Bill O'Connell + The Latin Jazz All-Stars / Zocalo

Bill O'Connell(P)
Steve Slagle(As, Ss)
Conrad Herwig(Tb)
Richie Flores(Congas)
Luques Curtis(B)
Adam Cruz(Ds)
Roman Diaz(Bata, Vo), Diego Lopez(Bata), Jadele MacPherson(Vo)2
Rec. June 4-5, 2013, NJ
(Savant SCD2129)

前作「Bill O'Connell / Triple Play Plus Three(11年、別頁あり)」がなかなかよかったビル・オコーネルだけど、本作もその「Triple Play Plus Three」でいい仕事をしていたコンガ奏者のリッチー・フローレスに加えて、スティーヴ・スレイグル、コンラッド・ハーウィグ、ルケス・カーティス、アダム・クルーズの豪華な面々が参加しているのだからそそられる。はたしてこのメンバーで、どのようなラテン・ジャズが繰り広げられているのか楽しみだね。

オコーネル曲が6曲、ヴィクター・フェルドマンの「Joshua」(マイルスの演奏でお馴染み)、スタンダードの「For All We Know」「The Surrey With The Fringe On Top」で全9曲。
形態的にはラテン・ジャズではあるも、4ビートにチェンジする場面が多く用意されているし、基本2管編成なので、ラテン・ハードバップとでもいった方がピンとくるかも。その演奏はハーウィグのリーダー作にも通じるものがあるのだが、中でも2曲目「Joshua」にはアフリカ的なヴォイスやコーラスまで加わっていて、アレンジ的にも相当カッコいいことになっているので、最初の2曲だけで早くも買ってよかったという気になってしまう。聴きどころはなんといってもオコーネルのラテンタッチながらもジャズ臭がプンプンのピアノなのだが、ハーウィグもさすがのプレイでその上手さを魅せつけてくれるし、それ以上にスレイグルが「Steve Slagle/New New York(08年、別頁あり)」等の、デイヴ・ストライカーと共演しているときとはまた一味違った情熱的かつハートフルなプレイで聴かせてくれて(アルトやソプラノの音がいつもよりも太めに録れているのもグッド)、もうそれだけでも満足するというのに、リズム隊の3人がこれまた抜群のチームワークでソロイストを盛り立てているのだから、リズム好きの私としてはなんともたまらない。特にフローレンスは前作に引き続き、ここでも素晴らしい仕事をしているね。またそんなフローレンスに埋もれがちではあるけれど、比較的シンプルなプレイをしていながらも自分の持ち味をきちんと発揮しているクルーズにも好感が持てる。
オリジナルの楽曲はどれもが優秀だし、既成曲とのバランスも良好。基本的にラテン・ジャズが好きなのと、各楽器が温かみのある音色で録れている録音の良さも相まって、終始ノリノリで楽しむことができた。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)