Peter Beets / Portrait of Peterson

Peter Beets(P)
Ruben Rogers(B)
Greg Hutchinson(Ds)
Rec. February 12, 2013, NJ
(Magic Ball Jazz Records CD75989)

Criss CrossからのNew York Trioシリーズの3枚目「Peter Beets/New York Trio Page 3(05年、別頁あり)」までは好感度が抜群だったのに、その後の「Peter Beets Trio/Live at the Concertgebouw Vol.1(06年、別頁あり)」「Peter Beets Trio/New Groove(07年、別頁あり)」はイマイチしっくりこなかったオランダ人ピアニストのピーター・ビーツ(ペーター・ベーツ)。ジャズ・オーケストラ・オブ・ザ・コンセルトヘボウ(JOC)との共演盤「JOC featuring Peter Beets/Blues for the Dete(10年、別頁あり)」はそこそこよかったものの、やはり彼の場合はアメリカ人のリズム隊の方がよく似合うということで、「Peter Beets / Chopin Meets The Blues(10年、別頁あり)」に引き続き超強力なルーベン・ロジャース、グレッグ・ハッチンソンと共演している本作は、オスカー・ピーターソンに捧げられていることも相まって、これまで以上にスウィンギーな演奏が期待できそうだ。

ビーツ曲が1曲、ロジャース曲が1曲、ピーターソンの「Sushi」「Hymn to Freedom」「Nigerian Marketplace」「Cakewalk」「Wheatland」「Nightingale」、C. Wellsの「You Look Good to Me」、ミルト・ジャクソンの「Reunion Blues」で全10曲。
ビーツのオリジナルの1曲目「Blues for Oscar」からして、もろピーターソン的な曲調によるスウィンギーな演奏で、早くもノリノリにさせてくれる。ハッチンソンの2、4拍にスネアを入れながらのシンプルなビートに乗っかりながらのビーツのからっとしたピアノが実に気持ちいいし、続くレイ・ブラウンを意識しながら弾いているロジャースのベースソロも超カッコよくて、これは買って大正解。2曲目からはピーターソンや彼の愛奏曲が続いているけれど、ハッチンソンもいよいよ本領発揮で最高にカッコいいことになっているね。コロコロと指がよく動くビーツといい、黒っぽいフィーリング感たっぷりに常に力強いベースを弾いているロジャース(ソロもふんだんに用意されている)といい、3人とも自分の持ち味を存分に発揮していながらも、トリオとしても強力なドライブ感で迫ってくるものだから、もうこの極上の演奏には完全にノックアウトされてしまう。オーソドックスなスタイルのジャズとしては久しぶりにいい演奏を聴いたような気がするのだが、それに輪をかけて録音も各楽器がリアルに録れていて、なおかつ刺激音は一切感じられない温かみを伴った音色なのだから、こんなに嬉しいことはないね。素晴らしい演奏と録音に身をゆだねて、体を動かしながらノリノリで聴いていたら、トータル60分があっという間に終わってしまった。
とうことで本作は文句なしの5つ星。曲名は知らなくても、聴けば「ああ、この曲か」と分かる曲ばかりを取り上げている選曲のセンスも抜群だね。ピーターソン・トリビュートなので、明るい演奏を好まない人には不向きかもしれないけれど、どんなジャズも分け隔てなく聴いている人であれば至福のひとときを味わえるのではと思う。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)