07

Bob Rockwell(Ts)
Kasper Villaume(P)
Shigeo Aramaki(B)
Masahiko Ohsaka(Ds)

お恥ずかしながらボブ・ロックウェル(1945年生まれ)初体験である。今まで気にもとめてなかったんだけど、ブログ仲間のVENTO AZULさんが「20年以上追いかけ続けているが、エリック・アレキサンダーなんかよりよっぽど良いよ」と強力に推薦されておられるので聴いてみないわけにはいかない。というか本作に関しては、大好きなドラマーの大坂昌彦とこれまた大好きなピアニストのキャスパー・ヴィヨームがメンバーなので、必然的に買っていただろう。
なおヴィヨームは過去にもロックウェルの「An Afternoon at Jazzcup(02年)」「Bob's Wilder(03年)」でも共演しているようだが、もちろんこれらは不覚にも見逃してしまっている。
ライナーによると、ロックウェルはアメリカ人で様々なローカルバンドでやっていたそうだけど、有名どころではサド=メル・オーケストラに参加したぐらい。その後83年にコペンハーゲンに移り住んでからスティープル・チェイスでのリーダー作「No Rush」でメジャー・デビューしたと書いてある。けっこう遅咲きの人なんだけど、日本でいえば苦節何年なんていう演歌歌手の世界と同じで、実はこういういろんなところで揉まれてきた人こそ本物の実力を持っているんだよね。

本作は2004年の日本でのライブ・レコーディング。いや~、このアルバムはじつにいいね~!もう1曲目からノリノリですよ。なんてったってテナーが素敵!奏法的には同じくヨーロッパに渡った先達のジョニー・グリフィンやディクスター・ゴードン等と同系統。音そのものが男性的だし図太いし、どんな速いパッセージでもよく歌っている。それと一音一音に人生の重みのようなものをズッシリと感じさせてくれて、比べてみれば年季の入り具合が違うエリアレはまだまだヒヨッコなのかも知れないなぁ。
そしてヴィヨーム。リーダー作とは違い幾分控えめだけれども、スウィンギーでファンキーでかなりいい味を出している。珍しくオクターブ奏法やローリングなんかもやっているじゃないの。
日本人組の荒巻はマイク直録りのようなぶっとくて力強いベースでボトムをガッチリ抑えているし、大坂は派手に暴れまくっている。こんな大坂はいつものライブの感じなんだけど、スタジオ盤ではなかなか聴けなくてたまにヤキモキすることもある。やはり基本的にライブの人なんだよなぁ。この2人はロックウェルとなかなか相性がいいっす。
録音的にはベースがもう少し前に出てきて欲しいのと、スネアのスナッピーがベースの音に共鳴しているが、熱いライブの雰囲気がダイレクトに伝わってきてなかなかいいんじゃないかな。お客さんのノリも悪くないしね。

今年6月の来日時にも真空管の機材を使用してダイレクト2チャンネル録音をするそうだが、発売されるのを今から楽しみにしとります。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)