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Jan Lundgren(P)
Peter Washington(B)
Kenny Washington(Ds)

スウェーデンのピアニストのヤン・ラングレンはけっこうオッカケしている方だと思っていたが、調べてみたらリーダー作はなんと20枚以上もあるんだね。私は11枚しか持ってない。まだまだ修行が足りんです。
まあそれはさて置き、彼が「北欧の貴公子」と呼ばれていることがどうも嫌なんだな。確かに甘いマスクなんだけど、私のような硬派なジャズファンからしてみれば、「ピアノの貴公子」リチャード・クレイダーマンのようなとても軟弱なイメージでマイナスポイントなわけですよ。なんてったってジャズが持っているイメージの「暗い」「汚い」とはあまりにもかけ離れているからねぇ。まあいまどきそんなジャズをやっている人も随分と少なくなってしまったけど、いくらなんでも「北欧の貴公子」はないでしょう。現にラングレンがやっていることは確かにリリカルな軟弱路線もあるけれど、本質的にはもっと男性的でガツンとくるほうが多いからね。ビート自体も4ビートが基本でとてもよくスウィングする人だし。
ラングレンの私的最高傑作は2003年の「Landscapes」だが、アメリカの真っ黒いリズムの最強コンビである両ワシントンとの共演の本作は果たしてどうかな?

う~ん、やっぱり黒いわ(笑)
「Landscapes」は音楽的にもよく練られているけれど、こちらはセッション感覚といったところかな。もう弾いていて楽しくてしょうがないというのがビンビン伝わってくるね。特にケニー・ワシントンのような本格的なバップ・ドラマーはヨーロッパにはいない(と思う)ので、共演できてよほど嬉しかったのだろう。
全曲ともラングレンのとてもよく歌う余裕タップリのピアノが素敵。もちろん両ワシントンもいつもながら超気持ちいい。
そしてこのアナログ感覚の温かくて雰囲気のある音のなんと良いことか。もうこの音だけでこのCDを買った人は元を取っているんじゃないかな。
でもこれがラングレンの最高傑作とは言いがたい。だって良くあるタイプのピアノトリオとなんら変わりはないからな。
私としてはやっぱり「Landscapes」の方が好きです。

それにしてもこれはマシュマロ・レコードの紙ジャケなんだけど、CDを入れている小袋のなんと素晴らしいことか。
間違ってCDが袋からずれ落ちないようにストッパーが付いているし、袋の中央に穴が開いていて指でCDをスライドできるようになっているので取り出しも簡単。これは特許ものじゃないのかなぁ。
逆に小袋を止めちゃってハダカでCDを入れているStunt Recordsには、こういう神経の細かさをぜひとも見習って欲しいものだね。

評価☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)