13

Philip Dizack(Tp)
Greg Tardy(Ts,Ss)
Patrick Cornelius(As)
Miro Sprague(P)
Joe Sanders(B)
Obed Calvaire(Ds)

初めて聞く名のトランペッター、フィリップ・ディザックのデビュー作だが、まだ若干20歳とのこと。若いよなあ最近の人たちは。でもないか大昔の人たちもみんなこれぐらいだったな。このフィリップのことはどうやらブライアン・リンチあたりが大絶賛しているらしい。
出だしの音を聴いた瞬間このアルバムは私もかなり気に入っちゃった。トランペットが上手いのはもちろんなんだけど、彼のモード風なオリジナル曲(9曲中6曲)のサウンドのなんと元気がよくてカッコいいことか。20歳ぐらいでこれだけ音楽が独創的で、しかも自信満々なジャズメンなんて、昔のジャズジャイアンツぐらいのものじゃないのかなあ。最近ちょっと注目している新人のショーン・ジョーンズなんか、音楽的に変な方向に行ってしまって悩んでいる(かな?)ので、これと比較すればまだまだ修行が足りないって感じ。とにかくフィリップがやっている音楽は「凄い!」の一言に尽きる。
トランペットそのものはタイプ的にいえば60年代のマイルス、フレディにウィントンをプラスしたといったところかな。よく分からんです。
他のメンバーのプレイもかなりいいんだなこれがまた。この中では名前が売れているグレゴリー・ターディー(っていうか他のメンバーはみんな初めて)の凄さは当たり前として、特にObed Calvaire(なんと読むのか?)のドラミングが光っている。ラルフ・ピーターソン直系って感じでとにかくパワフルそのもの(ラルフよりはくどくないしもっと上手かも)。こんなのに煽られっちゃったらフロント陣なんかはひとたまりもありません。うかうか出来なくてもうみんな必死です(笑)とにかく彼のエネルギーに満ち溢れたドラミングのおかげで音楽がとても生き生きしていて、やっぱりドラマーよければ全てよしって感じですわな。
ピアノとベースも私好みでガンガンいくタイプ。アルトだけがメンバーの中では音楽的にちょっと違う方向性を持っているのかなという気もするが、とにかくこのアルバムのメンバー全員これからは要注目でしょうな。名前を覚えておかなくては(苦笑)
FSNTシリーズでは昨日聴いたKlemens Marktl/Ocean Avenueもかなり良かったんだけど、ちょっと本作にはかなわないなぁ。
100点満点です!!