Eric Alexander(Ts)
Jim Rotondi(Tp,Flh)
Steve Davis(Tb)
David Hazeltine(P)
Peter Washington(B)
Joe Fansworth(Ds)
Rec. December 20,2002,NY (Criss Cross 1234)

未開封盤聴き。ブログを始めた時点で162枚あった未開封盤も、本作以外に残すところあと1枚。ここまで来るのに長い道のりだったけど、実は他にもブルーノートの1500番台や4000番台、あるいはリバーサイドやプレスティッジやコンテンポラリーといった50~60年代の旧盤が50枚ほどあり、まだまだ先が思いやられるので達成感のようなものはない。でもそちらの方はブログにアップする気はない(すでに語りつくされた感のある歴史に残る偉大な作品群を、私ごときがどうこう書いても仕方がない)ので気は楽だけどね。変な義務感に駆られることなく、本当に聴きたいときにでも聴こうと思っている。
さてワン・フォー・オール。伝統的な3管編成のハードバップ・バンドとして現代最高峰のバンドなのだが、デビュー以来サウンドが基本的には変わっていないところが長所でもあり短所でもある。当ブログではもう5枚も取り上げているので、前置き用のネタはなにもないし、ヘタすると聴いた感想までもが似通ってしまっているのが正直なところ。でもこういう音楽的なマンネリズムは、それだけ安心して聴くことができるということなのだから、決して悪いものではない。
それはそうと輸入元のスーパーストップの帯には「クリスクロス通算3枚目」と書かれているけれど、これは4枚目の間違いだろう。本作以前に「Upward And Onward」「The Long Haul」「Live At Smoke Vol. 1」の3枚があるからね。

エリック・アレキサンダー曲が2曲、ジム・ロトンディ曲が1曲、スティーブ・デイビス曲が1曲、デヴィッド・ヘイゼルタイン曲が2曲と、ショーターの「Infant Eyes」、マクリーンの「A Calling」で全8曲。
ワン・フォー・オールの未開封盤聴きもこれが最後かと思うと異様に良く感じる。というかやっぱりベースがピーター・ワシントンのときのワン・フォー・オールが一番好き。彼がベースだとボトムががっちりと引き締まるんだよね。しかもヴィーナス盤とは違い、クリスクロス盤の場合は(シャープナインもそうだが)モード臭が強いというかなんというか、演奏がよりキビキビとしているし、3管編成のアンサンブルを売りにするというよりも、むしろ各人のアドリブの方に大きくスポットを当てているので、サウンドが暑苦しくないのがいいんだなぁ。これらの違いはオリジナル曲が主体なのが最大の要因。オリジナルの場合はいいものを作り上げようとするミュージシャンの意気込みからして違ってくるからね。本作の楽曲群もショーターやマクリーンの曲のアレンジも含めてどれもこれもが優秀だし、作曲者は違えども各曲のサウンド・カラーが見事に統一されているのもお見事。それにわをかけて演奏が素晴らしいのだが、仲間意識の強いバンドではありながらも、こと本作に限ってはなあなあな部分は皆無だし、マンネリ的なものも感じない。各人のアドリブがほどよくスリリングで、いい意味でのライバル心が旺盛なのが実にいいですなぁ。この笑いのない生真面目な演奏は、なんかデビュー当時のサウンドに近いものがあるような気がする。
数あるワン・フォー・オール作品の中でどれか1枚をと言われれば、わたし的にはこれかもしれない。それが一番後回しになってしまったというのも、なんとも皮肉な話だけどね(苦笑)。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)