Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。

David kikoski / Kayemode

David Kikoski (P)
Joe Martin (B)
Justin Faulkner (Ds)
Rec. September 20, 2016, NY
(Criss Cross 1394)

デヴィッド・キコスキのリーダー作は「David Kikoski / Consequences(12年、別頁あり)」以来だけど、その間にも「Opus 5 / Pentasonic(12年)」「Opus 5 / Progression(14年)」「Opus 5 / Tickle(15年)」(各別頁あり)を筆頭に参加アルバムがいろいろあるので、久しぶりといった感じは全くしない。「Consequences」はクリスチャン・マクブライド、ジェフ・ワッツによる強力な演奏で、大の愛聴盤となっているのだが、本作はジョー・マーティンがベースなのは妥当な線として、ドラムスが「Branford Marsalis Quartet / Four MFs Playin' Tunes(12年)」「Jacky Terrasson / Gouache(12年)」「Kurt Rosenwinkel / Star of Jupiter(12年)」「Branford Marsalis Quartet with Special Guest Kurt Elling / Upward Spiral(16年)」(各別頁あり)でしか聴いたことがない若手のジャスティン・フォークナーなのは意表を突く。おそらくブランフード・カルテットの前任で、師匠的存在でもあるワッツの推薦による参加だと思うけど、キコスキとマーティンを相手に、はたしてフォークナーがどのようなアプローチを見せているのか興味深いものがある。

キコスキ曲が4曲と、パーカーの「Au Privave」、メセニーの「H & H」、コリアの「Mirror Mirror」、モンクの「Trinkle Tinkle」、ジェローム・カーンの「Smoke Gets in Your Eyes」で全9曲。
場面によってはワッツが叩いているのではと勘違いするほどよく似ているフォークナーのダイナミックなドラミングにまず感心する。流石に若いだけあって、より一段と上手くなっているね。それがまたキコスキのモーダルなピアノともよくマッチしているのだから、彼の起用は大正解。この2人にはマクブライドのような、黒くて強靭なベースの方が合うのではと思いがちだけど、意外にもマーティンがそういう感じで弾いているし、多くの曲で取っているソロも手数はそんなに多くないものの、決してありきたりではないフレージングで聴かせてくれるのだから大したもの。もちろんキコスキのカッコよさも相変わらずで、いい感じにアウトしながら攻撃的に仕掛けるという、私が最も好きなタイプのプレイをしているのだから何ともたまらない。今回は既成曲が多いけど、その選曲もまた私好みの曲ばかりだし、オリジナルとの統一感が取れているのグッド。1曲目「Au Privave」、2曲目「Binge Watching」(オリジナル)のアグレッシブな演奏の2連発、リリカルな曲調が後半でダイナミックに盛り上がっている3曲目「Morning Glory」(オリジナル)、普通の4ビートながらも3人が会話しているように聞こえる4曲目「H & H」、現代的なファンクビートが目茶苦茶カッコよくて、キコスキとフォークナーのバトルも用意されている5曲目「Switching Roles」(オリジナル)、もうこの曲を取り上げているだけでも嬉しくなってしまう6曲目「Mirror Mirror」と7曲目「Trinkle Tinkle」、バラード曲の定番の8曲目「Smoke Gets in Your Eyes」、ソロピアノの9曲目「Blues for Gerry」(オリジナル)のどれをとっても実にいい感じで楽しませてくれる。ストレート・アヘッドな演奏がメインとなっているけれど、各人のプレイ自体が非常に魅力的なので、楽曲的にはこれ以上のアレンジを施す必要もないだろう。
前作「David Kikoski / Consequences」が最高に良かっただけに、メンバーが小粒な本作はイマイチなのではと聴く前は思っていたけれど、決してそんなことはないどころか、ドラムスに関してはここ1~2年で年齢的な衰えが感じられるようになったワッツよりも、むしろフォークナーの方がよく感じるね。キコスキならもっと凄いことができると思うけど、トリオとしては曲良し、演奏良しに加えて、録音(エンジニアはマイケル・マルシアーノ)も各楽器の音質、バランス共に上々なので、これはオマケして5つ星にしておこう。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Kayemode
David Kikoski
Criss Cross
2017-05-19


--EDIT--

Jimmy Greene / Flowers - Beautiful Life, Volume 2

Jimmy Greene (Ss, As, Ts, Bs)
Kevin Hays (P, Rhodes)1, 3, 6, 8, 11
Ben Williams (B)1, 3, 6, 8, 11
Otis Brown III (Ds, Per)1, 6, 8, 11
Renee Rosnes (P, Rhodes)2, 4, 5, 7, 9, 10
John Patitucci (Ac-B, El-B)2, 4, 5, 7, 9, 10
Jeff "Tain" Watts (Ds)2, 3, 4, 5, 7, 9, 10
Rogerio Boccato (Per)2, 4, 5, 9, 10
Mike Moreno (G)5, 9, 10
Sheena Rattai (Vo)3
Jean Baylor (Vo)7
Rec. 2016?, NY
(Mack Avenue MAC1118)

サブタイトルが「Beautiful Life, volume 2」となっているとおり「Jimmy Greene / Beautiful Life(14年、別頁あり)」の続編なので、おそらくバラード的な作品だと思うけど、リニー・ロスネス以外はメンバーを一新していて、しかもケヴィン・ヘイズ、マイク・モレノ、ベン・ウィリアムス、ジョン・パティトゥッチ、オーティス・ブラウンIII、ジェフ・"ティン”・ワッツといった強力な面々が参加しているのだから、また一味違った演奏が楽しめそう。ジミー・グリーンには以前のようにガンガン吹きまくってもらいたいものだが、そういう心境になるにはまだまだ時間が必要なのかもしれない。

グリーン曲が10曲と、マーク・キングの「Something About You」で全11曲。
1曲目「Big Guy」からアップテンポの4ビートで快調に飛ばしていて、想像していたのとは異なっているのにまずはホッとする。せっかくこれだけのメンバーを集めているのだから、やっぱりこのようなエネルギッシュな演奏をしてもらわないと面白くないんだよね。それはメンバーが入れ替わっている2曲目「Stanky Leg」も同様で、こちらの方はパーカッションも加わったサンバ調の演奏となっているのだから(ジェフ・ワッツがこういう曲を叩くのは珍しいかも)、またまたいい感じで楽しむことができる。グリーンは1曲目でテナー、2曲目ではソプラノを吹いているけれど、どちらの楽器も以前ほどのアグレッシブさは薄れているものの、フレーズ自体はバイタリティに溢れているので、吹き足りなく感じることは全くなし。また他のメンバーもアドリブの場面は少ないながらも、曲調によく合ったノリのいい演奏で聴かせてくれる。3曲目「Flowers」は女性ヴォーカルをフィーチャーした曲だけど、現代的かつ明るめな曲調なのがいい塩梅。こういうのを聴くとグリーンの心の傷もだいぶ癒えているように思えるし、続く4曲目「Second Breakfast」もラテンタッチでノリのいい演奏となっているし、5曲目「Fun Circuits」も速めの8ビートでガツンといっていることからしても(グリーンの他にはモレノのギターとロスネスのピアノがなかなかの聴きもの)、少なくとも仕事に影響を及ばさないぐらいには立ち直っているのだろう。他の曲も女性ヴォーカル入りのバラードの7曲目「Someday」を除いて、やけにノリのいい演奏が続いているのは、逆に空元気を出しているような気がしないでもないけどね。でもそのおかげで久しぶりにいいグリーンが帰ってきたように感じるのに加えて、ヘイズ、ウィリアムス、ブラウンIII組とロスネス、パティトゥッチ、ワッツ、Rogerio Boccato、モレノ組のどちらのユニットも甲乙つけがたいほどにいい演奏をしていることもあって、ドラマーとしてはワッツよりもブラウンIIIの頑張りがよく目立っている感があるものの、どの曲をとってもノリノリで楽しむことができる。
ということで予想したのとは全然違う演奏なので、コルトレーンの「Ballads」以外は誰のバラード的なアルバムであってもあまり聴きたいとは思わない私としては嬉しい限り。本作は録音(エンジニアはマイク&ジョー・マルシアーノ)も温かみのある各楽器がバランスよく録れているし、ユニットの違いにり音質が極端に変わることもなくて上々だね。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


FLOWERS-BEAUTIFUL LIFE
JIMMY GREENE
MACAV
2017-04-28


--EDIT--

(HMV)
1.Cyrus Chestnut / There's A Sweet Sweet Spirit
2.Russell Malone / Time for the Dancers
3.Peter Bernstein / Signs Live!
4.Simona Premazzi / Outspoken

4枚で35%オフセール利用。

--EDIT--

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