David Kikoski / Consequences

David Kikoski(P)
Christian McBride(B)
Jeff "Tain" Watts(Ds)
Rec. February 1, 2012, NY
(Criss Cross 1346)

デヴィッド・キコスキとジェフ・ワッツはお互いのリーダー・アルバムで共演し合っている間柄で、近作の「David kikoski/Mostly Standards(09年、別頁あり)」や「Jeff "Tain" Watts / Family(11年、別頁あり)」でも一緒だったのだが、本作はその「Mostly Standards」からベースのエリック・レヴィスをクリスチャン・マクブライドに代えて、さらにパワーアップしているのだからそそられる。この3人の共演はワッツの「Tain & The Ebonix/Folk's Songs(07年、別頁あり)」以来ということになると思うけど、超強力なリズム隊を相手に、はたしてキコスキがどこまでやり合えているのか楽しみだね。「Mostly Standards」では既成曲とオリジナル曲の温度差が感じられたが、本作は1曲以外はオリジナルで統一しているので、きっとその辺のバランスもよくなっているだろう。

キコスキ曲が6曲、ワッツ曲が2曲、スタンダードの「Never Let Me Go」で全9曲。
1曲目にミディアム・テンポのブルース曲を持ってきたりして、キコスキにしてはリラックス感のある演奏。おそらくマクブライドの音楽的嗜好が反映されているのだと思うけど、そんな中での部分的にモーダルなフレーズも取り入れながらの現代的な弾き方が、いかにもキコスキらしくてカッコいい。セッション的な要素が強い演奏なので、少々ダレ気味になっているような気がしないでもないけれど、それがまたブルージーな味わいに繋がっているね。2曲目からはいかにもキコスキらしいピリリとした演奏が続いていて、このトリオとしての魅力もぐんと増している。キコスキはドラマー好きするフレーズでバンバン仕掛けているし、マクブライドの強靭なベースも存在感が半端ではないし、ワッツも攻撃性のある野性味たっぷりのドラミングで楽しませてくれる。嬉しいのは5曲目で「Mr.JJ」をやっていること。この曲はワッツの私的最高傑作「Jeff "Tain" Watts/Detained At The Blue Note(04年)」(キコスキも参加)に収録されていた曲だが、それをさらに高速でやっているのだから驚いてしまう。この速さだというのにマクブライドまでもが超絶なベースソロをとっていて、さすがに大したものだね。私としてはこの1曲だけでも大興奮してしまうというのに、6曲目も途中から高速4ビートになっていたりして、全体的にハードなジャズの醍醐味がたっぷりと満喫できるアルバム作りとなっているものだから、終始ワクワクしながら楽しむことができた。ラスト曲の「Never Let Me Go」を、ソロピアノでしっとりと締めているのもグッドだね。
キコスキのアルバムでは、どちらかというとビル・スチュワート参加の「David Kikoski Trio/Details(04年)」「David Kikoski/Limits(06年、別頁あり)」の方がこれまでは好きだったのだが、本作がそれ以上に良く感じるのはマクブライドとワッツの超強力なリズム隊に触発されて、キコスキにいつも以上に気合が入っているから。Criss Cross盤なので録音だけは普通だけど(エンジニアはマイク・マルシアーノ)、大好きな「Mr.JJ」もやっていることだし、これはオマケして5つ星にしておこう。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)