Bob James(Key)
Gary King(B)
Steve Gadd(Ds)
Idris Muhammad(Ds)B2、3
Richie Resnicoff(G)
Ralph MacDnald(Per)
etc.

ボブ・ジェームスの転機にはなにかとクインシー・ジョーンズが絡んでいる。
60年代にコンテストで優勝した時の審査員がクインシーだったし、70年代にCTIのクリード・テイラーに推薦したのもクインシー。それ以降のボブ・ジェームスの活躍ぶりを見ていれば、彼の才能を早くから見抜いていたクインシーは流石ですな。

当時の彼はピアニストとしての実力もさることながら、サラ・ボーン時代(ピアノ兼音楽監督)やブロードウェイでの作・編曲者としての才能が認められてCTIに迎えられたんだよね。同レーベルのかなりのアルバムにコンポーザー、アレンジャーとしてクレジットされている。あとデオダートもそんな一人だったな。
2人とも自己のアルバムではクラシック曲をアレンジしてその実力を見せつけているが、デオダートが「ツアラトゥストラはかく語りき」や「ラプソディ・イン・ブルー」をやれば、ボブは「はげ山の一夜」や「ファランドール」をやったりで、お互い刺激しあっていていい意味でのライバル関係にあったんじゃなかろうか。CTIお得意のブラスセクションやストリングス等フル・オーケストラに近いゴージャスなサウンドでどれもこれもカッコよかったね。

ボブ・ジェームスの数多いアルバムで最も好きなのは、やっぱりこのCTIでのファースト「はげ山の一夜(74年)」かな。
ボブにとってはある意味再デビューなので(過去にピアノ・トリオで2枚残している)だいぶ気合が入っていて、どの曲を取っても完璧なアレンジメントがなされている。またメンバーもTpのハイトーンが欲しいばっかりにジョン・ファディスを参加させたりとゴージャスそのもの。
A1の「ヴァレー・オブ・ザ・シャドウズ」はこのアルバムの幕開けにふさわしい曲。出だしはかなりおどろおどろしい感じだが、曲調は途中から変化してきて最後にはハッピーに終わる。かなりの意欲作と見受けられる。
A2「涙のカノン」はカノン進行に乗っかって吹かれるハーモニカ(ヒュー・マクラッケン)の爽やかさが前曲の重みを消してくれている。
A3「スーレロ」はボレロを意識して作られた曲。最後のフォルテシモに向けて次第にエスカレートしていく曲想はかなりボレロっている。
B1「はげ山の一夜」はボブのアレンジャーとしての魅力が十分に発揮されている曲。この完成度の高さとカッコよさには、なんも言うことがありません。最高!!
B2「フィール・ライク・メイキン・ラブ」はロバータ・フラックで仕事をしたボブが、あまりにもこの曲が気に入ったので自分のアルバムにも入れたとのこと。数ある「フィール・ライク~」のカバーの中でも私が一番好きなのがこのバージョン。ボブのエレピソロのなんとメロディアスで優しいことか。私は今でも彼のソロを丸暗記しているぐらい大好きだ。
B3「ノーチラス」は以降のボブの音楽性が早くも現れていてだいぶ軽めの曲である。

CTIには4作品を残してボブ・ジェームスはタッパンジーレーベルを設立。1作目の「ヘッズ」が大ヒットしその後も次々とアルバムをリリースするが、フュージョンの衰退と同時にタッパンジーもいつしか倒産。時代の流れだったんだね~。