Pat Metheny Unity Group / Kin(←→)

Pat Metheny(El-G, Ac-G, G-Synth, Electronics, Synths, Orchestrionics)
Chris Potter(Ts, Bass-Cl, Ss, Cl, Alto-Fl, Bass-Fl)
Antonio Sanchez(Ds, Cajon)
Ben Williams(Ac-B, El-B)
Giulio Carmassi(P, Tp, Tb, French Horn, Cello, Vibes, Cl, Fl, Recorder, As, Wuritzer, Whisting, Vo)
Rec. June 2013, NY
(Nonesch 7559.795810)

前作「Pat Metheny / Unity Band(12年、別頁あり)」は、2012年の私的ベストアルバム第1位に選定したほど気に入っているので、新たにジュリオ・カルマッシというマルチ奏者が加わり、バンド名もUnity BandからUnity Groupに変更となった本作にも、当然ながら過剰な期待をしている。おそらく演奏の凄さはそのままに(あるいはそれ以上)、ピアノ、トランペット、トロンボーン、チェロ、バイブ、ヴォーカル等が要所要所に配されていて、サウンドはますますカラフルになっていることだろう。CDとしてはこれが初聴きのカルマッシを検索しても、これといったものは見つからないので経歴等は割愛するが、そのマルチぶりが遺憾なく発揮されているこのようなYouTube映像を観て、もしかするとメセニーも一目惚れしたのかもしれない。

全9曲がメセニーのオリジナル。
「Pat Metheny / Unity Band」の強力な演奏に、パット・メセニー・グループ的な壮大さが加わったといえば分かりやすいだろう。これこそがカルマッシが参加したことによる音楽的な変化といっていいと思うのだが、かといって過去に逆戻りしているというわけではなく、Unity Bandよりもさらに進化していると感じさせてくれるのだから、さすがにこのメンバーだけのことはあるね。PMG色を加味した分、メセニー色がより一段と強くはなってはいるものの、クリス・ポッター、アントニオ・サンチェス、ベン・ウィリアムスの持ち味も存分に発揮されていて(カルマッシのマルチな楽器やヴォイスを駆使しながらの味付けも実にいい塩梅)、安易に迎合しているのではないスリリングな演奏が展開されているので、終始ワクワクしながら楽しむことができる。1曲目「On Day One」、2曲目「Rise Up」、4曲目「Sign of the Season」、5曲目「Kin (←→)」のように、中には10分越えの大曲もあるけれど、そういう演奏であっても全然長くは感じさせないのだから、どれだけ演奏内容が充実しているのかということになるね。メロディー、ハーモニー、リズムといった音楽の基本要素が最大限に生かされていて、なおかつバンドとしての演奏の持っていき方も完璧。それでいながらPMGほどはカッチリしていない、ラフな一面も残しながらの繊細かつダイナミックな演奏には完全にやられてしまった。動と静のバランスも見事としかいいようがなくて、もうここまで最高の演奏をされてしまっては、素人の私なんかが口出しする余地はないのだが、今回はウィリアムスが曲によりエレベも弾いているのが、さらに演奏を魅力的なものにしていることだけは付け加えておこう。
ということで演奏には10星にしてしまいたいほどの興奮と感動を覚えるし、録音(前作のジェームス・ファーバーから、本作ではPete Karamという人に代わっている)も、この手の音楽にはもう少し透明感があってもよさそうな気がするものの、丸みを帯びた温かみのある音質がむしろエネルギッシュ感を生み出しているといったところもあるので、これで正解なのかもしれない。なにはともあれ今年のベスト1は早くもこれに決定といった感じがする。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)