Dave Liebman Big Band / A Tribute To Wayne Shorter

Dave Liebman(Ss, Wooden-Fl)
Gunnar Mossblad(Director, As, Ss, Fl), Tom Christensen(As, Fl), Dave Riekenberg(Ts, Fl, Cl), Tim Ries(Ts, Cl), Chris Karlic(Bs, Cl)
Bob Millikan, Brian Pareschi, Dave Ballou, Danny Cahn, Patrick Dorian(Tp, Flh)
Tim Sessions(Tb), Scott Reeves(Tb, Alto-Frugelhorn), Jason Jackson(Tb), Jeff Nelson(Bass-Tb)
Jim Ridl(P)
Vic Juris(G)
Tony Marino(B)
Marko Marcinko(Ds)
Rec. Fabruary 2-3, 2014, Hoboken, NJ
(Mama Records MAA1047)

デイヴ・リーブマンのビッグバンド作品は、これまでに「David Liebman Big Band / Beyond the Line(04年)」「Richie Beirach & Dave Liebman & Frankfurt Radio Bigband / Quest for Freedom(10年、別頁あり)」「The Dave Liebman Big Band/Live As Always(10年、別頁あり)」がリリースされているし、「The Norrbotten Big Band / The Avatar Sessions: The Music of Tim Hagans(10年、別頁あり)」にもゲスト参加しているけれど、本作は大好きなウェイン・ショーターの楽曲集となっているのだからワクワクする。リーブマンとショーターといえば、二人が共演している「Tribute to John Coltrane~Live Under The Sky」(1987年に行われたスペシャル・セッション)を、当時はレーザーディスクで狂ったように観ていた(その他にCDも所有)のが懐かしい。本企画を持ち込んだのは、おそらくビッグバンドのメンバーでディレクターも務めているガンナー・モスブラッドだと思うけど、はたしてショーターの楽曲でリーブマンがどのようなプレイをしているのかが楽しみだ。

ショーター曲の「Infant Eyes」「Speak No Evil」「Yes or No」「Nefertiti」「El Gaucho」「Iris」「Black Nile」で全7曲。アレンジはMats Holmquist(マッツ・ホルムクヴィスト?)が担当している。
ショーターの曲を完全に自分のものにしながら、場面によっては妖艶さも漂わせながらダイナミックに吹きまくっているリーブマンがまず素晴らしい。彼のワンマンなプレイを中心となっているのだが、どの曲でも情感豊かに吹いているおかげで一本調子に感じることはないどころか、演奏にグイグイと引き込まれる。本作ではテナーを用いずにソプラノ一本で勝負をかけているけれど、それがまた曲調にもバッチリ嵌っていて実にいい塩梅。やはりリーブマンのソプラノには他の人にはない凄みがあるね。彼が崇拝しているコルトレーンは別格として、これに対抗できるのはタイプの異なるショーターぐらいだろう。「トリビュート・トゥ・ジョン・コルトレーン」では二人のバトルが最高に面白かった。そんなリーブマンの熱いプレイが一番の聴きどころなのだが、彼のバンドのレギューラーメンバーであるヴィック・ジュリス、トニー・マリノ、マルコ・マルチンコ(「Dave Liebman etc./Back On The Corner(07年)」「The Dave Liebman Group/Turnaround(10年)」別頁あり。上記「The Dave Liebman Big Band/Live As Always」にも3人が揃って参加している)のプレイもなかなかの聴きものだし(各人のソロパートも用意されている)、ピアノのジム・リドル、トロンボーンのティム・セッションズとジェイソン・ジャクソン、アルトのガンナー・モスブラッド、アルトフリューゲルホーンのスコット・リーヴス、テナーのデイヴ・リッケンバーグのアドリブも上々だし、なんといってもホルムクヴィストの正攻法なアレンジが優秀なおかげで、ビッグバンドとしても理想的な演奏が堪能できる。これで「Footprints」や「Fall」もやっていればさらによかったと思うのだが、それでもショーターの楽曲の魅力は十分に伝わってくるので、これでよしとしよう。
ということで演奏には文句のつけようがないし、録音もホーン楽器が温かい音色で録れていて素晴らしい。ビッグバンドものは得てしてオーディオ的に厳しいものがあるけれど、これならばどれだけボリュームを上げてもうるさく感じることはないだろう。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)