Alessandro Lanzoni Trio / Dark Flavour

Alessandro Lanzoni(P)
Matteo Bortone(B)
Enrico Morello(Ds)
Rec. May 2-3, 2012, Perugia, Italy
(Cam Jazz CAMJ3315)

ロベルト・ガットの「Roberto Gatto and Lysergic Band / Pure Imagination(11年、別頁あり)」や「Roberto Gatto, Alessandro Lanzoni, Gabriele Evangelista / Replay(12年、別頁あり)」で名前を知ったアレッサンドロ・ランツォーニだけど、14歳という若さでデビュー作「Alessandro Lanzoni,Ares Tavolazzi / I Should Care(06年)」をレコーディングしているようなので、彼もまた一昨日聴いたベカ・ゴチアシュヴィリと同様に神童なのだろう。リーダー作は「Alessandro Lanzoni Trio / On The Snow(07年)」に続き、本作で3枚目。メンバーのマッテオ・ボルトーネ(?)とエンリコ・モレロ(?)はこれが初聴きなのだが、ボルトーネがSoundcloudのサイトで1982年イタリア生まれなのが分かった以外はこれといった情報が見当たらないので、経歴的なものは割愛する。

ランツォーニ曲が6曲、ボルトーネ曲が1曲、モンクの「Introspection」「Crepescule with Nellie」「Bright Mississippi」、コルトレーンの「Satellite」で全11曲。
ランツォーニはレコーディングの時点で20歳ぐらいだと思うけど、すでに自分のスタイルを確立している感じがするし、そのテクニックもさすがに素晴らしいね。4ビートが中心の比較的オーソドックスな演奏は、モンク曲を3曲取り上げている他にもオリジナルの1曲目はそれっぽい曲調となっているので、きっとモンク(の楽曲)が大好きなのだと思うけど、そればかりではなく他の曲ではまた違った表情を見せていて、分かりやすく例えるとエンリコ・ピエラヌンツィ的な、いい意味でリリカルな部分も持ち合わせているので、動と静のバランスが非常にいい演奏が堪能できる。ランツィーニは十分な間合いを取りながら、また場面によっては高速フレーズで畳み掛けるようにと、曲調に応じながらけっこう自由自在に弾いているのだが、そのフレーズがどのように発展していくのか先が読めない(教科書的ではない)感がありながらも決して独りよがりではなく、常に周りを見渡しながら協調性のある演奏を心掛けているのだから、まだ若いというのに大したものだね。ロベルト・ガットのアルバムでもかなりの好感触だったけど、本作でのプレイはそれ以上に気に入った。またボルトーネとモレロのランツォーニを引き立てながらも単なるバッキングに終わることなく、それなりに自己主張しているプレイにも好感が持てる。特にボルトーネはソロも含めて素敵なプレイで楽しませてくれる。
既成曲のアレンジも含めた楽曲はどの曲もセンスがいいし、トリオとしての演奏にも纏まりのよさを感じるのだが、全体的にこじんまりとしているので、もっとアグレッシブにガンガン攻めるような楽曲も何曲かあってもよかったかも。その方が年相応の若さ溢れる演奏になると思うので、次回作ではそっち系の血の気の多い人たちとの共演に期待している。とはいえ本作はCam Jazzだけあって録音も良好なことも相まって、小粋な演奏を終始いい感じで楽しむことができた。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)