Enrico Pieranunzi / Tales From The Unexpected

Enrico Pieranunzi(P)
Jasper Somsen(B)
Andre Ceccarelli(Ds)
Rec. August 29, 2015, Live at Theater Gütersloh, Germany
(Intuition INTCHR71315)

エンリコ・ピエラヌンツィとアンドレ・チェカレリの共演は、「Enrico Pieranunzi/Live in Paris(05年、別頁あり)」以来ということになるのかな。ピエラヌンツィのトリオは、近年のスコット・コリー、アントニオ・サンチェスとの「Enrico Pieranunzi / Permutation(12年、別頁あり)」「Enrico Pieranunzi with Scott Colley, Antonio Sanchez / Stories(14年、別頁あり)」はもちろんのこと、マーク・ジョンソン、ジョーイ・バロンとの「Enrico Pieranunzi, Marc Johnson, Joey Baron / Live in Japan(04年)」「E.Pieranunzi, M.Johnson, J.Baron/Ballads(06年、別頁あり)」「E.Pieranunzi,M.Johnson,J.Baron/As Never Before(08年、別頁あり)」「E.Pieranunzi, M.Johnson, J.Baron / Dream Dance(09年、別頁あり)」等も好きなのだが、チェカレリ参加の「Live in Paris」もリリース当時はよく聴いたので、同じくライブ盤である本作にも期待している。これが初聴きのイェスパー・ソムセン(1973年、オランダ生まれ)は、本人のサイトを見るとジョーイ・カルデラッツォやボブ・シェパードとも共演しているぐらいなので、テクニック的には何も問題ないだろう。

全10曲(ラストトラックのロング・インタビューを除く)がピエラヌンツィのオリジナル。
コリー、サンチェスとのトリオとはまた一味違ったリリカルな演奏が中心。ピエラヌンツィにしてみると一昔前に戻ったような印象を受けるのだが、これはこれで悪くはない。曲調がらチェカレリは抑え気味のドラミングをしていて、1曲目「Improtale 1」なんかでは手叩きまでしているけれど、それでもサイレント・アースキンにも共通する繊細なプレイがなかなかの聴きものだし、ソムセンもさすがにこのトリオに抜擢されただけあって、バッキング、ソロ共に曲調にバッチリ嵌ったプレイで楽しませてくれる。そしてなんといってもピエラヌンツィの、いい意味で流暢なピアノが相変わらず素敵だね。今回は対戦型のトリオとなっていないので、その分ピエラヌンツィの負担が増えているけれど、似たような感じのリリカルな曲が多い中、最後まで退屈させずに聴かせてくれるのだから素晴らしい。楽曲としては4ビートでやっている4曲目「Improtale 2」、ボサノヴァ・タッチの6曲目「Tales From The Unexpected」、ドラムソロからスタートする即興的な7曲目「Improtale 3」、アップテンポの4ビートの10曲目「The Surprise Answer」(ブルース曲)が特に気に入ったのだが、「Live in Paris」の方は全体的にもっとダイナミックかつスリリングな演奏だっただけに、それと比べると面白さはイマイチ。ピエラヌンツィにしてもチェカレリにしても年を取ったからといって決して丸くなったわけではないので、あえてこのような大人しめの演奏をしたのだと思うけど、せっかくのライブなのだから、できればもっとガツンといってほしかった。
ということで期待していたほどではなかったけれど、上記4曲ではそれなりに自分好みの演奏が楽しめたので、これでよしとしておこう。録音も大きなホールでの演奏としては、各楽器が過不足のない良い音で録れているね。それにしても今年の8月29日に収録されたものが早くもCD化されるとは驚きだ。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

Tales from the Unexpected
Enrico Pieranunzi
Imports
2015-12-04