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Enrico Pieranunzi(P)
Hein Van De Geyn(B)
Andre‘Dede’Ceccarelli(Ds)

クリスさん、アーティチョークさんに出遅れながらもようやく聴くことができた。
感想としては「いや~、素晴らしい!」の一言に尽きますな。
こんなに素晴らしいのだったらあれもこれもと書きたいことがいっぱいあるぞと思いつつ、改めてお二人の内容が濃くてとても丁寧な記事を読み直させていただいたら、思っていたことがほとんど書かれてるじゃない。しょうがないのでいつもどおりの軽薄な内容で済ませておこう(苦笑)

エンリコ・ピエラヌンツィのパリに於けるLe Duc Des Lombardsというジャズクラブでのライブ録音(2001年)である。聴く前はジャケ写真のイメージからして、もっと大きなホールでの演奏かと勘違いとりました。
どうしてこんないいやつが今ごろになってリリースされたのかは定かではないが、これはもうけっこう集めている(でもないか)ピエラヌンツィのアルバムの中でもベスト1に決定ですな。
ベーシストのハイン・ヴァン・デ・ゲインは確かピエラヌンツィの過去の作品にも入っていたハズだけど、意識して聴くのは今回が初めて。覚えにくい名前の人だけど、ランニングよしソロよし音よしでとても気に入っちゃった。やっぱヨーロッパのベーシストは上手いなぁ。表現がかなりダイナミックでカッコいいったらありゃしない。たった今彼のホームページ(http://www.baselinemusic.nl/v2/main.php?id1=01)を見てみたら、1956年オランダ生まれ、79年のレコーディングデビューから現在まで随分と精力的にやっている人なのですな。ついでにプロデュース業までしているし(ちなみに本作もです)。これだけ活躍しているのならばもうヨーロッパのベーシストの重鎮間違いなしって感じでしょう。
そしてもう一人の重鎮であるドラムマスターのウマチェカ(チェカレリ)。ビールのCMじゃないけれど「コクがあるけどキレがある」とはまさに彼のドラミングのことを言うのでしょうな。年齢を重ねるほどに音楽的(芸術的)なドラミングにますます磨きがかかっているが、老いても決してシンプルになることなく手数が多いのが彼の凄いところ。もちろん綺麗なシンバルレガートなどの繊細な表現力もとてもあるのだが、なによりも細かい音数で迫ってくる時のダイナミクスがたまらなく良い。これは彼に限らず上手なドラマー全てに共通することだが、いくら叩きまくっても音楽にキッチリはまっているので全然うるさく感じないよね。
そしてピエラヌンツィ。前にも書いたけど、こんなにもジャズの美味しいところを知り尽くしているヨーロッパのピアニストはそんなにはいないでしょう。リリカルなものからフリーの一歩手前まで緩急自在に繰り出されるフレーズは、手数が多いのによく歌っていて一音たりとも無駄がなく、まるで宝石のように光り輝いている。
曲はオリジナルとスタンダード(ジャズメンオリジナル)がバランスよく配列されていて、ピエラヌンツィに最近多い何かテーマを決めて作っているアルバムよりもこういうやつの方が私は好きだな。
2枚組みでトータル112分だというのに、飽きることなく最後までぶっ通しで聴くことが出来た。しかも立て続けに3回も繰り返しちゃったです。
そもそもがこんな素晴らしい3人が一緒に演奏していて悪いハズがない。事実とても完成度が高いのだが、ピエラヌンツィの仕掛けに瞬時に反応しまくりのゲインとチェカレリで、これこそがピアノトリオに於けるインタープレイの真髄として後世に語り継がれるべき歴史的作品ではないかと思う。
同じく2枚組みのライブ盤「Live in Japan(04年)」のマーク・ジョンソン&ジョーイ・バロンのちょいと尖がった組み合わせも決して悪くはないけど、好みでいえば絶対に本作の方だね。
ハッキリ言ってキースのスタンダードトリオなんかお呼びじゃありません。(ギャラも高すぎだし)
おっといけない、録音のことを書き忘れるところだった。ちょっとボリュームを上げるとアナログっぽくて結構いいです。1枚目のラスト曲でノイズが入っているけどね。

なお2枚組みで2,353円(HMV価格)は安すぎですな!