Matt Wilson Quartet + John Medeski / Gathering Call

Jeff Lederer(Ts, Ss, Cl)
Kirk Knuffke(Crnet)
John Medeski(P)
Chris Lightcap(B)
Matt Wilson(Ds)
Rec. January 29, 2013, at Maggie's Farm, NJ(?)
(Palmetto Records PM2169)

「Matt Wilson's Arts & Crafts/The Scenic Route(07年、別頁あり)」「Matt Wilson's Arts & Crafts / An Attitude for Gratitude(12年、別頁あり)」での演奏がなかなかいい感じだったマット・ウィルソンだけど、Arts & Craftsという名前を外しての本作は、スペシャルゲストとして全曲に参加しているジョン・メデスキと、名前は覚えていないものの、自ブログで検索したら「Gabriel Puentes/Simple(10年、別頁あり)」に参加しているのが見つかったクリス・ライトキャップ以外は知らない人なのが気になるところ。でもジェフ・レデラー、カーフ・ナフク、ライトキャップは当方未所有の「Matt Wilson / That's Gonna Leave A Mark(09年)」にも参加していることが判明したので、きっと大丈夫だろう。3人の経歴等は割愛するが、写真を見るとけっこうベテランのようだ。

ウィルソン曲が6曲と、エリントンの「Main Stem」「You Dirty Dog」、Hugh Lawsonの「Get Over, Get Off and Get On」、ブッチ・ウォーレンの「Barack Obama」、Toby Gad, Brittany Jean Carlsonの「If I Were a Boy」、チャーリー・ラウズの「Pumpkin's Delight」、トラディショナルの「Juanita」で全13曲。
1曲目からエリントン・ナンバーの「Main Stem」で快調に飛ばしていて、そのスウィンギーさが心地よい。なんて思いながら聴いていると、オリジナルの2曲目「Some Assembly Required」では同じ4ビートではあるも、もっとアバンギャルドな演奏となっていて、やっぱりウィルソンはこっち系が好きなんだなと思わせてくれる。それは他のメンバーにもいえることで、ナフクは比較的オーソドックスに吹いているものの、レデラーとピアノに専念しているメデスキは弾けたプレイをしていて実にいい塩梅。かと思うとバラード的な小品の3曲目「Dancing Waters」の後の4曲目「Get Over, Get Off and Get On」では、60年代にタイムスリップしたかのようなジャズロック演奏が展開されていて、アルバムとしては一貫性に欠けるような気がするのだが、そんなところがウィルソンの特徴でもあるわけだし、なによりも演奏自体が魅力的なので、そんなこともどうでもよくなる。この曲ではナフクもアグレッシブなプレイで聴かせてくれるし、ジャズロックながら5/4拍子なのもユニークだね。そんな感じで曲が進行していくのだが、素晴らしいのはメデスキが全く違和感なくバンドに溶け込んでいること。キーボードを主体に弾いているMM&Wのときとはまた一味違った、グッとジャズ寄りのプレイで楽しませてくれて、特にスウィンギーな7曲目「You Dirty Dog」ではエリントン、あるいはモンクあたりも意識しながら、これまでとはまるで別人のようなピアノを弾いているのが微笑ましくもあり驚きでもある。
本作1枚でスウィング、モダン、ジャズロック、フリー等、40~60年代あたりまでのいろんな要素のジャズが楽しめる仕組みとなっているので、演奏自体はけっこうマニアックではあるけれど(単なる懐古趣味ではない)、これからジャズの歴史を勉強しようという人には、意外とこういうのもいいのかもしれない。録音も各楽器がリアルながらも、非常に温かみのある音で録れていて好感が持てる。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)