「私にとっては過去の人」シリーズ第5弾。

この人も80年あたりを境にダンサブルっていうかスムースジャズ方面の軟弱系に行っちゃったなぁ。
私が好きだったのはもちろん70年代で、ウェザー・リポートやマッコイ・タイナーの「サハラ」等やラリー・コリエルの「イレブンスハウス」の時代。リーダーアルバムも「Mind Transplant(74年)」や「Virtue(76年)」等を持っている。
彼のなんとなくザクザクしたドラミングがとても気持ち良かった。それとハイハットのハーフオープンの「チー」っていう音が、手癖っていうかどんな時もかかさずに入っていたりして。まあ、彼にはジャズロックという言葉が良く似合うような気がする。ちょっとクセありで、黒人が叩く典型的なドラミングだったね。
そんなムザーンだけど、私が好きなのは意外にも4ビートを叩いているヤツ。さて、なんでしょう?
って、クイズではないのですぐに教えてしまうけど、76年のベルリンジャズ祭に出演したときの「Trilogue」なんだよね。一吹きで3和音を出しちゃう(上下が楽器で中が声だったかな)脅威のトロンボニスト、アルバート・マンゲルスドルフ(最近亡くなっちゃいました)とご存知ジャコ・パストリアスとのトリオ作品。ここでのムザーンの荒削りなジャズドラミングがいかにも彼らしくて好感が持てた。
垂直に立てていたシンバルもカッコよかったね。