Gael Horellou / BrOoklyn

Gael Horellou(As)
Etienne Deconfin(P)
Viktor Nyberg(B)
Ari Hoenig(Ds)
Rec. June 25, 2013, NY
(Fresh Sound New Talent FSNT455)

アリ・ホーニグ買い。他のメンバーは誰一人として知らないのだが、アルトのガエル・ホレロウ(?)は1975年フランス生まれで、リーダー作はこれまでにも「Gael Horellou, David Sauzay / Versus(99年)」「Gael Horellou / Time After Time(13年)」「Gael Horellou / Legacy(14年)」等がリリースされているようだ。またピアノのエチエンヌ・デコンフィン(?)はバイオグラフィーによると1990年ブルージュ(ベルギー)生まれ。2013年にはリーダー作「Etienne Deconfin / Elements」がリリースされている。ベースのヴィクター・ナイバーグ(?)はネット上にこれといった情報が見当たらないけれど、YouTubeにピエリック・ペドロンと共演している動画が上がっているということは、おそらくフランス人なのだろう。彼もデコンフィンと同様かなり若そうな感じだけど、この辺の新人発掘に対するフレッシュサウンドの嗅覚には、いつものことながら感心する。

ホレロウ曲が7曲と、タッド・ダメロンの「If You Could See Me Now」で全8曲。
4ビートがメイン。部分的に「Giant Steps」のコード進行をパクっている1曲目「K」からしてガツンといっていて、実にいい塩梅だね。ラテンタッチの2曲目「Delta」も出だしがスピリチュアルで、アルト奏者ながらもコルトレーンに傾倒しているのは、ある意味ケニー・ギャレットやロザリオ・ジュリアーニあたりに通じるものがある。3曲目「Dutch Blues」のブルースも、もろコルトレーン的なモーダルな演奏となっているし、バラード曲の4曲目「Central Park Soul」なんかも、コード進行があの曲(曲名は度忘れ)によく似ているのだが、奏法的にはシーツ・オブ・サウンドというわけでは決してなく、細かい音符以外にいかにもアルトらしい大らかさも醸し出しながら吹いているのが、線の太い楽器の音色も含めて好感が持てる。そんなホレロウのプレイが一番の聴きどころといいたいところなのだが、それ以上によく目立っているのがホーニグで、どの曲でも活力を漲らせながら素晴らしいインタープレイをしているのだから(フィーチャリングだけあってドラムソロの場面も多い)、こんなに嬉しいことはない。彼がサイド参加しているアルバムを聴くのは「Shahin Novrasli / Bayati(14年、別頁あり)」以来だけど、久しぶりなことも相まって、本演奏でのドラミングはやけによく感じるね。またデコンフィンのピアノも、バッキング、アドリブ共に申し分がないし(コルトレーン調の曲ではタイナーを意識しながら弾いているのもグッド)、そんなに見せ場は多くないものの、ナイバーグのベースも適度な力感があって素敵だね。
楽曲良し、演奏良しに加えて、FSNTにしては録音も良好で、本作は文句なしの5つ星。ホーニグ以外は全然有名ではないけれど、ジャズ・ミュージシャンの層の厚さを改めて思い知らされた。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)