Diana Krall / Wallflower

Diana Krall(Vo, P)
David Foster(Key, P, Orchestra Arranged)
William Ross(Orchestra Arranged)
Christian McBride(B)1,3,7,10,11, Dennis Crouch(B)4,9, Nathan East(B)6
Karriem Riggins(Ds)3,7,9, Jim Keltner(Ds)4,6,10,11,12
Ramon Stagnaro(Ac-G)1,7,9, Michael Thompson(El-G, Ac-G)1,9,10,11,12, Stephen Stills(El-G)9, Dean Parks(G)4,6, Blake Mills(G)5
Michael Buble(Vo)4, Timothy B. Seluni(Background-Vo)7, Bryan Adams(Vo)11
Rafael Padilla(Per)7
Jochem van der Saag(Synths Programming, Sound Design)1,3,4,5,7,8,9,10,11,12
Rec. 2014?, Santa Monica, CA
(Verve 3786685)

クレジットの字が異様に細かくて、ここまで書くのに1時間近くもかかってしまった。ダイアナ・クラールは大好きなヴォーカリストであるも、近作の「Diana Krall/Quiet Nights(09年、別頁あり)」「Diana Krall / Glad Rag Doll(12年、別頁あり)」は私が望んでいるものとは正反対のアルバム作りだったし、本作にしてもデヴィッド・フォスターとウィリアム・ロス(映画音楽の作曲家)がオーケストラ・アレンジを担当しているので、あまり期待はしていない。メンバー的にはクリスチャン・マクブライドとカリエム・リギンスの参加が嬉しいし、マイケル・ブーブレとブライアン・アダムスの共演にもそれなりに興味はあるものの、できればクラールには「Diana Krall / Love Scenes(97年)」のような、バックと一体となりながら自分の歌とピアノできっちりと勝負をかけている演奏を願っている。

「California Dreamin'」「Desperado(イーグルス)」「Superstar」「Alone Again (Naturally)」「Wallflower」「If I Take You Home Tonight(ポール・マッカートニー書き下ろしの新曲だそう)」「I Can't Tell You Why」「Sorry Seems To Be The Hardest Word」「Operator (That's Not The Way It Feels)」「I'm Not In Love(10cc)」「Feels Like Home」「Don't Dream It's Over(クラウデッド・ハウス)」のポップス曲で全12曲。
「California Dreamin'」「Superstar」「Alone Again」「I'm Not In Love」等、 大好きな楽曲を多く取り上げているので、それなりに楽しめはするものの、クラールのアルバムとして、はたしてこれでいいのかは疑問に感じるところ。基本的にバラード集的なアルバム作りになっているし、マクブライドやリギンスが参加しているといっても4ビートジャズはやっていなくて、しかも単なるバッキングだけに終わっているのだからがっかりしてしまう。これだけの有名曲をクラールが最高にいい感じで歌っているので大ヒットは間違いないと思うけど(グラミー賞も確実か)、これが本当にやりたいことだとは到底思えない。ピアノにしてもポロポロと弾いているだけで、見せ場はほとんどないしね。前2作品もそうだけど、このようなアルバム作りが今後も続くようであれば、どれだけ好きなヴォーカリスト、ピアニストあったとしても見切りをつけるしかないだろう。
完全なポップアルバムということで、音楽的には共感できないけれど、録音(エンジニアはRoy Hendrickson)に関してはアンプのボリュームの位置が知らない間に上がったのかと勘違いするほどに再生レベルが高いのが気に入ったし、その音質もヴォーカルを筆頭に非常にリアルに録れていて、なおかつ温かさを伴っているのだから、この録音の良さだけでも聴く価値は十分あるね。これは今年の最優秀録音候補にしておこう。

評価☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)