Tia Fuller / Angelic Warrior

Tia Fuller(As, Ss, Fl)
Shamie Royston(P, Rhodes)
Mimi Jones(B)
Rudy Royston(Ds)
Shirazette Tinnin(Per)2,6,9
Guests: Terri Lyne Carrington(Ds)3,8,12
John Patitucci(El-B, Piccolo-B, Ac-B)1,2,4,6,8,9
Dianne Reeves(Vo)5
Rec. 2012?, NY
(Mack Avenue MAC1068)

ルディ・ロイストンと、ゲスト参加のテリ・リン・キャリントン、ジョン・パティトゥッチ買い。リーダーのティア・フラーはビヨンセのバンドに参加していたことがあるようだが、普段は真摯にジャズに取り組んでいる女性アルト奏者で、当ブログにアップしている過去盤では「Sean Jones/Eternal Journey(04年)」「Sean Jones/Gemini(05年)」「Orrin Evans / Captain Black Big Band(11年)」(各別頁あり)にサイド参加している。経歴等は本人のサイトに詳しく書かれてあるので後でちゃんと目を通しておくとして、リーダー作は「Tia Fuller/ Pillar of Strenght(05年)」「同 / Healing Space(07年)」「同 / Decisive Steps(10年)」に続き、これが4枚目。これまでのアルバムは女流奏者との共演が多かったのだが、本作もまたシェイミー・ロイストン(「Decisive Steps」にも参加、ルディ・ロイストンとは兄弟のよう)、ミミ・ジョーンズ、Shirazette Tinnin(何と読む?)共に女性だし、ゲストにはテリ・リンやダイアン・リーヴスもいたりして、自分がリーダーのときは同姓のミュージシャンとの共演を何かと好んでいるようだ。

フラー曲が10曲と、「Body and Soul」「So In Love w/ All Of You」「Cherokee」で全13曲。
マッコイ・タイナー的な1曲目から、ルディがガンガン攻めまくっていて実にいい塩梅。女性主体のバンドであってもここまでパワフルなことができるんだね。そういえば1998年に生で観た大西順子のウーマンズ・トリオ(テリ・リン参加)や、山中千尋の「Chihiro Yamanaka/Live in Tokyo : Tour 2007 Summer(07年、別頁あり)」(ベーシストは本物の女性ではなさそうだが)も凄かったのだが、本作もまたフラーがケニー・ギャレットばりにアグレッシブに吹きまくっているし、シェイミーのブロックコード、ジョーンズのベースライン共にパワー感があるし、楽曲にもリリカルな要素は皆無で、女性を意識することのない逞しい演奏が楽しめる。そんな中ギターのような音が聴こえるのは、パティトゥッチのピッコロベース。彼の参加によってピアノのシェイミ―の見せ場が思ったよりも多くないのは気になるところだが、彼女のアドリブには若干のミスタッチやフレーズ的な走りが見受けられるので、代わりにパティトゥッチがギター的なアドリブでその穴埋めをしたということなのだろう。楽曲はどれもがいい感じだが、数曲を除いて比較的穏やかなテンポの曲が多いのには女性らしさを感じてしまう。またインターバル的な短い曲は私にとって必要ない。
と若干引っ掛かる点はあるにしても、フラーはアルト、ソプラノ共にバッチリ聴かせてくれるし、アドリブの見せ場が少ないシェイミーも9曲目でのエレピは魅力的だし、バッキングに徹しているだけではあるけれど、ジョーンズの力感のあるベースにも好感が持てるし、そしてなんといってもルディのドラミングが非常に生き生きしているおかげで、最後までいい感じで楽しむことができた。ヘタすると主役のフラーを喰うほどに目立っているパティトゥッチのピッコロベースだけは、曲が進むにつれてくどく感じるけどね。でも8曲目ではジョーンズとは次元の違うテクニカルなウッドのウォーキングとソロでカッコよさを見せつけてくれるので、これでよしとしよう。また3曲で叩いているテリ・リンも流石。8曲目「So In Love w/ All Of You」ではカッコいいアレンジまで提供しているし、クラブミュージック的な大胆なアレンジを施した11曲目「Cherokee」での打ち込みを意識したようなドラミングも大したものだね。5曲目に参加のリーヴスはテーマを普通に歌っているだけだし、パーカッションのTinninもいるのかいないのか分からないほど控え目なプレイに徹しているので、この2人に関してはどうこういうことはない。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)