Fabio Morgera(Tp,Flh,F-Tuba)
JD Allen(Ts)
Jason Jackson(Tb,B-Tb)
Peter Griesinger(G)
Bill Ware(Vib)
Eric Revis(B)
Alvester Garnett(Ds)
Rec. January,1998,NY (Red 123278)

イタリア出身でNYを拠点に活動しているファビオ・モルゲラは、「Groove Collective」という有名なアシッド・ジャズ系のバンドの一員らしい。あいにくとそっち系の音楽は苦手なので「Groove Collective」も一度も聴いたことがなかったのだが、今試聴してみたらソウルあり、ファンクあり、ヒップホップあり、ラテンありと、なかなかバラエティに富んでいるバンドなんだね。ボーカルも入っているけどサウンド的にはブラスがメインになっているようで、これぐらいだったらブラス・ロック感覚で聴けるかなあって感じなので私の好みにも合いそうだ。まあアルバムを買ってみようという気にまではならないけどね(笑)。
大衆受けするようなダンサブルな音楽をやっている「Groove Collective」に対して、モルゲラはリーダー作では本格的な4ビートジャズを追求しているような感じ。もちろんこちらの方が彼の本質なのだろうが、お金を稼げるバンドに入っていながら自分のアルバムではやりたい音楽をとことん追求するという考え方は、それほど有名でないミュージシャンにしてみれば、ある意味理想的な姿といっていいだろう。なんだかんだいっても収入が安定していなければ、自分がやりたい音楽なんてできるはずはないからね。それだけプロの世界は厳しいのです。

10曲のモルゲラのオリジナルと、ローランド・カーク、ガレスピー、ジョーヘン曲等で全14曲。
3管編成ではあるが「ワン・フォー・オール」的なコテコテのハードバピッシュなハーモニー感覚というよりは、どちらかといえばビッグバンドに近いホーン・アレンジとなっている。あまりせこせこしていなくて、こじんまりと纏まっていないのがいいんじゃないかな。またピアノレスでギターやバイブが入っているのがサウンドのとてもいいアクセントとなっている。楽曲の方は4ビートがメインでありながらもアラビア風な音階のものがあったり、ビート的にニューオリンズ・ファンク調のものがあったりと、曲調的にはけっこうあれこれやっている。それでいながらサウンドの統一感がきちんと取れているのが実にいいねぇ。
モルゲラはトランペットとフリューゲルを曲調に応じてうまく使い分けているのだが、派手にも吹けるし歌心タップリにも吹けるしで、テクニック的には特に問題はなし。また作曲やアレンジの能力にも長けていて、14曲もやっているというのに捨て曲は1曲もないというのが素晴らしい。「オール・ザ・シングス・ユーアー」をパクっている2曲目の「Things」なんかも私好み。ボッサ系のビートなんだけど、7拍子でやっているのが憎いよなぁ。
端正に吹いていながらもそこそこアグレッシブなJDアレンのテナーも、いかにもといった感じのどかな吹き方のジェイソン・ジャクソンのトロンボーンも、出番は少ないもののボビー・ハッチャーソン・ライクでクールなビル・ウェアのヴァイブも、単なるバッキングには終わっていないエリック・リーヴスのベースも、元気溌剌なアルベスター・ガーネットのドラミング(ハイチューニングでノーミュートのバスドラが超気持ちいい)もみんな上手くてカッコいいのだが、ピーター・グリージンガーのギターだけはちょっと難点。なんかフレーズが貧弱に聴こえるね。
14曲でトータル70分もあるのに飽きることなく最後まで楽しめた。前に聴いた「Fabio Morgera/Colors(別頁あり)」よりはこちらの方がいい感じですな。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)