Jan Lundgren(P)
Jesper Lundgaard(B)
Alex Riel(Ds)
Rec. March,2006,Copenhagen (Marshmallow MMEX111)

ヤン・ラングレンのコール・ポーターのラブ・ソング集。マシュマロの前作「Jan Lundgren/In New York(別頁あり)」はピーター・ワシントン、ケニー・ワシントンの真っ黒いリズム隊との共演だったが、本作では気心の知れたイェスパー・ルンゴー、アレックス・リールに戻っている。
実はこのメンバーで今秋に来日するのだが、なんと我が大館市にもやって来る(9月13日、主催ミントンハウス)のですなぁ。東北ではあとは仙台(定禅寺ストリートJF)だけ。ラングレンのみならず、ルンゴーやリールのファンというのも相当いると思われるので、近県に住んでいる方はこの機会をお見逃しのないように。私自身もラングレン以上にリールを観たい口である。ヨーロッパを代表するドラマーの一人。70年代にカフェ・モンマルトルのハウスドラマーとして活躍していた頃のジャッキー・マクリーンのスティープルチェイス盤(確かレーベル第1作目)なんかは昔よく聴いたけど、それよりも現在の方がはるかに上手い。年をとるに連れて逆にドラミングが若々しくなっているというのがこの人の凄いところなんだなぁ。そんなリールを生で、しかも地元に居ながらにして観れるなんて、こんなに嬉しいことはないっす。
ラングレンに関しては、誰がなんと言おうとも私は緩急自在の「Landscapes」が大好き!今回はポーター集ということなので、それを超える作品ではないことは聴く前から分かっているのだが、曲はあくまでも題材で演奏そのものはあまり甘くなっていないことに期待しよう。

全11曲。珍しくヴァース部分が入っている曲が何曲かあるようだが、これといった凝ったアレンジもなく比較的原曲に忠実な演奏といった印象を受ける。
1曲目はリールがスティックで叩いているし、ピアノとドラムの4バースがあったりしてなかなかいい感じなのだが、2曲目から7曲目まではブラシを使ったとても落ち着いた曲が続くので、聴いているうちに次第に退屈になってくる。なんてったってギンギンにアウトしまくるようなモーダルな演奏が好きだからな。でもこのメンバーのことなので1曲1曲はとてもいいっすよ。願わくばハードな演奏が主体の中に、こんな感じのが2~3曲あると心が和んでいいんだけどな。まあポーター集のしかもラブ・ソングだけを集めたという企画ものなので、これ以上はどうしようもないとは思うけどね。
その代わりにといってはなんだけど録音は素晴らしいですな。各楽器のバランスはいいし立体感もある。音そのものが変に誇張されていないのがなによりもいい。特にベースの音はかなりの快感で、もうこれだけでも十分に楽しめる。また倍音の少ないパイステのシンバル(を使っていると思う)の音も、好きな人にとってはたまらないだろう。まあ私はジルジャン派だけどね(笑)。
今度の来日の演奏がこの路線なのかどうかは分からないが、出来ればラングレンが本当にやりたいと思っていることをやってくれるといいんだけどな。その方がリールももっと活躍できると思うしね。実際そういう演奏を望んでいる人が多いのではないかなぁ。いずれにしても生で観れるのはこれが最初で最後だと思うので、流石に凄いトリオだなとうなずかせるような演奏をして欲しいっす。個人的にはリールの「What Happend?(別頁あり、ルンゴーも参加している)」のような躍動感に満ち溢れた動的な演奏を期待しているんだけどな。でもそれだとアレックス・リール・トリオになってしまうか(苦笑)。

評価☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)