Peter Bernstein / Ramshackle Serenade

Larry Goldings(Or)
Peter Bernstein(G)
Bill Stewart(Ds)
Rec. December 17, 2013, Oberhaching, Germany
(Pirouet PIT3077)

ラリー・ゴールディングス、ピーター・バーンスタイン、ビル・スチュワートによるオルガントリオは、これまで「Peter Bernstein Trio/Live at Smoke(DVD、06年、別頁あり)」「Peter Bernstein, Larry Goldings, Bill Stewart / Live at Smalls(11年、別頁あり)」を聴いてきのだが、いずれもが充実した演奏だったので、録音場所をドイツに移しての本作にも大いに期待している。ビルスチュはPirouetの看板ドラマーとして数多くのレコーディングしているし、ゴールディングスもその中の一枚「Bill Stewart/Incandescence(08年、別頁あり)」に参加しているけれど、バーンスタインがこのレーベルに吹き込むのは、もしかするとこれが初めてかもしれない。

ゴールディングス曲が3曲、バーンスタイン曲が2曲、ビルスチュ曲が1曲と、ジョビンの「Luiza」、スタンダードの「Sweet and Lovely」、ホレス・シルヴァーの「Peace」で全9曲。
1曲目「Roach」のスロー・ブルースからして実にいい塩梅。オルガントリオとしての伝統的な手法を踏まえながらの5/4拍子が斬新なのに加えて、後半には早くもビルスチュのドラムソロまで登場してきて、もうこの1曲だけでも買ってよかったという気にさせてくれる。それは2曲目「Luiza」も同様で、バーンスタインとゴールディングスのデュオとなっている出だしのルバート的な部分こそはありきたりではあるものの、ビルスチュが入ってきてからは3/4拍子のボサ調ながらも軽快になりすぎることのない、程よくアタックの効いた演奏となっているおかげでグイグイと引き込ませてくれる。このトリオの胆は、ワタシ的にはなんといってもビルスチュだけど、近年はアルバムによっては以前のような面白味が感じられないものもあったので、本作でのドラミングはオルガントリオという編成上ド派手なことはできないにしても、非常に相性のいいゴールディングス、バーンスタインとの共演していることが相まって、やけによく感じるね。ただしミディアムテンポを主体とした、比較的ゆったりめな曲調が続いているのは気になるところ。ビルスチュのおかげでそれなりにインパクトのある演奏となっているとはいえ、できれば曲ごとのメリハリはもっとつけてほしかった。とはいえ3曲目「Simple as That」での、バーンスタインとゴールディングスによる4バースはなかなか聴き応えがあるし、バラード調の4曲目「Ramshackle Serenade」での、流れるような曲調においてのビルスチュのディジョネット的なドラミングもいいアクセントになっているし、他の曲にもちゃんと聴きどころを用意しているので(特に6曲目「Sweet and Lovely」での、ビルスチュの4バースのスリリングさがたまらない)、退屈に感じるようなことは全くないけどね。さすがにこのメンバーだけのことはあって、心地よい緊張感とリラックス感が交錯しながらのノリノリな演奏で終始楽しませてくれる。
そんな演奏もさることながら、これまでの2枚はライブ盤だったのに対し、本作はスタジオ盤だけあって、録音も特筆もの。いかにもPirouetらしい繊細感に加えてパワー感や温かみもあって、それがまたトリオとしてサウンドと絶妙なマッチングを見せているものだから、この音の良さだけでも感激してしまった。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)
  

--EDIT--

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