Jonathan Greenstein / Thinking

Jonathan Greenstein(Ts, Ss)
Ilan Bar-Lavi(G)
Victor Gould(P)
Dan Carpel(B)
Jeff Fajardo(Ds)
Guest: Darren Barrett(Tp)1,4,5,10,
Rec. October 18-19, 2010, MA
(Fresh Sound New Talent FSNT386)

ジェフ・バラード買いしたつもりだったのに、名前をよく見たらなんとJeff Fajardoと違う人じゃないの(苦笑)。でもゲストとして大好きなダレン・バレットが参加しているので、気を取り直すとしよう。リーダーのジョナサン・グリーンスタイン(?)は、本人のサイトによるとイスラエル出身。バークリー音楽院でジョージ・ガゾーン、ダレン・バレット、ジョー・ロヴァーノ、ダニーロ・ペレス、ビル・ピアースらから学んだ他に、同郷のエリ・デジブリ、Erez Bar-Noy、オマー・アヴィタルからも指導を受けているようだ。現在はNYで活動中。本作が初リーダー作なのだが、バレット以外は誰一人として知らないというのがある意味凄い。おそらくバークリー時代の仲間たちだと思うけど、きっとそれだけ自分のバンドに自信を持っているということなのだろう。メンバー各人の経歴等はいちいち調べるのも面倒なので割愛するが、とりあえず名前の読み方は、イラン・バル=ラヴィ、ヴィクター・グールド、ダン・カーペル、ジェフ・ファハルドと便宜上記しておく。ちなみにグールドは「Donald Harrison/Chosen(08年)」にも参加しているのが見つかった。

グリーンスタインのオリジナルが10曲と、I. Borochovという人との共作が1曲で全11曲。
急速調4ビートの1曲目を聴いただけでも、各人のテクニックの確かさが実感できる。これだけ素晴らしい演奏ができるであれば、恩師のバレット以外は有名どころに参加してもらう必要もないだろう。グリーンスタインはフレージングもくすんだテナーの音色も、ジョー・ヘンダーソンあたりによく似ているね。ブレッカーのような速いパッセージでガンガン攻めまくるといったタイプではないし、クリス・ポッターのようなインパクトの強さにも欠けるけれど、そのさりげないモダンな音使いがなんともカッコいい。またグールドのピアノも同じような傾向で、モーダルなものを基調としながらも、サウンドにバッチリと嵌ったプレイをしているのがいい塩梅。この2人はなんか似た者同士といった感じで相性バッチリだね。こうなるとギターはあまり必要ないような気がするのだが、だからといって普段から一緒にやっていると思われるバル=ラヴィだけをレコーディングから外すわけにもいかないだろう。アドリブは凄腕ギタリストたちと比べるとまだまだではあるも、テーマ部分ではメロディーに絡んでみたり、バッキング時もピアノとコードが勝ち合わないよう細心の注意を払いながらいろいろ工夫して弾いていたりして(休んでいる場面もあり)、その存在感をきちんとアピールしているし、それがまたサウンド上のいいアクセントにもなっている。ロック調の4曲目のような演奏ができるのもギターがいてこそだろうね。ベースのカーペルは可もなく不可もなくといった感じ。ファハルドは活力に満ち溢れたドラミング(繊細さも兼ね備えている)をしていて、それがバンドの躍動感にも繋がっている。ゲスト参加のバレットは、これまではパワー全開でワイルドに吹きまくるイメージが強かったけど、本作ではそれとはまた一味違ったグッと落ち着いたプレイをしている。きっと自分だけが目立ち過ぎないように気配りしたのだと思うけど、それでもその上手さは際立っているね。
4ビートの1、6、9、10曲目以外は、いかにもFSNTらしい現代的な演奏が繰り広げられている。その楽曲は変に明るくも暗くもなく、ちゃんと統一感が取れているのには好感が持てる。ただし中にはフェードインやフェードアウトする曲があり、特にラスト曲はフェードアウトで終わったと思っていると、少ししてからまたフェードインしてきて、おそらくボーナストラック的に入れたのだと思うけど、私としてはチクハグに感じてしまった。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)