Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。

Denis Gabel / The Good Spirits

Denis Gabel (Ts)
Kevin Hays (P)
Scott Colley (B)
Clarence Penn (Ds)

Recorded June 2017 at Bunker Studios, Brooklyn
Engineered by Todd Carder
Mixed and Mastered by Katsuhiko Naito at Avatar Studios, New York
Rroduced by Denis Gabel
Mons Records MR 874605

1. The Good Spirits 6:35
2. Core 6:44
3. Wistfully Waltz 5:55
4. Insomnia 3:10
5. Urge 4:56
6. Heavy 9:15
7. Slow 4:20
8. Scoop 6:24
9. Glow 6:16
10. East Coasting 6:38
11. Shimmy 5:37
12. Everyone Leaves 5:56
all compositions by Denis Gabel, except "East Coasting" written by Charles Mingus

バックのケヴィン・ヘイズ、スコット・コリー、クラレンス・ペン買い。リーダーのデニス・ガベル(ゲーベル?、1979年ドイツ生まれ)を聴くのはこれが初めてなのだが、本作以外にも「Denis Gabel / Keep on Rollin'(07年)」「Denis Gabel / Love Call: Impressions of Ellington(09年)」「Denis Gabel / Neon Sounds(13年)」がリリースされていて、ドイツではなかなか人気のテナー奏者のようだ。過去盤のアルバムタイトルからすると、ロリンズやエリントンを敬愛しているような感じだけど、今回はNYで活躍中の3人との共演ということで、これまでのドイツ人メンバーとのレコーディングのときとは演奏のアプローチを変えているのは間違いないだろう。そのプレイはロリンズ的というよりも、どちらかというとコルトレーンに近い印象を受けるのだが、それでいてデイヴ・リーブマンやマイケル・ブレッカーといったコテコテのコルトレーン派のテナー奏者とは異なりシリアス路線一辺倒といったわけではないし、音数も思ったほどは多くないのは、ドイツというお国柄というよりも、バックの3人の音楽性が関係しているのかもしれない。考えてみるとヘイズとコリー、あるいはコリーとペン、ペンとヘイズの共演も聴いた記憶はないのだが、トリオとしての演奏にはこのメンバーならではのオリジナリティーが感じられるし、ガベルも一人だけ浮いてしまうことなく、きちんと調和の取れたプレイをしているのがいい塩梅。楽曲は現代的な4ビートをメインにアフロやラテンタッチな曲もあるけれど、各人が持ち味をきちんと発揮しているおかげで、どの曲を取ってもいい感じで楽しませてくれる。ペンは曲調がらアグレッシブに攻めまくっているといったわけではないものの、サイドスネアを用意したりフロアタムをローチューニング(ヘッドをピンスト系に張り替えている感じ)にするほどの意気込みで臨んでいるし、コリーの状況の変化に対する瞬時の対応力も流石だし、ヘイズのプレイも自分のリーダー作よりもいいのではと思わせるほどに魅力的だし、ときにはチャールス・ロイドやジョー・ロヴァーノ的な雰囲気も漂わせながら吹いているガベルのテナーにも色気が感じられて実にいい。これで思いっきりガツンとくるようなハードな曲が2曲ぐらい入っていれば、演奏にもメリハリがついて更によかったと思う。それとやりたい気持ちは分かるけど、ミンガス曲の11曲目はオリジナルの楽曲と曲調が異なっているので必要なかったかも。トータルで71分というのも長すぎだけど、各曲の演奏自体には概ね満足するし、ミックスとマスターを内藤克彦が手掛けているだけあって、温かみのある各楽器の音像バランスも上々で、本作は買って正解だった。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


THE GOOD SPIRITS
DENIS GAEBEL
MONS
2018-03-09


--EDIT--

The Maguire Twins / Seeking Higher Ground

Bill Mobley (Tp, Flh)except 5
Gregory Tardy (Ts, Ss)
Aaron Goldberg (P)
Donald Brown (Rhodes)11
Alan Shutaro Maguire (B)
Carl Seitaro Maguire (Ds)

Producer: Donald Brown
Executive Producer: Yuki Maguire
Recorded by Pete Matthews at Music + Arts Studios, Memphis, TN, USA in March, 2017
Mixed by Pete Matthews at High Low Studios, Memphis, TN, USA in March & April, 2017
Masterd by Dave Darlington at Bass Hit Recording, NYC, NY, USA in May, 2017
Photoguraph by Jamie Harmon, Gregory Ronnie Booze, Yuki Maguire
Album Design by Yuki Maguire, Carl Seitaro Maguire
Three Tree Records TTR1801

1. Theodicy (Gregory Tardy) 6:08
2. Hibiscus (Geoffrey Keezer) 8:24
3. The Early Bird Gets The Short End of The Stick (Donald Brown) 6:08
4. Clarity (Jon Hammar) 5:36
5. Shed (Aaron Goldberg) 6:00
6. Song for Arjun (Alan Shutaro Maguire) 6:54
7. Witch (Alan Shutaro Maguire) 4:42
8. 49th St (Bill Mobley) 5:19
9. Mid Air (Carl Seitaro Maguire & Ben Flint) 5:52
10. Machi no Michi (Carl Seitaro Maguire) 6:16
11. An Island, A Piano, and Keith (Donald Brown) 6:45
12. Someday My Prince Will Come (Frank Churchill, Arranged by Alan Shutaro Maguire) 6:50

マグワイア・ブラザーズ改めマグワイア・ツインズの母親は私と同じ秋田県出身ということで、初めてお会いした4年前から双子のカール、アラン共々親しくさせていただいているのだが、なんとこの度Three Tree Recordsというレーベルまで自分で立ち上げてしまったのだから、バイタリティー溢れる行動力には、今に始まった事ではないとはいえ驚かされる。そのレーベル第一弾が本作。双子がテクニック的なことも含めて一段とパワーアップしているのと、グレゴリー・ターディ、アーロン・ゴールドバーグの参加が相まって、18歳のときに録音したファーストアルバム「Carl & Alan Maguire / The Sound Of Music(14年、別頁あり)」を凌ぐ強力なプレイで楽しませてくれる。その演奏はハードバピッシュなものにモーダルさを加味した正統的な4ビートがメイン。1曲目から各人が快調に飛ばしていて、ノリノリで聴いているところに、「Ralph Peterson Quintet / V(88年)」に入っていて、昔から大好きだった曲「The Early Bird Gets The Short End of The Stick」が3曲目で登場するのだから嬉しくなってしまう。作曲者のドナルド・ブラウン本人がプロデューサーとしてコントロールルームから見ているためか、演奏の方もより一段と気合が入っていて、もうこの1曲だけでも幸せな気分になれるというのに、アルバムの中盤からは昨夏の来日でも演奏したカールとアランのオリジナルを堪能できるし、ターディ、ゴールドバーグ、ビル・モブレイの提供曲もどれもが素敵だし(アルバムとしての曲調の統一感もきちんと取れている)、双子が熱演しているのは当然として、聴いたことがあるのは「Donald Brown / Wurd On The Skreet(98年)」「Donald Brown / At This Point In My Life(01年)」「Continuum/Act One(07年、別頁あり)」ぐらいのモブレイも含めてメンバー全員が自分の持ち味をフルに発揮している(中でもゴールドバーグのプレイが相変わらずカッコいい)おかげで、超一流の人たちのアルバムと比べても遜色ない演奏を楽しむことができる。また録音も各楽器の音質、バランス共に上々で、選曲良し、演奏良し、録音良しの、Three Tree Records第一弾に相応しいアルバムに仕上がっている。
ジャズは昔以上にマイナーな音楽になっているけれど、カールとアランの二人の若者があえてジャズを選んだこと自体が素晴らしいことだし、生まれ持った才能なのか努力の結果なのか、テクニックや音楽性の向上も著しいので、私としては親しい間柄なのを抜きにしても、二人やレーベルオーナーである母親をこれからも応援し続けていこうと思っている。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)

Maguire Twins
Three Tree
2018-03-30


I have known The Maguire Brothers, now renamed The Maguire Twins for four years.  I met them in Akita, Japan where I live.  Their mother is also from Akita.  They have been friends of mine and I have known them as people of action.  This time, they surprised me by establishing their own label, Three Tree Records. 

This is their first album of the label.  The twins made a big progress.  With the participation of Gregory Tardy and Aaron Goldberg, their playing is powerful and far better than their first album I reviewed.  ’ Carl & Alan Maguire / The Sound Of Music(2014).  

Their sound is mainly main stream 4 beats hard bop with somewhat modal elements.  All the artists swings hard from the opening number.  I really enjoyed listening.  Then at the third track, I came across my long time favorite tune, ‘The Early Bird Gets The Short End of The Stick’.  It was in the album of ‘Ralph Peterson Quintet / V(88)’.  Maybe because Donald Brown was watching over the musicians from the control room, they are playing even more enthusiastically.  This number alone made me so happy.

From the middle of the album, you can enjoy the originals by Carl and Alan.  I recall them playing some of those tunes when they toured Japan last summer.  The tunes provided by Tardy, Goldberg, Mobley are all so nice.  The twins play so well and so do all the other members.  Each of them fully demonstrates their abilities.  Aaron Goldberg’s play is so cool as always. Bill Mobley played very well, too.  I did not know him very well and I only heard him play in Donald Brown’s 'Donald Brown / Wurd On The Skreet(98)', 'Donald Brown / At This Point In My Life(01)', 'Continuum/Act One(2007). ' 
All and all, the musical performance standard of this album is as good as that of other top-notch artists.  

In addition, the sound quality and balance of each instrument are excellent.  The song selection, the musical performance and the recording are all very good.  This album from Three Tree Records is finished and presented as a great first product.

Jazz has become even less popular music than before.  But the fact that these two young men, Carl and Alan dared to choose jazz to play is a wonderful thing.  The rate of improvement in their techniques and musicality is remarkable.  Maybe because they are born with it and they made put a lot efforts.  Even putting aside that they are my close friends, I am committed to support them and their mother who is the label owner.

Evaluation: ☆☆☆☆ Very Good
(☆☆☆☆☆Excellent,  ☆☆☆☆Very Good  ☆☆☆Good, ☆☆Fair, ☆Poor)


--EDIT--

Roger Kellaway Trio / New Jazz Standards Vol 3

Roger Kellaway (P)
Jay Leonhart (B)
Peter Erskine (Ds)
Buster Williams (B)13
Santo Sabino (Ds)13

Recorded at the Hideaway, Los Angeles CA
Engineer: Eric Astor
Recording dates were Feb 20 & 21, 2017

1. Prudence 3:41
2. Dees Blues 6:36
3. Calming Notion 8:03
4. Noodlin' 6:02
5. Short & Sweet 5:04
6. Waling on Air 5:50
7. Is That Asking too Much' 4:35
8. Valtzing 5:08
9. Sweetness 7:00
10. Hurry Up & Wait 6:09
11. A Verse 6:22
12. Minor Infraction 4:56
13. Forever Again 5:08
All Compositions by Carl Saunders

ロジャー・ケラウェイは所有している何かのレーザーディスクで昔観たときの印象がよくなくて、それ以降も興味の対象にはなっていなかったのだが、本作はドラムが大好きなピーター・アースキンなのですぐに飛びついた。アルバムタイトルが「New Jazz Standards Vol 3」ということは、Vol.1やVol.2にもアースキンが参加していたのかな。だとすると買わなかったことが悔やまれるのだが、おそらく演奏自体はそんなに変わらないと思うので、これ1枚で十分だろう。その演奏はレーザーで観たときと同様に、気持ちが高じてくるとテラテラと手癖で速弾きしているように感じられるのと、1曲目でのそういう場面では若干のミスタッチも気になるものの、毛嫌いするというほどのものではなく、むしろ西海岸特有の明るい演奏を堪能できていい塩梅。レーザー時代(30年ぐらい前)はケラウェイの源流ともいえるオスカー・ピーターソンでさえほとんど聴かない(先鋭的なジャズ以外は好まなかった)ほどに尖がっていたけれど、今はヴォーカル以外は何でも聴くのでこういうのも全然オーケー。カール・サンダースの楽曲もどれもが好感触だしね。ただしケラウェイや、時には口ずさんだりもしながらバイタリティーに富んだベースを弾いているジェイ・レオンハートはいいとして、お目当てだったアースキンがドラムソロ入りの4曲目や6曲目以外は、誰が叩いているのか分からないほどドラミングが没個性なのは気になるところ。もしかするとケラウェイとの音楽性の違いでこうせざるを得なかったのかもしれないけれど、ピーターソン系のピアノトリオを意識しすぎたのかジェフ・ハミルトン化している場面もあるので、できれば他のアルバムと同様にいかにもアースキンらしい職人技とセンスのよさで魅了させてほしかった。それにはドラムの音も関係していて、録音自体は明るめながらも深みが感じられるピアノやガッチリとした音像のベースに、ドラムがちょうどいいバランスで絡み合っているし、立体感のある各楽器の音像がスピーカーの前面に浮かび上がるのも私好みではあるけれど、シンバルにはいつものアースキンの繊細さが感じられないし、タイコの音も全体的にベタッとしていて、現在エンドーサーとなっているTAMAとも、その前に使っていたdwとも異なった音で録れているのが、別人が叩いているように感じられる要因にもなっている。これがアースキンらしい音で録れていればドラミングの印象もまた変わったと思うけど、いずれにしてもその点を除いてはそれなりにいい感じのトリオ演奏を楽しむことができたし、ケラウェイに対する苦手意識もなくなった。

評価☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


NEW JAZZ STANDARDS, VOL. 3
ROGER KELLAWAY TRIO WITH JAY LEONHART AND PETER ERSKINE
SUMMIT RECORDS
2018-03-09


--EDIT--

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