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John Scofield(G)
Larry Goldings(Hammond Organ,Electric Piano,Sampler)
Jack DeJohnette(Ds)
Rec. live November 21,2004 at Queen Elizabeth Hall,London

本作はジョンスコにディジョネットに、オルガンは現在最も実力がありジョンスコとは90年代からの付き合いのゴールディングスという超豪華メンバーによるトニー・ウイリアムス、あるいは60年代後半の彼のバンド「ライフタイム」に捧げたライブの実況録音盤(2枚組み)である。
実は私はトニーもマクラフリンもついでにラリー・ヤングも大好きだっていうのになぜかライフタイムの「Emergency(69年)」を持っていない。もちろんそのパワフルなサウンドには衝撃を受けているんだけど、いつか買わなくてはと思いながらも今日までズルズルと来ちゃったって感じなんだな。
なにせジャズに入るきっかけが、マクラフリンがもっと進化したマハビシュヌ・オーケストラを聴いてだったし、ライフタイムといえば70年代のニュー・ライフタイムタイムの方を先に思い浮かべてしまう。それらに比べればやっぱり69年のライフタイムはリズム的にかなり古臭いんだよね。なんてったってこの時代から70年代前半のジャズ・ロックのリズムの進歩は凄まじいものがあったからな。
でもあのサウンドはやっぱり忘れがたいものがあるので、このトリビュート盤をきっかけにさっそく注文しようと思っている。運よく6月21日に1,500円の廉価版が出るようだしね。

さて本作。これはもうトニーもライフタイムも知らなくっても十分に楽しめる。いや楽しめるなんて生やさしいものではないな。あまりにも凄すぎて聴き終わった後は放心状態で、ハッキリ言ってブログ記事なんて書いてる場合じゃないんだけど(苦笑)
1曲目のブルースからジョンスコは早くもアウトしまくりだし、ディジョネットはキース・ジャレット・トリオでのうっぷんを晴らそうかとばかりに叩きまくっている。そんなディジョネットに煽られてゴールディングスもかなり燃えてますな。
曲は2枚で11曲。ジャズ・ロック風なビートが多いのかと思っていたら、意外にも4ビート主体だった。
とにかく3人のアグレッシブでとてもテンションの高い演奏には圧倒されっぱなしで、もうここまでやられた日には文句のつけようがありません。特に1枚目ラストの「Spectrum」と2枚目のラストの「Emergency」での途中テンポレスにしてのぶち切れぶりがなんともたまらないっすな。
ジョンスコとディジョネットの共演は、互いのアルバムではディジョネットの「Music For The Fifth World」、サイド参加としてはハンコックの「The New Standard(96年)」ぐらいしかすぐには思い浮かばないんだけど、それほど一緒にやっていなかったのかなぁ。そんな意味からもこの作品はとても貴重だと思う。
それにしてもこんな作品がECMからリリースされるなんて、時代も変わったものだよな。
演奏良し、おまけに録音良しで、近年の最高傑作といっても決して過言ではありません。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


ご指摘があり、ジョンスコとディジョネットの共演は 「JOHN SCOFIELD / TIME ON MY HANDS」「TOMMY SMITH / STEP BY STEP」「CHRIS POTTER / UNSPOKEN」「JOE HENDERSON / PORGY & BESS」とごろごろとありました。
私も全部持ってます(苦笑)

まだまだありましたよ。
「Zbigniew Seifart/Passion」「Eero Koivistoinen/Apterd Things」「同/Picture in Three Colours」「Peter Warren/Solidarty」「Bennie Wallace/Twilight Time」「Lars Danielsson/Fresh Enough」「Gary Burton/Six Pack」
この中のベニー・ウォレスとゲイリー・バートンとEero Koivistoinen/Apterd Thingsはまたまた持ってました。