Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。

Scott Colley / Seven

Scott Colley (B)
Nate Smith (Ds)
Kevin Hays (P, Vo)
Jonathan Finlayson (Tp)
Rec. June 7-8, 2016, Maggie's Farm Studio, NY?
(ArtistShare AS0149)

アントニオ・サンチェス、ブライアン・ブレイド、ビル・スチュワートの誰と組んでも最高のコンビネーションを見せてくれるスコット・コリーだけど、「Scott Colley / Empire(10年、別頁あり)」に次ぐリーダー作の本作(アルバム・タイトルがSevenなのか、ジャケ裏に書かれてあるCurrentなのか、イマイチはっきりしない)では、デイヴ・ホランドやクリス・ポッターと一緒にやる機会が多いネイト・スミスと共演しているのが興味深い。またケヴィン・ヘイズと共演するのもこれが初めてのような気がするのだが、トランペットにもあまり有名でないジョナサン・フィンレイソン(「Steve Coleman and Five Elements/Harvesting Semblances and Affinities(10年)」「Steve Coleman and Five Elements / The Mancy of Sound」「Steve Coleman and Five Elements / Functional Arrhythmias(13年)」(各別頁あり)に参加)を抜擢しているのを見ても、ArtistShareからのリリースということからしても、近年の活動をマンネリに感じていたほどではないにしても、メンバーを一新して、これまでとはまた一味違った音楽をやりたいという気持ちがコリーにあったのかもしれない。

コリー曲が7曲、ヘイズ曲が1曲で全8曲。
コード進行は何かの曲をパクっているような気がするけれど、テーマがなかなか複雑で、アドリブに入ってからも各人がアグレッシブに攻めているアップテンポの4ビートの1曲目「Fragment」から早くも興奮させられる。特にスミスがこれまでにないぐらいにガツンといっていて(中間部にドラムソロもあり)、実にいい塩梅。少々パワー感には欠けるけど、フィンレイソンの腕前もなかなかのものだし、ヘイズのアドリブのカッコよさも相変わらずだし、バッキングに徹してはいるものの、コリーもデイヴ・ホランドと同傾向の芯のガッチリとしたベースで聴かせてくれる。2曲目「Tangled Reality」は8ビート基調の6/8拍子。前半と最後の部分でコリーにスポットを当てながら中間部で盛り上がる曲調となっているけれど、これまた各人の持ち味がきちんと発揮されているし、落ち着いた曲調が1曲目のいい熱冷ましにもなっているね。3曲目「Low Down」はゆったりめの4ビート。オーバーダブによるトランペット・ユニゾンのテーマがなかなかユニークだし、ヘイズがブルージーに弾いているのもあまり聴いたことがないだけにニヤリとしてしまう。4曲目「Don't Rise」はトラディショナルな雰囲気を持った、ゆったりとした3拍子。「Kevin Hays / New Day(15年)」で味を占めたヘイズが作曲したヴォーカル曲だけど、私にとってはこの曲は必要なし。でもヘイズがエレピも用いている5曲目「Few Words」(セカンドライン基調の4拍子と3拍子の複合曲)では、またカッコいい演奏をしているので、これでよしとしよう。どことなくケニー・ホイーラーを連想させる6曲目「Bridge of Dawn」も、ゆったりとした曲調の中でのフィンレイソン、コリー、ヘイズのアドリブが素敵だし、続く7曲目「The Return」と8曲目「Legacy」もゆったり目のテンポの曲が続いていながらも、それぞれのビートを変えながらのメリハリのある曲構成となっているので、テンポ的な不満を抱くことはない。
やっていること自体は「Scott Colley / Empire」とも大きくは変わらないような気がするけれど、メンバーが異なっているので新鮮な気持ちで楽しむことができた。本作は録音(エンジニアはMatt Balitsaris)も少々ナローレンジながらも、各楽器の音質、バランス共に上々だね。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)

Seven
Scott Colley - Current
ArtistShare
2017



--EDIT--

Diego Barber / One Minute Later

Diego Barber (G)
Alejandro Coello (marimba, Per)
Eric Harland (Ds)
Ben Williams (B)
Rec. 2016, NY
(Sunnyside SSC1481)

ディエゴ・バーバーを買うのは「Diego Barber / The Choice(11年、別頁あり)」以来。その間にも「Diego Barber, Hugo Cipres / 411(13年)」(シーマス・ブレイク、ヨハネス・ヴァイデンミューラー、アリ・ホーニグが参加)というのがリリースされていたのは今知った。またクレイグ・テイボーンとの「Diego Barber, Craig Taborn / Tales(14年)」もリリースされているのだが、ソロやデュオものは基本的によほど好きなミュージシャン以外は興味が湧かないのでパスしている。本作にはベン・ウィリアムス、エリック・ハーランドの強力なリズム隊が参加しているのですぐに飛びついたのだが、そこに初聴きのマリンバ、パーカッション奏者のアレハンドロ・コエーロ(バーバーと同じスペイン人)も加わって、はたしてどういうことになっているのか興味深い。

全8曲がバーバーのオリジナル。
昔「驚異のコントラバス・マリンバ / 高橋美智子(88年)」というとてつもない重低音が出るCDをオーディオチェック用に使っていたことがあるのだが、1曲目「Jacaranda」ではそれを連想させるようなマリンバによる現代音楽的なソロからスタートするのが意表を突く。またテーマに入ってからもバーバーがエフェクティヴな音でギターを弾いていたりするし、「Dave Holland / Prism(13年、別頁あり)」を彷彿とさせるロック調のビートも非常にアグレッシブ(ハーランドが容赦なくガツンといっている)だったりして、「The Choice」で抱いていたアール・クルーのジャズ版といった感じのバーバーのイメージを完全に覆しているのにも驚かされる。2曲目「Atlas」ではイメージどおりのギターを弾いているけれど、こういう曲でもコエーロのマリンバや民族楽器を主体としたパーカッションが効力を発揮してるし、ウィリアムスとハーランドの楽曲に対する予定調和ではないアプローチもまた同様で、これまた実にいい塩梅。続くどの曲をとっても、バーバーが持っていないものを他のメンバーが補うような手段を取っているので、各人のアイデアがいい感じにミックスされた演奏を堪能できる。ハッとさせられるほどの衝撃的な演奏は1曲目だけではあるけれど、どの楽曲にもオリジナリティーが感じられるし(5曲目「Trevenque」はPMGにかなり近いものがあるが)、メロディー楽器にもリズム楽器にもなるマリンバが加わっているのもサウンド上のいいアクセントとなっていて、16ビート系の曲が続くわりには終始新鮮な気持ちで楽しむことができる。曲によってはウィリアムスのソロも楽しめるとして、ハーランドのソロも用意されていれば更によかったと思うのだが、普通にビートを刻んでいるだけでも音数が多いのに、超絶なソロまでやられてしまってバーバーの影が薄くなってしまう恐れもあるので致し方ないだろう。
アコギのアルバムは、例えば昔のアール・クルーのようなご機嫌なサウンドや「Pat Metheny / What's It All About(11年、別頁あり)」のような非の打ちどころのない演奏でないと、聴いている途中で退屈しがちなのだが、このバーバーにもそのようなことは一切感じないのはバックのメンバーが強力だから。本作は録音(エンジニアはPete Karam)も各楽器の音質、バランス共に上々で、特に1曲目の出だしのスピーカーの外側にまで大きく広がるマリンバの音はオーディオ的にも楽しませてくれる。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


One Minute Later
Diego Barber
Sunnyside
2017-05-19


--EDIT--

(Amazon)
1.山中千尋 / モンク・スタディーズ

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