Charles Lloyd(Ts,As)
Geri Allen(P)
Robert Hurst(B)
Eric Harland(Ds,Per)

ビリー・ヒギンズ亡きあとの久々のチャールス・ロイドのレコーディングである。
1曲目は有名なシャンソン(Ne Me Quitte Pas)だそうだが、なにやらヒギンスに捧げたようなとても悲しい曲。まずはこの曲でヒギンスの冥福を祈ろうではないか。

それにしてもこの豪華なメンバーは凄いな。一筋縄では行かない結構くせのある人たちなのだが(いい意味で)、なんかロイドに上手く飼いならされているって感じだな。ジェリ・アレンなど、今までになくリリカルなピアノを弾いているし、エリックもとても神妙にドラムを叩いている。ボブなんかは弓まで使っているし。(もちろん曲によっては各人の持ち味は十分に発揮されていて爆発しています)

ロイドはコルトレーンの、特にスピリチュアルな面を色濃く受け継いでいるミュージシャンなのだが、最近はその静の部分ばかりが強調されていて、聴いていてちょっと疲れる部分があった。静かな曲ばかり続くと飽きてくるんだよね。
それが本作品では静から動までさまざまなタイプの曲をやっていて、またリズム的にも変化にとんでいてあっという間にCDを聴き終える事ができるのだ。(これってアルバム作りにおいてとても大事なことなんだよね)
う~ん、これはフォレストフラワー以来のロイドの最高傑作ではなかろうか?
全曲素晴らしいのだが、中でも7曲目と10曲目(どちらも最初はフリーっぽいゆったりした感じから途中アップテンポに変わる)が最高!!こんなに熱いロイドを聴くのは本当に久しぶりって感じがするね。おそらくバックのメンバーにかなり触発されているのではないかな。このあたりは逆にロイドが飼いならされてしまっているのかも知れない。
かつて引退状態にあった時にペトルチアーニと出会い見事に復帰したロイドだが、ヒギンスを失ってからこのメンバーに出会い、今まで以上に燃えているのではないかと思う。

老いてますますそのひたむきなサウンドに磨きがかかって来たロイド、長生きしてほしいのもです。