo」からなかなかスリリングな展開となっていていい塩梅。私はエルメートに対して門外漢なので原曲を知らないけれど、どの曲もこのトリオのために作曲されたかのようにアレンジされているのもグッド。マルケスのピアノは、ビル・エヴァンスとチック・コリアを足して2で割ったような感じとでもいえば解りやすいかな。曲によっては黒人的な粘りも加味されているということは、かなりの引き出しを持っているのだろう。1曲目なんかはロココ・ジャズ風な部分もあるけれど、基本的にはメロディーとリズム面の双方に長けていて、場面によっては速弾きでアグレッシブに攻めていたりもする、なかなかバランス感覚のいいピアニストだね。4つのパートから成り立っている8曲目「Ferragens」のソロピアノにも力感があって、もうマルケスのピアノを聴いているだけでも十分満足するというのに、パティトゥッチとブレイドがまたバッチリの相性ぶりで上手さを魅せつけてくれるのだからなんともたまらない。特にパティトゥッチはソロの見せ場も多く用意されていて(6曲目「Tacho」ではエレベもオーバーダブ)、なんか久しぶりにいいパティトゥッチを聴いたような気がするね。またブレイドも一昨日聴いた「David Berkman / Old Friends and New Friends」よりはこちらの方が好きなのだが、せっかくのいいドラミングが録音のせいでソロ以外は若干奥まって聴こえるのは残念なところ。その分ピアノとベースが浮かび上がっているとはいえ、ブレイドも含めた3人でインタープレイをしているわけなので、できればドラムスももう少し前面に出して欲しかった。
ということで録音面においては少々の不満があるけれど(音質的には問題なし)、演奏に関してはどの曲をとってもワクワクしながら楽しめたので、本作はオマケして5つ星にしておこう。パティトゥッチ、ブレイド以上に素晴らしいプレイをしているマルケスには今後も注目しようと思う。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

Andre Marques
CD Baby
2015-08-17