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Dave Valentin(Fl)
Chris Barretto(Ts)5
Papo Vazquez(Tb)7
Bill O'Connell(P)
Luquez Cutris(Ac-B)
Robby Ameen(Ds)
Milton Cardona(Per)
Richie Flores(Per)
Rec.? (HighNote HCD7160)

デイブ・バレンティンの過去のアルバムはもうみんな処分しちゃったけど、LP時代にはGRP作品の「Legends(78年)」「The Hawk(79年)」「The Land of the Third Eye(80年)」「Jungle Garden(85年)」はよく聴いた。でも最近はとんとご無沙汰、というか彼のリーダー作(本作)を買ったのはなんと21年ぶりですわ。う~ん、ついこの間まで聴いていたような気がするんだけど、月日が経つのってホント早いもんだな(苦笑)
バレンティンは1952年ニューヨーク生まれのプエルトリカン。彼を発掘したデイブ・グルーシンの後押しで、デビュー当時はラテン風な味付けのフュージョンでスタートするも、フュージョンの衰退と同時に本格的なラテンジャズ(というかニューヨークラテンかな)に転向していった感がある。でも元々はこちらの方が本職だったのかも知れない。要は原点に返ったってことなのだろう。
彼のフルートはラテンの血を引いていてとても陽気でリズミカル。同じフルート奏者でもクラシックの教養をキッチリと積んでいてある意味真面目なヒューバート・ロウズとはずいぶんとタイプが違うよね。また人柄もいかにも陽気で明るいラテン気質そのもののようだ。

W.O'Connellという人の曲を主体に全9曲。アレンジはピアノのビル・オコーネルが担当している。ラテンジャズ系に関しては門外漢なのでハッキリしたことは分からないが、もしかすればこの2人は親子関係か何かなのかも知れない。
曲はラテンタッチなものと4ビートジャズが半々ぐらい。全曲ラテンを予想していた身からすればかなり嬉しいっす。
バレンティンは久しぶりだけど、とても懐かしさを覚える。もう聴いているだけで気持ちがウキウキしてくるねぇ。彼自身はベテランの味が出てきてほんのちょっとだけ渋くなったような気はするも、やんちゃなところやパワー感は相変わらずで男性的にグイグイ押しまくっている。時たま披露するフルートと同時に声も出す奏法(なんていうのかな。ジェレミー・スタイグなんかもよくやっている)や尺八奏法なんかは今だに健在なんだけど、やっぱりバレンティンにはこれがないと意味がない。
他のメンバーはラテン音楽系の人のようで誰一人知らないが、とにかくみんな上手いっす。特にオコーネルは4ビートのアドリブなんかも超カッコよくって、こやつは只者ではないなって感じ。ハッキリ言って一流のジャズピアニストと変わらないぐらいに上手いんだけど、こんなのを聴かされると最近はやはりジャズとラテンの垣根はなくなってしまったんだなとつくづくと感じるね。これはとても良い傾向だと思う。
ドラムスとパーカッションは流石にノリが良い。それだけではなくコンガ奏者の手の速さといったらありゃしない(ドラマーもだけど)。ラテン・パーカッションの世界もジャズ・ドラムと同じで、テクニック的に確実に進歩してきているのがよく分かるね。
それほど期待して買ったCDではないが、楽曲も演奏も素晴らしくて、本作は今年買ったラテン系の作品の中では一番気に入ったです。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)