ジェフ・バラードのデビューはチックのオリジンの後期(98年)のドラマーとしてだろうか。前任者アダム・クルーズ(この二人タイプがよても良く似ている)の後釜としてだったが、オリジンはその後解散。チックはメンバーだったアビシャィ・コーエンとジェフとでNew Trioを結成する。これも長く続く事はなかった。
これらの期間中にアビシャイのリーダー作数枚に参加しているのだが、実は私は大のアビシャイ嫌いで、一応全部持ってはいるも1回しか聴いた事がない。(彼のベースも楽曲も肌に合わない)
ジェフはその後カート・ローゼンウィンケルと何枚かやっているし、山中千尋とも2枚やっている。他にもなにかに入っている筈だったが思い出せなかった。

彼のことをなかなかいいじゃないと思ったのは東京JAZZ2003で、ジョシュア・レッドマンのエラスティックバンドにブライアン・ブレイドのトラとして参加したのを見てからかな。がんばって叩いておりましたな。
奏法的にはドラムをパーカッシブに叩いている感じ。リムショットの多用(スネアだけでなくタムでもやっている)やサンバ系のリズムを効果的に使っているところは、まるでリターン・トゥ・フォーエバーの頃のアイアート・モレイラを思わせる。もちろん山中とやっている時のように、4ビートもきちんと叩けるね。エラスティックの新譜ではヘッドハンターズのマイク・クラークのようなファンキーなビートもやっているし。
まあなんでもありの人なんだが、テクニックもあるし個性も強い割には影が薄いというかあまり目立たないというか、いまいちパットしないところがあるような気がする。もうちょっと切れる部分があってもいいんではないだろうか。

最近のもののおススメはやっぱりエラスティックバンドの新譜Momentum(別項)。同じく参加しているブライアン・ブレイドにおされ気味だがこれはしょうがないことでしょう。