小曽根真(P,Rhodes)
James Genus(B)
Clarence Penn(Ds,Per)

いきなりエレピ(ローズ)とエレベの音が飛び込んできた。おぅ、これはいつものザ・トリオの演奏とは違うぞ。
本作で10作目。前作はストリングスも加えてクラシカルな雰囲気も出したりしてマンネリ化対策をしていたようだが、今回は新たにエレクトリックの導入っすか。さすがは小曽根、このようにどの作品でも飽きずに聴かせるという姿勢は素晴らしいよね。っていうか本人たちが変化を望んでやっていることだろうけれどもね。
エレクトリックなサウンドの他にはちょっと前作にも通じるようなメランコリックな曲など、1曲ごとに曲想を変えて演奏している。今回は全般的にラフな曲が多いのでアドリブ勝負ってところかな。あまり堅苦しさがなくてかえって好きかも知れない。

小曽根はデビュー当時はオスカー・ピーターソン的なところがあったが、最近ではそんなところはすっかりと影を潜めてむしろチック・コリア的色合いが濃くなってきている。だからといってもコピーってほどではなく、フレーズそのものはちゃんとオリジナルなものを持っていて、聴いた瞬間「小曽根だっ」て分かるんだよね。
日本人ピアニストでは石井彰やケイ赤城とかも好きなのだが、小曽根を聴けばやっぱり別格ではないかなと思ってしまう。ピアノのテクはもちろんだが、なによりもその音楽性が素晴らしいんだよなぁ。
ただ、私の好みとしてはヤマハピアノの明るめな音質よりもスタンウエィを弾いてもらいたいかな。そうすればもっと深い音で、サウンドも腰の座った感じに変化するように思うんだがね。

世界で通用する数少ない日本人ジャズメン。もはや日本という狭いジャズ市場では満足できなくなって、ニューヨークに渡っちゃった小曽根だが、こらからもどんどんぶちかましてちょうだい。期待しております。