The Dave Weckl Acoustic Band / Of the Same Mind

Makoto Ozone(P, Rhodes, Hammond B3)
Gary Meek(Ts, Ss)
Tom Kennedy(Electric Upright-B)
Dave Weckl(Ds)
Rec. 2014, LA
(Universal UCCU1493)

近作「Dave Weckl, Jay Oliver / Convergence(15年、別頁あり)」「Oz Noy Trio / Asian Twistz(15年、別頁あり)」でのプレイも最高に素晴らしかったデイヴ・ウェックルだが、本作では趣向を変えて、かつて在籍していたチック・コリアのエレクトリック・バンドから派生したアコースティック・バンド(純ジャズをやっていた)と同様の路線でいっているのが興味深い。いつものウェックル・バンドのメンバーであるゲイリー・ミーク、トム・ケネディに、コリアからの影響も大きい小曽根真も加わって、はたしてどういうことになっているのか楽しみだ。

ミーク曲が3曲、小曽根曲が2曲、ケネディ曲が2曲、小曽根、ケネディ、ウェックルの共作が1曲、マイルスの「All Blues」、ドン・グロルニックの「Nothing Personal」で全10曲。
ウェックルが4ビート・ドラミングをしている近作では「Tom Kennedy / Just Play!(13年、別頁あり)」が相当良かったけど、ラテンの要素も加味しながらの本演奏も、気合が入りまくっていて実にいいね。特に3曲目「Songo Mikele」のロングドラムソロにはノックアウト。もちろんバッキングも様々なテクニックやアイデアを駆使しながらのインタープレイの応酬で、ウェックル大好き人間の私としては圧倒されっぱなしなのだが、ここまで素晴らしいドラミングができるのは、いつも以上の頑張りを見せながらアグレッシブに吹きまくっているミークと、バンドに新しい風を吹き込んでいる小曽根のおかげでもあるのだろう。小曽根が他人のバンドに参加するのは珍しいことだと思うけど、曲によってアコピ、エレピ、オルガンを弾き分けながらの、メンバーに完全に溶け込んでいるプレイは見事としかいいようがない。彼のおかげでただでさえカッコいい演奏が、ますますカッコいいことになっているね。小曽根曲の8曲目「Agua de la Musica」なんかはもろコリア調だけど、こういう曲を取り上げることができるのも、ウェックルとは根っこの部分(コリア)で繋がっているからこそ。またエレクトリック・アップライト・ベース一本に絞って、どんなビートにも対応しながらノリのいいリズムを送り続けているケネディも、ベースの音質はあまり好きではないけれど、ブライアン・ブロンバーグ的な超絶ソロも含めて上手さを見せつけてくれる。楽曲はどれもがみんな良いのだが、その中でもラスト曲で大好きな「Nothing Personal」をやっているのには大感動。この曲を取り上げているだけでも嬉しいのに、リフをバックにしながらのドラムソロが3曲目以上に凄いことになっていて、完全にやられてしまった。
トータル78分の長丁場を全く長くは感じさせないのだから(興奮しながら聴いていたらあっという間に終わってしまった)、どれだけ演奏が素晴らしいのかということになる。録音はウェックルがフュージョンをやっているときよりはドラムスがラフに録れているものの(セッティングも変えていると思われる)、むしろそれがストレートアヘッドなジャズにはよくマッチしているし、他の楽器のバランスも良好で、本作は当然ながらの5つ星。今年はアントニオ・サンチェスだけではなく、ウェックルの当たり年でもあるようだ。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

オブ・ザ・セイム・マインド
デイヴ・ウェックル・アコースティック・バンド
ユニバーサル ミュージック
2015-07-22