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Eumir Deodato(P,El-P)
John Tropea,Jay Berliner(G)
Ron Carter,Stan Clarke(B)
Billy Cobham(Ds)
Airto(Per)
Ray Barretto(Conga)
etc.
Rec. September,1972,Van Gelder Studios (CTI)

リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」は、1970年頃に公開された映画「2001年宇宙の旅」で多くの人々に知られるようになった楽曲だといっても過言ではないと思うが、それをジャズロック風にアレンジして空前の大ヒットを飛ばしたのがデオダートだった。本作に収録されている 「ツァラトゥストラ~」バージョンは実に多くの人たちにパクられていて、ムード音楽のパーシー・フェイス楽団なんかも当時は好んで演奏していたし、ミュージック・エイト(だったかな?)からは楽譜も出ていたので、アマチュアのビッグバンドもよく取り上げていたっけな。
でもやっぱり元祖デオダートの演奏が一番カッコいいのですわ。なんてったってドラムがビリー・コブハムだしね。マハビシュヌ・オーケストラばりの変則的なフィルインを聴いているだけでも、私なんかはもう鳥肌もの。もちろん他のメンバーも流石にCTIだけあって超豪華で強力なのは言うまでもないよね。
と本作はもう「ツァラトゥストラ~」の1曲につきるのだが、もしかすれば秋田県にお住まいの方にとっては「輝く指輪とビーズ玉」にかなりの懐かしさを覚えるかも知れない。デオダートのこれはある企業のローカル・コマーシャルのBGMとして20年ぐらいもの間TVから流れていたことがあるからなぁ。あと個人的にはやっぱりクラシック曲をアレンジした「牧神の午後への前奏曲」も忘れがたいっす。
デオダートに関して言えば、アレンジ能力は相当なものを持っているにもかかわらずピアノの実力はいまいちって気がしないでもないが、とにかく本作が彼の出世作だったのは間違いない。まさにアイデアの勝利といっていいだろう。でも結論的には、そんなデオダートの才能を開花させたクリード・テイラーがやっぱり凄いってことになるのかなぁ。
わたし的にはこの後の「Deodato 2(別頁あり)」の方がもっと好きだった。何せこちらでは今度はガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」をやっているからな。実は私はこの曲には目がなくってねぇ。なので今年リリースされたミッシェル・カミロの「Michel Camilo/Rhapsody in Blue (別頁あり)」もちゃんと買っているし、音大がテーマとなっている最近話題のTVドラマなんかも毎週欠かさず観ているのです。まあこれは主役が可愛いってことが一番の理由だけどね(笑)。