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Dr. Lonnie Smith(B3 Organ)
Peter Bernstein(G)
Allison Miller(Ds)
Matt Balitsaris(Rhythm G,Ac G)
Rec. November 28-29,2005 (Palmetto PM2119)

オルガン奏者のロニー・スミスは、70年代にコズミック・エコーズで大活躍したロニー・リストン・スミスとよく混同されがちだが、全くの別人である。この二人は同じキーボーディストということもあって紛らわしいんだよな。体形は全く違うけど(笑)
ロニー・スミスは60年代後半からブルーノートにアルバムを5枚ぐらい残しているのだが、私が彼を意識するようになったのは94年にヴィーナスからリリースされた「Afro Blue」「Foxy Lady」「Purple Haze」からで、スミスというよりはジョン・アバークロンビー&マービン・スミッティ・スミス買いだった。
本作は実に12年ぶりの購入だが、これもまたピーター・バーンスタインとアリソン・ミラー聴きたさである。

5曲のスミスのオリジナルを含む全10曲。4ビート曲が4曲と、あとはファンク調というか16ビートが基調となっている。「フリーダム・ジャズ・ダンス」と「ベムシャ・スウィング」をやっているのが嬉しいな。
よくオルガン(及びオルガン・ジャズ)にはアーシーという表現がよく使われるけど、このスミスもまた泥臭いというか真っ黒いというか、とにかくコテコテにアーシーで、ブルーノート時代からもう40年ちかくも経っているというのに、いまだにソウル・ジャズという言葉がよく似合う。このタメの効いたグルーブ感がなんともたまらないな。あと足か左手か分からないけど、ベースラインがシンプルながらも凄くカッコいいっす。
またこんなオルガンには正統派のバーンスタインのギターがよく似合う。彼は好んでオルガン奏者と共演しているけど、誰とやっても相性抜群で、本当にこの手のサウンドが好きな人なんだなあとつくづく感じる。決して主役を食ってしまうことのない紳士的なところがとても素敵。
そして私が勝手に女性ジャズ・ドラマーの四天王の一人と崇めているアリソン・ミラー(「Drummer」項あり)。私は彼女のドラミングは「Allison Miller/5am Stroll(04年)」でしか聴いたことがなかったけど、本作では派手ではないにしてもツボを心得たドラミングで、安定感が凄くある。どんなビートでもOKって感じで、また新たな一面を発見した。
少しだけしか弾いていないMatt Balitsarisは知らない人だけど、調べてみたらPalmetto他でリーダー作を5枚ほど出していた。ネットで検索するとゾロゾロと項目が出てくるので、けっこう有名な人なのだろう。ちなみに本作ではプロデュースも担当している。
ラスト曲のみ曲調及びオルガンの音色が違っていて、アフリカのサバンナをイメージする。この曲はシャレで入れたような感じだけど、ほとんどザビヌル・シンジケートに近いサウンドになっているのがなんとも微笑ましいな。

評価☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)