Return To Forever / The Mothership Returns

Chick Corea(P, Key)
Stanley Clarke(El-B, Ac-B)
Lenny Hhite(Ds)
Jean-Luc Ponty(Vln)
Frank Gambake(G)
Rec.2011, Live Recording
(Eagle Rockent ER202572)

先日友人宅に遊びに行ったときに、国内盤にはボーナスDVDも付いているというのでそれを鑑賞したけれど、いま封を切ってみたら、なんと輸入盤にも付いているじゃないっすか。2枚組CD+DVDで、わずか1,944円(Amazon価格)で買えたのがまずラッキー。
再結成されたRTFの「Return To Forever/Returns(08年、別頁あり)」や「Return To Forever Returns/Live at Montreux 2008(09年、別頁あり)」(DVD)は、アル・ディメオラ入りのオリジナル・メンバー(第三期)で構成されていたのだが、その後にリリースされたアコースティックジャズ主体の「Corea, Clarke & White/Forever(10年、別頁あり)」では、ディメオラが抜けた代わりに第二期のメンバーだったビル・コナーズが参加していると同時に、ジャン=リュック・ポンティの共演が興味深かった。本作ではコナーズから第二期エレクトリックバンドのフランク・ギャンバレへと代わっているのだが、メンバーが誰であれ、ここでもRTFの往年の名曲を中心に演奏しているのが、当時RTFを狂ったように聴いていた身としては超嬉しい。どこのライブを収録したものなのか、ジャケットやブックレットを見ても探せないが、本作のプロデュースはレニー・ホワイトが担当していることだけは記しておこう。

Disc1が「Medieval Overture」「Senor Mouse」「The Shadow of Lo / Sorceress」「Renaissance(ポンティ曲)」、Disc2が「After the Cosmic Rain」「The Romantic Warrior」「Concierto de Arnjuez / Spain」「School Days」「Ceyond the Seventh Galaxy」で全9曲。
1曲目「Medieval Overture」のイントロのキラキラしたシンセ部分からして、懐かしさのあまりに感極まる。その演奏は原曲にほとんど忠実なのだが、ギャンバレとポンティが参加していても全く違和感を感じないのはさすがだね。2曲目「Senor Mouse」は今風な感じにスッキリと仕上げているけれど、そんな中においてのテーマ部分のクラークのチョッパーはちょっとくどいかも。でもそのチョッパー目当ての人も相当数いると思うので致し方ないだろう。ここでのギャンバレはディメオラの役割を充分に果たしているだけではなく、バンドサウンドをさらに強力なものにしていて、アドリブでもこれでもかというぐらいに容赦なくいっている。3曲目「The Shadow of Lo / Sorceress」の前半部分「The Shadow of Lo」は、コリアのアコピとポンティのデュオが主体。原曲とはだいぶ違うイメージだが、こういうのも曲調にはよくマッチしていて悪くない。「Sorceress」にチェンジしてからはノリノリな演奏に変化するけれど、テーマ後にシャッフル調になっている部分があるのが意表を突く。聴きどころはなんといってもコリアのアコピでのアドリブ。原曲も相当カッコよかったけど、それとは全くアプローチを変えて弾いている本プレイも聴き応えがタップリだし、クラークのベースもよく絡んでいてさすがだなあと思わせてくれる。ちょっとしたドラムソロの後からはポンティ、ギャンバレ、コリアのアドリブ合戦でまた一盛り上がりしているし、テンポダウンしてからも同様で、16分の長丁場を飽きることなく楽しませてくれる。長いといえば次の4曲目「Renaissance」は20分近くやっているのだからビックリなのだが、楽曲自体に思い入れがないので少々冗長に感じてしまう。ビートもシンプルな8ビートだしね。でもポンティの上手さはたっぷりと堪能できるし、ウッドに持ち替えて弾いているクラークも雰囲気があって実にいい。それとギャンバレのエレアコも曲調にバッチリ嵌っているし、コリアのアコピでの華麗なアドリブや、どこを切ってもクラーク節が満載のウッドでのアドリブも聴き応えがあるので、それなりには楽しめる。
Disc2の1曲目「After the Cosmic Rain」は元々がダイナミックな曲調なのだが、本演奏では新たに付け加えた部分でビートをチェンジしたりして、さらに雄大になっている。ただしこの曲もちょっと長いかな。各人の妙技をたっぷりと披露したい気持ちは分かるけど、もう少し簡潔にした方がダレることなく集中して聴けたと思う。2曲目「The Romantic Warrior」は、「Return To Forever/Returns」では4ビートやサンバ調にチェンジしていたのだが、こちらの方も後半で「タンタ・ンタタ・ンタン・タンン」ビートや4ビートにチェンジしているのがいいアクセントになっている。3曲目「Concierto de Arnjuez / Spain」は、アランフェス部分でのピアノとヴァイオリンのデュオがなかなかいい感じ。「Spain」に入ってからは初出だった「Light as a Feather」に近いイメージのテーマ演奏が繰り広げられているけれど、ソロの一番手をホワイトにしてみたり、コリアお得意のコール・アンド・レスポンスもやっていたりして大いに盛り上がっていると思いきや、その後はテーマに戻ってあっさり終わってしまうのがもの足りない。でも次の曲がど派手な「School Days」なので、アルバム構成としてはこれで充分だろう。その4曲目「School Days」では当然ながらクラークが大活躍。またギャンバレも張り切って弾いているね。彼にしてみると、十代の多感な時代にRTFやクラークのアルバムを聴いて育っているはずなので、本ユニットに参加できた喜びはひとしおなのかもしれない。それにしてもこの曲はテーマのリフをちょこっと変えているのが滑稽だね。5曲目は「Ceyond the Seventh Galaxy」だけど、この難曲をアンコールでやっているだけでも凄いのに、そのテーマ・ユニゾンも全く乱れていないのだからさすがに大したもの。と思ったらやっぱり疲れていたのか、テーマ演奏だけですぐに終わってしまった。国内盤の方には、この後に「Dayride」が収録されているようだ。
ボーナスDVDの内容は、HMVレビューを引用させていただくと、「DVDには“Inside The Music”と題した2011年ツアーでの映像にメンバーのインタビューを交えた1時間を越えるドキュメンタリーが収録されているほか、2011年ツアーからテキサスでのライブパフォーマンスやモントルー・ジャズ・フェステヴィバル出演時のライブ、ドキュメンタリー・ムービー“The Story of RETURN TO FOREVER”のトレーラーなどを収録」とのこと。友人宅で途中まで観た感想だけど、私としてはライブ映像の中にインタビュー映像を挟み込むような編集は大嫌いなので、できればインタビューは最後の方にまとめて欲しかった。
アルバム的にはRTF再結成後に初めてリリースされた「Return To Forever/Returns」ほどには感動しないものの、ポンティの「Renaissance」以外は知っている曲のオンパレードなので、本作もまたウハウハ状態で楽しむことができた。さすがにバーニー・カーシュだけあって録音もバッチリだね。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)