Manuel Valera and New Cuban Express / In Motion

Manuel Valera(P, Rhodes)
Yosvany Terry(As, Ss, Chekere)
Tom Guarna(G)
Alex Sipiagin(Tp, Flh)
Hans Glawischnig(B)
Ludwig Afonso(Ds)
Mauricio Herrera(Per)
Rec. January 29, 2014, NY
(Criss Cross 1372)

マニュエル・ヴァレラは「Manuel Valera/Forma Nueva(04年)」「Manuel Valera/Currents(09年、別頁あり)」「Brian Lynch and Spheres of Influence / Con Clave vol.2(11年、別頁あり)」ぐらいでしか聴いたことがないのだが、さすがにキューバ出身だけあって、ラテン風味満載のピアノで楽しませてくれるので、Criss Crossからは初となる本リーダー作にも、ヨスヴァニー・テリー、トム・ガーナ、アレックス・シピアギン、ハンス・グロウィシュニク、ルドウィグ・アフォンソ(知名度は低いが「Martin Bejerano/Evolution/Revolution(09年、別頁あり)」「Eldar/Virtue(09年、別頁あり)」「Eldar Djangirov Trio / Breakthrough(13年、別頁あり)」「Carolina Calvache / Sotareño(14年、別頁あり)」でのドラミングが目茶苦茶カッコいい)、マウリシオ・ヘレーラと、メンバーが強力なこともあってすぐに飛びついた。

ヴァレラ曲が8曲と、J.A. Mendezの「No Puedo Ser Feliz」で全9曲。
1曲目「Descargando」から思ったとおりのラテンジャズ演奏が展開されている。ソンゴ的なビートに乗っかりながら、ヴァレラ、シピアギン、テリー、ヘレーラ、ガーナが早くも気合の入ったアドリブで聴かせてくれて実にいい塩梅。アドリブ自体はそんなに長くはないものの、特にテリーのブチ切れぶりと、ヘレーラのテクニカルなコンガがなんともたまらない。2曲目「Preamble」はどことなくチック・コリアの匂いが感じられるヴァレラのソロピアノからスタート。ラテンの要素も加味しながらのコンテンポラリー・ジャズで、場面によっては4ビートにもなっているという、非常にセンスのいい曲作りの中、ガーナ、テリー(ここではソプラノを吹いている)、ヴァレラが、これまた素敵なアドリブで楽しませてくれる。またどんなリズムチェンジにも難なく対応できているグロウィシュニクとアフォンソもさすがで、後半ではアフォンソのドラムソロまで楽しめる。3曲目「Bantu」はテーマがブレッカー・ブラザーズ風なのと、ヴァレラがエレピを弾いているので、フュージョン的ではあるけれど、基本的にラテンジャズなことに変わりはない。ソンゴ+サンバといった感じの現代的でカッコいいビートに乗っかりながら、これまた各人がノリノリのアドリブで聴かせてくれる。4曲目「No Puedo Ser Feliz」はルンバ調のバラード。しっとりとした曲調をテリーがアルトで朗々と歌い上げているし、ノリのいい曲のときとはまた一味違ったヴァレラのリリカル(?)なピアノも楽しめる。ただし曲が終わりそうなところで16ビートにリズムチェンジしている部分は必要なかったかも。いいアクセントにはなっているけれど、これがあるせいでしつこく感じてしまった。5曲目「Storyteller」は6/8拍子(ラテン)と3/4拍子(4ビート)の複合曲。ラテンの部分が「タンタ・ンタタ・ンタン・タンン」と、倍テン感覚の「タンタン・タタンタ・ンタタン・タタンタ」の併用で、そこに4ビートも絡んでいるのだから、リズム好きの人間にとっては、これまたなんともたまらない。コード進行が完全にジャズなのもグッドだね。もろラテンタッチな6曲目「Mirrors」は9/8拍子と4/4+5/4拍子の複合曲というとで、変拍子好きとしてはますますいい感じで楽しめる。
残りの曲は割愛するけれど、本作にはラテンジャズの美味しいエキスがギュッと濃縮されていて最高だね。録音(エンジニアはマイケル・マルシアーノ)もCriss Crossにしては上出来なので、これはオマケして5つ星にしておこう。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)
  

--EDIT--

コメント

 コメント一覧 (2)

    • 1. 910
    • 2014年10月17日 16:50
    • ラテン・ジャズと現代ジャズの間のような感じで、けっこう好みだったです。カッコいい参加ミュージシャンは多いですが、トム・ガーナのギターにやられてしまいました。

      TBさせていただきます。
    • 2. nary
    • 2014年10月17日 19:40
    • 910さん、TBありがとうございます。
      本作は確かにラテン・ジャズと現代ジャズのいいとこどりって感じでしたね。
      そこがバッチリと自分のツボに嵌りました。
      記事には書き忘れましたが、ガーナのギターも実に良かったです。
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    • [ジャズCDの個人ページBlog]
    • 2014年10月17日 16:48
    • Criss Crossレーベル新譜聴き1日目。先にこのレーベルを聴いていくことに