The Willie Jones III Sextet / Plays The Max Roach Songbook: Live at Dizzy's Club Coca-Cola

Jeremy Pelt(Tp)
Stacy Dillard(Ts, Ss)
Steve Davis(Tb)
Eric Reed(P)
Dezron Douglas(B)
Willie Jones III(Ds)
Rec. January 19, 2012, Live at Lincoln Center's Dizzy's Club Coca-Cola
(WJ3 1012)

ピアノをエリック・リードに固定している以外は、アルバムごとに手を替え品を替えながらマンネリにならないよう気を配っているウィリー・ジョーンズIIIだけど、本作は3管編成となっていて、しかもジェレミー・ペルト、スティーヴ・デイヴィスが参加しているのだからそそられる。2人と比べるとテナーのステイシー・ディラードは知名度が高くないものの、ジョーンズIIIとはすでに「Cyrus Chestnut / The Cyrus Chestnut Quartet(12年、別頁あり)」「Dezron Douglas / Live at Smalls(13年、別頁あり)」で共演済みなので、特に問題はないだろう。このメンバーによるマックス・ローチ・トリビュート・ライブで、はたしてどういうことになっているのか楽しみだ。

ジョージ・ラッセルの「Ezz-Thetic」、ゲイリー・バーツの「Libra」、スタンリー・カウエルの「Equipoise」、マックス・ローチ/オスカー・ブラウンの「Freedom Day」、マックス・ローチの「Mr.X」、レオン・ミッチェルの「To Lady」、コール・ポーター~ジョージ・コールマンの「I Get A Kick Out Of You/Shirley」で全7曲。
3管編成だけあってハードバピッシュな演奏がメインとなっているものの、マニアックな選曲のおかげで、ありきたりな感じがしないのがまずいいね。この辺は同じくデイヴィスが参加している「One For All」と異なっているし、演奏自体も黒っぽくてより好感が持てる。中には2曲目「Libra」のようなテーマが難しい楽曲もあるけれど、そのような曲であってもアンサンブルがバッチリ決まっていてさすがだね。聴きどころは何といってもホーン奏者の3人なのだが、ディラードがペルト、デイヴィスに決して引けを取っていないどころか、2人以上にインパクトのあるプレイをしている感があるのだからやられてしまう。またリード、ダグラス、ジョーンズIIIのコンビーネーションも抜群に素晴らしくて、このトリオだけの演奏をずっと聴いていたいと思ってしまうほど。特にリードは、曲によってはアウトなコード展開も見せながら容赦なく弾きまくっているね。もちろんローチがテーマとなっているしリーダーだけあって、ジョーンズIIIのドラムソロもたっぷりと堪能できるのだが、あえてローチ風に叩くといったこともなく、完全に自分のスタイルで押し通しているのには潔さを感じる。
トータル70分に渡り白熱の演奏が繰り広げられていて、まさにライブならではの醍醐味が味わえる。最近はライブでも温度感の低いクールな演奏をする人が増えているけれど、やはり単純に楽しめるのはこういう熱気あふれる演奏の方。けっこうな長丁場ではあるのもの、ハードな曲を中心とした選曲のよさも相まって、私としては全くだれることなく楽しむことができた。ラストをクリフォード・ブラウン&ローチの演奏で馴染み深い「I Get A Kick Out Of You」で締めていて、全く同じアレンジでやっているのも感動ものだね。録音も良好で、同じライブ盤でも「Live at Smalls」シリーズあたりとは比べ物にならないほどに良い音で録れているのだから、これはオマケして5つ星にしておこう。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)