Next Order / Chronosystem

Yuji Muto(G)
Takumi Seino(G)
Atsutomo Ishigaki(B)
Hiroshi "Gori" Matsuda(Ds)
Rec. August 2013, Live at the Big Apple, Kobe
(Order Tone Music NO-007)

ハードコア・フュージョン系の凄腕バンドNext Orderの7枚目。私が聴いてきたこれまでの作品「Next Order/Live-Roaring Colors(07年)」「Next Order/Live-Refined(09年)」「Next Order / Live-Intensified(11年)」「Next Order / The End of the Beginning(13年)」(各別頁あり)が2年ごとのリリースだったのに対し、今回は1年で新作がリリースされたということは、それだけバンドとしてノリに乗っているのに加えて、セールス的にも好調なのだろう。このNext Orderの素晴らしいところは、2002年のバンド結成当時からメンバーチェンジせずにやってきていながらも、演奏は常に進化し続けているところ。日本のフュージョンバンドで超有名な「Casiopea」や「T-SQUARE」でさえ、音楽的なマンネリを打破するためにメンバーチェンジしたというのに(他にもいろいろと事情があったと思うけど)、なかなかこうはいかなかったし、世界的にも同一メンバーでこれだけ長く続いているバンドは他に類を見ない。

武藤曲が4曲、清野曲が2曲、松田曲が1曲で全7曲。
例によってのライブ・レコーディングだけど、1曲目「Gippetto」(武藤曲、「Live-Roaring Colors」にも収録されている)からして早くも凄いことになっているね。4人で対決しているかのようなアグレッシブな演奏にはグイグイと引き込まれるし、変則的なリフなんかも目茶苦茶カッコいい。このような難曲をライブでミスせずに演奏するためにはよほどの集中力が必要だと思うけど、それにはお客さんからパワーをもらっていることも関係しているのかもしれない。2曲目「Desert Yellow」(武藤曲、「Live-Roaring Colors」にも収録)は、出だしの7/4拍子や3+5/4拍子の部分がキング・クリムゾン的な曲調。同じく3+5/4拍子で、「マルサの女」によく似たメロディーが印象深い曲だけど、アドリブに入ってからは意表をついてフリーインプロになっているのが面白い。この辺のアプローチはビル・フリゼールあたりの影響が感じられるけど、このようにやりたいと思ったことはどんどん取り入れるのがこのバンドのいいところ。だからこそ音楽的なマンネリに陥ることもないのだろう。3曲目「Silver Torotoise」(清野曲)は、シンバルを主体としたドラムソロからスタートする4ビート曲。テーマの部分ではあえてドラムスのテンポとずらした形でメロディーが進行しているけれど、それがアドリブからピタリと同期しているのがカッコいい。そのアドリブも非常にスリリングかつアグレッシブで、普段からコンテンポラリー・ジャズを好んで聴いていることもあってワクワクしながら楽しめる。4曲目「Killer Hornet」(武藤曲)は思いっきりのロック(スラッシュメタル)調。3曲目の曲調とは全く異なる演奏ながらも、こういうのもまた最高にいい感じなのだから、Next Orderはどれだけ音楽の引き出しが多いのかということになる。5曲目「Simm55」(松田曲、「Live-Refined」にも収録されている)は、4ビートと8ビートの複合曲。さすがに自分の曲だけあって、どちらのビートであっても松田がトリッキーなドラミングで攻めているのが素晴らしい。後半のキメのリフが何度も登場する部分も非常にスリリング。6曲目「The Dragon」(武藤曲、2作目「Live-Powered Nexus」収録曲)は、いかにもフュージョンといった感じの曲。意図してのことなのか、あるいはたまたまそうなったのか、途中から走り気味に(テンポが速く)なっているけれど、そういうのも含めてやっていることの全てがカッコいいね。7曲目「Beside-Like A Shadow」(清野曲)は、ベースソロからスタートするバラード的な曲。途中には爽やかフュージョン的な部分もあるけれど、ここまで聴いて熱くなった体を自然に冷ましてくれるかと思いきや、後半ではまたドラムソロをぶち込んだりしながらガツンといっているのだから、さすがに一筋縄では行かないバンドだけのことはある。
ということで、これまで聴いてきた4枚と同様に、本作でもイケイケな演奏をたっぷりと楽しむことができた。ライブ・レコーディングの一発勝負なので、演奏に少々粗が目立つ部分があるけれど(録音は良好)、そういう人間味も含めてNext Orderのバンドカラーだと思うので、変に綺麗に纏まることなく、これからも挑戦的な姿勢を貫き通してくれることを願っている。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)