Makoto Ozone, Christian McBride, Jeff

Makoto Ozone(P)
Christian McBride(B)
Jeff "Tain" Watts(Ds)
Rec. May 19-21, 2012, NY
(EmArcy 0621567)

リリースが遅かった輸入盤を購入したのと、聴く順番を後回しにしたこともあって、今頃のブログアップとなってしまったのだが、NHK-FMで聴いた東京Jazz2012での小曽根真トリオは流石の演奏だったので、それに先立ってレコーディングされた本作にも期待している。メンバーのクリスチャン・マクブライドとジェフ・ワッツの組み合わせは前作「小曽根真 / Live & Let Live - Love For Japan(11年、別頁あり)」での1曲の他にも、ワッツの「Tain & The Ebonix/Folk's Songs(07年、別頁あり)」やデヴィッド・キコスキの「David Kikoski / Consequences(12年、別頁あり)」で耳にしているけど、それらと比較して本作でのプレイはどうなのかが楽しみだね。

小曽根曲が9曲と、エリントン~ストレイホーンの「Satin Doll」で全1曲。
1曲目がピーターソン風だったりして、キコスキ盤と比べるとこちらの方がリラックス感が漂っている印象。もちろんそれだけではなく、例えば3曲目のように高度なテーマをビシッと決めながらのテンションの高い演奏もきちんと用意しているので、そっち系が大好きな私としてもいい感じで楽しむことができる。聴きどころは何といっても流石としかいいようがない小曽根のピアノなのだが、近年はさらにテクニックと歌心に磨きが掛かっているようで、どの曲もこれ以上のものはないと思わせるほどのプレイで、その巧さをたっぷりと見せつけてくれる。またマクブライドとワッツも自分の技を出し惜しみすることなく、本気モード100%のプレイでそれに応戦しているのだからこんなに嬉しいことはない。ベースとドラムスが単にバッキングに徹するだけではなく、きちんとインタープレイしながらの、ピアノトリオとしての理想的な演奏が繰り広げられているので大満足。それに加えてジョー・ファーラ担当の録音も優秀で、もう本作には何も文句がないね。しいていうとアグレッシブな曲がもう何曲かあった方がさらによかったのではと思うのだが、そうなるとピーターソン風な1曲目に始まって、同じくピーターソンの十八番である「Satin Doll」で締めているアルバムの趣旨からずれてしまう恐れもあるので、やはりこれぐらいでちょうどいいのかもしれない。いずれにしても小曽根はもちろんのこと、マクブライドもワッツも存分に本領を発揮しているので、トリオとしての魅力を心ゆくまで堪能できた。
日本人のピアニストとしては、テクニックの限界に挑戦し続けている上原ひろみがとにかく凄いのだが、本演奏のように強力なリズム隊を相手に余裕のあるプレイまでできてしまう小曽根はやはり別格。比較的分かりやすい演奏なので、何度も聴いているうちに飽きてくるかもしれないけれど、これはオマケして5つ星にしておこう。
なお本作と同時にエリス・マルサリスとのデュオ盤「Ellis Marsalis & Makoto Ozone / Pure Pleasure For The Piano 」もリリースされているが、そちらの方は予算的な都合でパスしている。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)