ウェックルとの出会いはフレンチ・トーストまでさかのぼる。おそらく彼の初レコーディングだったのではないかと思われるが、確かスティーブ・ガッドもアルバムに参加していて、そのときに感じたのが「いよいよガットを越す新人ドラマーが現われてきたな。ガットよりも上手いよ」と言うことだった。当時まだ20代前半だったウェックルはその後ミシェル・カミロ、ビル・コナーズ、スティーブ・カーンといったハードフュージョン系のミュージシャンから声がかかるようになる。。
ほどなくして、チック・コリアのエレクトリックバンドに参加。その後の活躍は言うまでもないが、とにかく彼は引出の限界がないのではと思うほどに次々と新しいワザ(フレーズ)を開発している。
彼のドラミングの特長はルーディメントを完璧にマスターした上でそれを両手両足に応用させている。その理論に裏付けされたテクニックがあるからこそあらゆる音楽やリズムに対応できるのだ。
ジャズドラミングも素晴らしく、特にアドリブ奏者に瞬時に絡んで行く様はドラミングに関してのみならず音楽そのものを十分熟知している証拠であろう。
2003年の暮れにウェックルバンドの2枚組みライブCD(輸入盤、現在入手困難)が発売され、私の愛聴盤になっているが、何度聴いても彼のドラミングからは新しい発見がある。
まさにドラマーの鏡ウェックル、そのフレーズは今もなお世界中のプロ、アマドラマーに盗み続けられていて、今後もトップランナーとして活躍し続けて行くことであろう。