Antonio Farao/Encore(輸入盤)

Antonio Farao(P)
Martin Gjakonovski(B)
Dejan Terzic(Ds)

ハンコックタイプでものすごいスピードで突っ走るハードなイタリア野郎、というイメージがあるファラオだが、本作品ではおちついたテンポの曲が多いためか、ちょっと方向転換して彼のソフトな部分にスポットが当てられているようだ。
キース・ジャレットの「カントリー」風な1曲目からして、今回のアルバムは今までのヤツとはちょっと違うなと・・・
ほう、こんなのもやるんだね。いい雰囲気ですな~などと思わず感心する。
この人、よく聴けばチック・コリアのフレーズが見え隠れしていているんだね(曲作りに関してもコリアのスリー・クァルテット時代当たりを参考にしていたりして)。あとヨーロッパのピアニストに良くあるキース的なところも当然見受けられるし。つまり、先輩ピアニストたちを「いいとこ取り」しているわけだ。まあ、最近のピアニストはほとんどが「いいとこ取り」している人たちなのだが、それをいかに自分のモノに吸収できるかということが大きな課題なんだよネ。その点ではファラオは満点でしょうな。

ベストは7曲目、いつもながらのアップテンポな曲での疾走感はたまりません。
あと、ファラオのアルバムにはほとんど参加しているDejan Terzic(なんて読むんだろう?)のドラミングはいつ聴いてもカッコいいです。