John Abercrombie Quartet / 39 Steps

John Abercrombie(G)
Marc Copland(P)
Drew Gress(B)
Joey Baron(Ds)
Rec. April 2013, NY
(ECM 2334)

前作「John Abercrombie Quartet / Within A Song(12年、別頁あり)」のジョー・ロヴァーノに代わり、本作には「Copland,Abercrombie,Wheeler/Brand New(05年、別頁あり)」「Marc Copland with John Abercrombie / Speak To Me(11年)」等で、ジョン・アバークロンビーと最高のコンビネーションを見せているマーク・コープランドが参加しているのが興味深い。これまでは2人のデュオ、あるいはケニー・ホイーラーとのトリオ演奏が多かったけど、本作は「Marc Copland Quartet/Second Look(96年)」や「Marc Copland/Another Place(08年、別頁あり)」以来と思われる普通のカルテット編成(ベース、ドラムス入りの)なのに加えて、コープランドとジョーイ・バロンが共演しているのは過去に聴いた記憶がないので、はたしてどういうことになっているのか楽しみだ。

アバークロンビー曲が6曲、コープランド曲が2曲、4人の共作が1曲、スタンダードの「Melancholy Baby」で全10曲。
4ビートが主体。やっていること自体は「Marc Copland Quartet/Second Look」や「Marc Copland/Another Place」とも大差ないような気がするけれど、ドラムスがビリー・ハートからバロンにチェンジしているのと、リーダーがコープランドからアバークロンビーに代わっている関係で曲調が異なっているのが相まって、本作の方がはるかによく感じる。前作「John Abercrombie Quartet / Within A Song」とは違って、動的な演奏が中心となっているのもいい塩梅。これでこそバロンのドラミングも生きてくるのだが、その特徴であるバスドラの「ズドーン」という下への沈み込み(重低音)はもっとあってもよかったかも。彼やポール・モチアンのバスドラをそんな音で録るようになったのは、本レコーディングを担当しているジェームス・ファーバーあたりが最初ではなかったかと記憶しているので、できればこれまで通りのイメージで録って欲しかった。でもそんな音的な不満も、演奏自体が素敵なお陰でどうでもよくなってくるね。各人が自分の持ち味を存分に発揮していながら、バンドとしてもよく纏まっているおかげで、どの曲も最高にいい感じで楽しめる。アバークロンビーとコープランドのコンビネーションは相変わらずバッチリだし、ドリュー・グレスとバロンのプレイも非常に魅力的だね。唯一の既成曲「Melancholy Baby」(ラスト曲)の、フリー調のアプローチなんかも実に素晴らしくて、終始「いいぞ、いいぞ」と思いながら聴いていたら、トータル約60分があっという間に終わってしまった。
ジョンアバのリーダー作としては「Gateway(75年)」「Night(84年)」「Getting There(88年)」「John Abercrombie / Marc Johnson / Peter Erskine(94年)」あたりが大好きなのだが、本作はそれらと比較すると大人しめではあるものの、久しぶりにしっくりくる演奏が堪能できた。これでバロンのドラムソロも用意されていれば更によかったと思う。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)