Deodato,Johnny Hammond,Bob James(Key)
Ron Carter(B)
Jack DeJonette(Ds)
George Benson(G)
Airto(Per)
Hank Crawford,Joe Farrell,Stanley Turrentine,Grover Washington Jr.(Sx)
Freddie Hubbard(Tp)
Hubert Laws(Fl)
Milt Jackson(Vib)
Esther Phillips(Vo)

CTIオールスターズの1972年のハリウッド・ボウルでの実況録音だが、これが発売されたのが77年。この5年間に何か秘密が隠されているのだろうか?えっ、何がって?とりあえず「ドラマー別人説」のことですよ。
パーソネルではジャック・デジョネットになっていて、確かにジャケ写真もそうなのだが、曲のほとんどがスティーブ・ガッドが叩いているように聴こえるんだよね。ステレオのボリュームを上げれば、ガッドとは別にかすかにデジョネットのドラムも聴こえてくるような。
ということで、これはライブ演奏をオーバーダブで修正したと思われる、とても珍しいアルバムなんだなあ。
まあ、エレクトリックマイルスのアルバムなんかはほとんどテオ・マセロがテープにはさみを入れちゃって、継ぎはぎだらけの音楽にしっちゃってる訳だが、それとこれとはまた何か意味が違うような気がする。オーバーダブで別人が叩いてしまうんだからね。
もしかすればドラムだけではなく、アドリブ奏者とか他のパートもスタジオで録り直ししているのかも知れない。
もともと録音状態が悪かったので、この際だからと気に食わないところ全てにコツコツと手を加えちゃったのかもね。
その辺が5年間に隠された秘密ではなかったかと。おかげでとてもいい音と演奏になっている。
(このガット説は別項Steve Gaddのところのコメント欄で、ガッド本人からも確認済みとのことなので、どうやら間違いはないようです)

で、本作はVol.1からVol.3まであるのだが、私が一番好きなのはVol.1のA面2曲目Inner City Blues/What's Going On。これを喫茶店で聴いていたら、しょっぱなのサイレンがなるところで、あるお客さんが救急車両が来たと勘違いして表に飛び出して見に行ったっけ(笑)グロバー・ワシントンとハンク・クロフォードがとてもいいアドリブを取っているし、ガッドはもろガッドドラミングをしているしで言うまでもなくカッコいい。それにしてもマービン・ゲイっていい曲を作るよな~。