Jan Lundgren(P)
Jesper Lundgaard(B)
Alex Riel(Ds)
Rec. Februaly 2007,Copenhagen (Marshmallow Records MMEX114)

マシュマロの新作3枚が入荷。昨日の「The Jimmy Cobb Quartet/Cobb's Corner」のところで、レーベル全部買いしているのはクリスクロスだけと書いたが、そういえばマシュマロ作品もここ数年のものは全部持っている。何を買ってもハズレはなし。安心できるレーベルの一つですな。
前作「Jan Lundgren Trio/Plays Cole Porter Love Songs(別頁あり)」のところでも書いたのだが、ヤン・ラングレンは9月13日に本作と同じメンバーでいよいよ我が大館市にやってくる。主催は30年以上の長きに渡って一流のジャズメンを招聘しつづけているジャズスポット「ミントンハウス」のマスターS氏。彼のおかげでこの大館にいながらにして、世界中の素晴らしいミュージシャンの生の演奏を目の当たりにできるのですな。今まで来た有名どころを挙げると、ジョニー・グリフィン(ロニー・マシューズ、レイ・ドラモンド、ケニー・ワシントン)、ケニー・ドリュー(レッド・ミッチェル)、デイブ・リーブマン(辛島文雄トリオ・プラス・ワンとして)、ジョージ・アダムス&ドン・ピューレン(キャメロン・ブラウン、ダニー・リッチモンド)、ジョアン・ブラッキーン(セシル・マクビー、ビリー・ハート)、ミシェル・ペトルチアーニ(パレ・ダニエルソン、エリオット・ジグモンド)、タイガー大越+ボブ・ミンツァー(ミロスラフ・ヴィトウス、アイデン・エッセン、ボブ・モーゼス)、エグベルト・ジスモンチ、ジーン・ディノヴィ(ニール・スウェインソン、横山和明)といったところ。この豪華さに、ナベサダ、ヒノテルを始めとする日本の有名ジャズメンのほとんどが加わるのだから凄いわな。中には大赤字を喰らったコンサートもあったようだけど、「地元の人たちに最高のジャズを提供したい」という一念で彼が今まで取り組んできた真摯な姿勢は賞賛に値する。実はマスターS氏はプロの画家としても活躍中で、ニューヨークで個展を開いたことがあるし、デイブ・リーブマンやクリヤマコトにせがまれてジャケット用の絵を提供したこともある。
と話がラングレンからそれてしまったが、今度のライブはそうとう楽しみだ。何せイェスパー・ルンゴーにアレックス・リールだからねぇ。3人とも超が付くほどに大好きなミュージシャンです。

全11曲。前作はコール・ポーター集だったが、今回は「Billy Boy」を除きジャズメン・オリジナル集となっている。50年代に作曲された、ジャズをちゃんと真面目に聴き込んでいる人たちにしてみればよく知っている曲ばかりだけど、「モンクの曲を1曲は演ってほしい」派の私としては「Well You Needn't」が入っているのが嬉しい。
前作では全般的におとなしめな曲調がら、リールがブラシを主体にバッキングに徹しているって感じで、その辺がわたし的にはいささか不満だったのだが、本作ではスティックとブラシをバランスよく使い分けていて実にいいですなぁ。やっぱりドラムの真髄はなんといってもスティック・プレイにある。それがあるからこそブラシでのソフトな演奏も生きてくるというもの。例えばエレギ奏者が、曲によってはアコギを使うのと同じこと。これでようやくアレックス・リール・トリオで叩いている時とまではいかないが、それに近いドラミングが聴けるようになった。もちろん今度のライブもまさかブラシが主体なんてことはありえないだろう。
演奏は3人とも快調そのもの。このメンバーでのレコーディングはもう7枚目になるのかな。長く組んでいるだけあって息もピッタリ。タイトルどおりスウィンギーという言葉がよく似合う演奏。決して破綻することがなくどの曲も素晴らしい歌心で、しかも原曲の雰囲気に合わせてアプローチを若干変えながら攻めてくるラングレンのテクニックの確かさもさることながら、今回はルンゴーの素晴らしさがよく目立つ。いつもよりも見せ場が多く用意されていて、これはベース好きにとってはたまりませんなぁ。アップテンポの4曲目「Billy Boy」で、あえてソロで弓弾きしているあたりなんかは流石だね。
マシュマロでのラングレンは、どのアルバムも楽曲的に日本人が好みそうなものを演っているのだが、正直言ってそれがいささか臭く感じないでもなかった。その点本作はそんなこともなくてとてもいいね。ピアノの音はちょっとハイ上がりになってしまったけど、録音も相変わらず良いっす。
次回はぜひ本人のオリジナル集なんかも聴いてみたいものですな。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)