Carsten Dahl(P)
Lennart Ginman(B)
Frands Rifbjerg(Ds)

デンマークのピアニスト、カーステン・ダールは結構買っていて、リーダー作とサイドメンで参加したのを合わせれば10枚ぐらいはあるだろうか。
この人は基本的にはパウエル系ではないかと思う。ただ、やっているアルバムの中にはそれを全く感じさせないものもあるので、いちがいには言えないかもしれない。まあいろんな顔を持っているという事かな?
彼の特長は何と言ってもうなり声である。キースが超名盤「ケルン・コンサート」で世に広めてからは数多くのピアニストが真似するようになった。自然に出てきてしまう声をなにも押し殺すことはないんだと。そういう人たちの中で最も声が(うなり具合が)キースに似ているのがカーステンであろう。
まあ、そんなことはどうでもいい訳で。できたらうなって欲しくないぐらいなのだが。

本作品(4月発売の新譜です)はカーステンの久々の全曲スタンダード・アルバムである。そのためか肩ひじ貼らないとてもリラックスした彼の演奏を聴くことができる。オリジナルで難しいことをやっている時とはまるで別人のように思い切りスイングしとります。
なんでも100年前のピアノを使い、マイクの本数を最小限にして本作品は録られたそう。
あえて50年代のような古臭い感じの音にしたわけだ。これがなかなかホッとする音でいいんだよね。
まるで昔(70年代)毎日のように通っていたジャズ喫茶で聴いていた時にトリップしたような錯覚に陥るようなCDだな。
あっ、今聴き終わってCDをCDプレーヤーから取り出して気づいたのだが、CDの表側がLPレコードのように黒くて溝まで刻んでいるではないか。なかなか凝ってますな~。

演奏よし、雰囲気よしで私の愛聴盤になりそうな予感がする。