Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。

Olegario Diaz / I Remember Chet

Olegario Diaz (P)
Alex sipiagin (Tp, Flh)
Seamus Blake (Ts)
Scott Colley (B)
Bill Stewart (Ds)

Rroduced by Nils Wingher
Recording & Mix/ Michael Marciano
Mastering: Nils Winther
Recorded May 2017, NY?
SteepleChase SCCD31853

1. Everything I Love (Cole Porter) 6:24
2. Star Eyes (Gene Depaul, Don Raye) 6:54
3. You'd Be So Nice To Come Home To (Cole Porter) 7:12
4. I Remember Chet (Olegario Diaz) 7:30
5. You've Changed (Carl Fischer) 6:36
6. Bernie's Tune (Bernie Miller) 6:37
7. Rise and Fall Baker (Olegario Diaz) 5:23
8. CTA (Jimmy Heath) 5:50
9. Oh You Crazy Moon (Jimmy Van Heusen) 6:58
10. Just Friends (John Klenner) 5:33

ベネズエラ出身のオレガリオ・ディアスを聴くのは、リーダー作「Olegario Diaz / Basquiat By Night/Day(14年、別頁あり)」に次ぎ、これが2枚目。「Basquiat By Night/Day」はアレックス・シピアギン、シーマス・ブレイク、スコット・コリー、ジェフ・ワッツの、そうそうたる面々でのレコーディングだったのだが、本作もドラムがワッツから、むしろこのメンバーとは相性バッチリのビル・スチュワートに代わっているだけあってノリノリの演奏が堪能できる。チェット・ベイカーがアルバムのテーマとなっているのはディアスが望んだことなのかな。私としてはチェットにそんなに思い入れはないけれど、それでもジャズを聴き始めた高校時代にはCTI盤の「Chet Baker / She Was Too Good To Me(邦題枯葉、別頁あり)」を、ドラムがスティーヴ・ガッドとジャック・ディジョネットだったこともあり狂ったように聴いていたし(ガッドの4ビート・ドラミングはこれや「Milt Jackson / Goodbye」が初体験だった)、社会人になってからも過去のアルバムを後追いでけっこうな枚数を集めているので、「枯葉」収録曲はやっていないにしても、馴染みの曲を取り上げているのは嬉しい限り。しかもこのメンバーだけあって、4ビートが主体ながらも演奏自体はナウいのだからなおさらだね。中でもシピアギンはチェットとはまた一味違ったフィーリングで聴かせてくれるのだが、それ以上にビルスチュが、例によってアタックの効いたドラミングで楽しませてくれる(ソロもほとんどの曲で用意されている)のだから、動いた体が止まらなくなってしまう。肝心のディアスは音楽監督に専念しているといった感じで、思ったほどソロは取っていないけど(しかもソロにも取り立てて個性のようなものは感じられない)、このメンバーで既成曲を何曲もやっていること自体が珍しいので、そんなことはどうでもよくなる。楽曲的にも2曲のオリジナルはチェットをイメージして作られているだけあって、既成曲にきっちりと溶け込んでいて実にいい塩梅。これだけのメンバーが揃っているのだからチェットがテーマではなく、本当にやりたいことをやっていればもっと面白かったのではという気がしないでもないのだが、そういうのは各人のリーダー作で聴いているわけなので、これで十分だろう。昔「枯葉」の次に愛聴した「Gerry Mulligan, Chet Baker / Carnegie Hall Concert」(このアルバムではハーヴィー・メイスンやジョンスコの4ビートプレイを初体験)収録曲の「Bernie's Tune」を聴いていたら、あまりの懐かしさで涙が込み上げてきた。
ということで演奏は期待どおりだし、録音も全体的にスッキリと纏まっている印象ではあるけれど、バランスのいい各楽器の音質には実在感があって好感が持てる。これまでのSteepleChaseの平面的な音とは異なり立体的に録れているのも、流石にエンジニアがマイケル・マルシアーノだけのことはある。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


I Remember Chet
Olegario Diaz
Steeplechase
2018-02-09


--EDIT--

Dr. Lonnie Smith / All in My Mind

Dr. Lonnie Smith (Key, Or, Vo)
Jonathan Kreisberg (G)
Johnathan Blake (Ds)
Joe Dyson (Ds)3
Alicia Olatuja (Vo)6

Produced by Don Was
Executive Producer: Holly Case
Associate Producer: Jonathan Kreisberg
Recorded by Tyler McDiarmid & Geoff Countryman at the Jazz Standard, New York, NY
Mixed by Mike Marciano at Systems Two Recording Studio, Brooklyn, NY
Mastered by Ian Sefchick at Capitol Mastering, Hollywood, CA
Blue Note 00602567218722

1. Juju (Wayne Shorter) 8:18
2. Devika (David L Hubbard, Sarina Grant) 6:55
3. 50 Ways to Leave Your Lover (Paul Simon) 9:27
4. On a Misty Night (Tadd Dameron) 7:44
5. Alhambra (Dr. Lonnie Smith) 9:51
6. All in My Mind (Dr. Lonnie Smith) 8:20
7. Up Jumped Spring (Freddie Hubbard) 5:57
all tracks arranged by Dr. Lonnie Smith

ジョナサン・クライスバーグ入りのロニー・スミスのリーダー作は、「Dr. Lonnie Smith/Spiral(10年)」「Dr. Lonnie Smith / The Healer(12年)」「Dr. Lonnie Smith / Evolution(16年)」(各別頁あり)に次いで4枚目ということになるのかな。その中でも特にジョナサン・ブレイク参加の「Evolution」は5つ星にするほど良かったのだが、本作のドラマーもブレイク(1曲にはジョー・ダイソンも参加)なのに加えてライブ盤なので、ますますいい感じで楽しむことができる。スミスの60年代オルガンジャズとも共通するアーシーさに現代性を加味したプレイが目茶苦茶カッコいいし、クライスバーグの端正さとアグレッシブさが混在しているギターもまた同様。それに加えてブレイクが、例えば2曲目のようなスローな曲調であっても多彩なリズムで手数多く聴かせてくれるのだから、こんなに嬉しいことはない。ホーン奏者が参加していた「Evolution」とは異なり、こちらの方はトリオとしての演奏をじっくり堪能できるのだが、選曲に関しても自分の曲やジャズメン・オリジナル等に交じって、リリース当時よく聴いていたポール・サイモンの「50 Ways to Leave Your Lover(恋人と別れる50の方法)」まで取り上げているのだから狂喜してしまう。この曲でのブレイクとジョー・ダイソンのツインドラム(サブに回っているのがおそらくダイソン)によるセカンドビート的なプレイは、元曲のスティーヴ・ガッドの、当時としてはかなり斬新だったドラミングをリスペクトしているようで実にいいね。5曲目でのマイルス的なミュート・トランペットと、「Sketches of Spain」を連想させるオーケストレーションは、サンプリングの音源を自分で弾いているのかな。こんなことまで積極的に取り入れているスミスは1942年生まれなので今年で76歳だけど、好んで若手と共演していることもあり、年齢を全く感じさせないプレイをしているのが素晴らしい。
本作は演奏に加えて録音も良好なので5つ星にしたいところなのだが、ソウルフルなヴォーカルが入っている6曲目だけは私にとって必要ないので(こういうのも決して嫌いではないけれど)、星一つ減らしておこう。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


All in My Mind
Lonnie Smith
Blue Note Records
2018-01-12


--EDIT--

Julian Lage / Modern Lore

Julian Lage (G)
Scott Colley (B)
Kenny Wollesen (Ds, Vib)
Tyler Chester (Key)2, 3, 5, 6, 7, 11
Jesse Harris (Maracas on 2, Casio on 3, 5, 6 Ac-G on 9)

Producer: Jesse Harris
Ececutive Producer: Ggetchen Valade
Recorded at Reservoir Studios, New York, NY
Recording Engineer: James Yost
Assistant Recording Engineer: Daniel Avila
Mixed at The Loft, Chicago, IL
Mixing Engineer: Tom Schick
Mastered at The Engine Room, New York, NY
Mastering Engineer: Dan Millice
Mack Avenue MAC1131

1. The Ramble 3:56
2. Atlantic Limited 3:51
3. General Thunder 5:25
4. Roger The Dodger 4:12
5. Wordsmith 4:01
6. Splendor Riot 3:56
7. Revelry 3:31
8. Look Book 3:01
9. Whatever You Say, Henry 4:11
10. Earth Science 2:15
11. Pantheon 4:18
All Songs Written and Arranged by Julian Lage

ジュリアン・ラージのリーダー作を買うのは「Julian Lage Group / Gladwell(11年、別頁あり)」以来。その間にも「Julian Lage / Worlds Fair(15年)」「Julian Lage / Arclight(16年)」(他にフレッド・ハーシュ等とのデュオ盤もあり)がリリースされているのだが、音楽の方向性が私が望んでいるのと異なっている気がしたのパスしている。でも「Arclight」と同じメンバー(スコット・コリー、ケニー・ウォルセン)による本作を聴く限りにおいてはなかなかいい感じ。音楽的にはロック風味を加味したアメリカーナ路線ではあるけれど、大好きなコリーのいつもとは一味違ったシンプルなプレイが楽しめるし、「Bill Frisell/East West(05年、別頁あり)」でしか聴いたことがなかったウォルセン(参加アルバムは他にも「Daniel Sadownick/There Will Be A Day(08年、別頁あり)」「David Binney / Graylen Epicenter(11年、別頁あり)」を所有しているも、「There Will Be A Day」ではゴングとシンバルのみ、「Graylen Epicenter」ではパーカッションとヴァイブを担当していてドラムセットは叩いていない)も、現代のとんでもなく進化しているドラミングからすると一昔前の叩き方といった印象ではあるけれど、むしろそれが曲調にマッチしていていい塩梅。コリーとウォルセンのノリのいいビートに乗っかりながら、ラージが大らかに弾いているのも実に気持ちが良くて、これまでと同様のテクニカルな面や、「Eric Harland / Voyager: Live by Night(10年、別頁あり)」で見せたアグレッシブさも小出ししながら非常に雰囲気のいい演奏で楽しませてくれる。8ビート調の曲がメインの中、後半の8曲目と10曲目では4ビートをやっている(流石にこういう曲ではコリーのベースも活きてくる)のもいいアクセントで、「これだけ良いのだったら前作も買っておけばよかった」と後悔してしまった。
本作は録音も、各楽器が図太さを伴ったガッチリした芯のある音で録れているのに加えて、再生レベルも高くて好感が持てる。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


MODERN LORE
JULIAN LAGE
MACAV
2018-02-23


--EDIT--

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