Holdsworth, Pasqua, Haslip, Wackerman / Blues for Tony

Allan Holdsworth(G)
Alan Pasqua(Key)
Jimmy Haslip(B)
Chad Wackerman(Ds)
Rec. May 2007, Live in Europe
(Moonjune Records MJR029)

2009年のリリース当時は、同一メンバーでやっているDVD作品「Allan Holdsworth & Alan Pasqua/Live at Yoshi's(07年、別頁あり)」と同じ音源か、あるいは違ったとしても演奏的には大差ないだろうと思ってパスしていた本作だけど、アラン・ホールズワース本人がFacebookにアルバムを丸ごとアップしているのを聴いたら無性に欲しくなり(この時点で別音源なことも判明)、今頃になって購入した次第。買うタイミングを逃してしまったのと2枚組ということもあって、2,206円(Tower Records価格)と少々高くついてしまったけれど、iTunes(=iPhone, iPod touch)に入れておいて、聴きたいと思ったときには即座に聴けることを考えると安いものだ。

Disk1が「Blues for Tony(Pasqua)」「The Fifth(Wackerman)」「It Must Be Jazz(Holdworth/Pasqua/Haslip/Wackerman)」「Fred(Holdsworth)」「Guitar Intro(Holdsworth)」「Pud Wud(Holdsworth)」、Disk2が「Looking Glass(Holdsworth)」「To Jaki, George and Thad(Pasqua)」「San Michele(Pasqua)」「Protocosmos(Pasqua)」「Red Alert(Newton)」で全11曲。
DVDと聴き比べたわけではないのでハッキリしたことはいえないけれど、演奏はこちらのほうがはるかによく感じる。きっとライブ回数を重ねることによってバンドとして練れてきたのと同時に、曲慣れして演奏に余裕が生じた分、メンバー各人が新たなアイデアを注入できたのが要因なのだろう。それとカメラワークを気にする必要がないのもCDの利点だね。おかげでメンバーそれぞれの演奏している姿を思い浮かべながら、純粋に音楽に没頭することができる。その演奏はさすがにホールズワースのバンドだけあって、各人とも素晴らしいテクニックで聴かせてくれるのだが、中でもジミー・ハスリップがこのバンドにすっかり溶け込んだ感があるのがいい塩梅。またチャド・ワッカーマンのカッコよさも相変わらずで、なんかDVDよりも本作の方がのびのびとプレイしているような印象を受ける。もちろんホールズワースも当然ながら素晴らしいし、ジャズをやっているときとは打って変わって、ギンギンなプレイをしているアラン・パスクァの弾けぶりも特筆もので、テクニカル・フュージョンとしての最高の演奏が満喫できる。楽曲としてはDVDと同様に、「Tony Williams Lifetime/Believe It(75年、別頁あり)」収録の「Fred」「Proto-Cosmos」「Red Alert」をやっているのが嬉しいし、DVDには収録されていない3曲(「It Must Be Jazz」「Guitar Intro」「To Jaki, George and Thad」)も聴きものだね。
トータル約90分の演奏には手に汗握る興奮が味わえるし、録音もまた良好で、本作は当然ながらの5つ星。もしリリースされた2009年に聴いていれば、「Return To Forever/Returns(09年、別頁あり)」との、どちらをフュージョン部門ベスト1にすればいいのか悩んでいただろう。ホールズワースのアルバムの中では「I.O.U.(82年)」「Road Games(1983年)」あたりが大好きなのだが、本作もまたそれと同じぐらいに気に入った。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)