Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜を中心に感じたままに書いている個人ブログです

Larry Grenadier / The Gleaners

Larry Grenadier (B)

Recorded December 2016, Avatar Studios, New York
Engineer: James A. Farber
Mixed February 2018 at Studios La Buissonne by Manfred Eicher, Larry Grenadier and Gerard de Haro (engineer)
Mastering: Nicolas Baillard
Cover photo: Ralf Uicker
Back cover and liner photos: Juan Hitters
Design: Sascha Kleis
Produced by Manfred Eicher
(ECM 2560)

1. Oceanic (Larry Grenadier) 2:26
2. Pettiford (Larry Grenadier) 3:41
3. The Gleaner (Larry Grenadier) 2:10
4. Woebegone (Larry Grenadier) 3:23
5. Gone Like the Season Does (Rebecca Martin) 4:29
6. Compassion / The Owl of Cranston (John Coltrane / Paul Motian) 9:08
7. Vineland (Larry Grenadier) 3:06
8. Lovelair (Larry Grenadier) 3:39
9. Bagatelle 1 (Wolfgang Muthspiel) 1:49
10. Batatelle 2 (Wolfgang Muthspiel) 1:48
11. My Man's Gone Now (George Gershwin) 5:35
12. A Novel in a Sigh (Larry Grenadier) 0:48

自ブログで検索するだけでもブラッド・メルドー・トリオ(「Brad Mehldau Trio / Seymour Reads The Constitution!(18年)」等別頁あり)を筆頭に、参加アルバムが相当数が引っかかるラリー・グレナディアの初リーダー作。いきなりのソロ作品で、しかも名門のECMからのリリースということはよほどの自信の表れだと思うけど、実際の演奏も1曲目「Oceanic」のようなクラシックの無伴奏ソロ的なアルコ弾きや、4曲目「Woebegone」のようにオーバーダブしている曲も中にはあるものの、エフェクター的なものは一切用いずにウッドの生音だけで勝負をかけている姿勢には非常に好感が持てる。この辺は同じソロアルバムでも、マーカス・ミラー等のエレべ奏者とは大きく異なる点。もちろんベースだけのソロだからといって退屈するようなことは全くなし。どの曲を取ってもぐいぐい引き込まれるほどのテクニックと表現力で、流石だなあと思わせてくれる。おそらくジャズベーシストになる前はクラシックの基礎をみっちりと習得したのだと思うけど、指弾きだけではなくボウイングも完璧だし、半即興的な演奏ECMのカラーにもよくマッチしていて文句のつけようがない。
ウッド一本だけのソロ作品は、確かロン・カーターには何かあったはずだけど、他にはそうそうないし(あの「Brian Bromberg / Wood(01年)」でさえソロ以外の曲が入っている)、本作は録音も優秀なので(エンジニアは一昨日聴いたばかりの「Joe Martin / Étoilée」と同じジェームス・ファーバーでも、楽器の違いなのか本人の意向に沿ったのか、ベースの音には雲泥の差がある)、オーディオ的な快感も味わえるので、ここは5つ星といきたいところだが、最低でもデュオ、できればドラム入りのトリオの方が、やる音楽も変わってもっといい感じで楽しめたと思うので、4つ星に抑えておく。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Gleaners
Larry Grenadier
Ecm
2019-02-14


--EDIT--

Joe Martin / Étoilée

Joe Martin (B)
Mark Turner (Ts, Ss)
Kevin Hays (P, Rhodes)
Nasheet Waits (Ds)

Produced by Joe Martin
Recorded & Mixed by James Farber at Sear Sound NYC, February 22 & May 30, 2018
Assistant engineer & editing by Owen Mulholland
Track 6 arco bass coda recorded at Big Orange Sheep by Mike Perez, May 23, 2018
Mastered by Mark Wilder at Battery Studios, NYC
Cover & design by Marion & Remi Gintzburger
Band photos by Imre Bart
(Sunnyside SSC 1540)

1. A World Beyond 7:31
2. Malida 10:14
3. Prospecting 6:32
4. Two Birds 7:00
5. Safe 6:47
6. Long Winter 8:47
7. Étoile 7:05
8. 5X3 7:24
All compositions by Joe Martin

ジョー・マーティンのリーダー作は、「Joe Martin/Not By Chance(09年、別頁あり)」以来なので10年ぶり。その間にも「Gilad Hekselman / Hearts Wide Open(11年)」「Joel Frahm Quartet / Live at Smalls(11年)」「Gilad Hekselman / This Just In(13年)」「Gilad Hekselman / Homes(15年)」「Edward Simon / Latin American Songbook(16年)」「Chris Potter / The Dreamer is the Dream(17年)」「David kikoski / Kayemode(17年)」「Simona Premazzi / Outspoken(17年)」「Rudy Royston / Flatbed Buggy(18年)」(各別頁あり)等で素敵なプレイをしていて、ジョン・パティトゥッチ以降に登場した白人ベーシストの中では、一昨日ブログアップしたマット・ブルーワーや、次に聴く予定のラリー・グレナディア、マット・ペンマンと同様にかなり気に入っているのだが、マーク・ターナー、ケヴィン・ヘイズ、ナシート・ウェイツと共演している本作もまた、いかにもこのメンバーらしい演奏が繰り広げられていて、なかなかいい塩梅。楽曲は非4ビートと4ビートがバランスよく配列。ヘイズがエレピを弾いている16ビート系の1曲目「A World Beyond」は、どことなく混沌としているのがディジョネット入りのマイルスのバンドを連想、またベースソロでスタートする3拍子(6/8拍子)の2曲目「Malida」はホランド的と、曲によっては既視感のある演奏となっているけれど、バンドとしてのオリジナリティーはちゃんと感じられるし、マーティンは当然として、フロントを受け持っているターナーも自分のアルバムよりもいいのではと思わせるほどのプレイをしているので、そんなことはどうでもよくなる。普段はもう少し尖がっている感のあるウェイツも、曲調によくマッチしたフレキシブルなドラミングで聴かせてくれるし、ターナーよりは影が薄く感じられるものの、ヘイズも1曲目でのエレピを含めて独自の個性を発揮しているね。でもブルーワー盤と比較するとこちらの方は全体的に穏やかな印象なので、いまいちインパクトに欠けるのは残念なところ。音楽性が異なるからとはいえ、前作やサイド参加の上記アルバムはもっと良かった気がするので、ガツンとくる曲をもう1~2曲入れるなりのプラスアルファがあってもよかったのではと思う。
ということで演奏には少々の不満が残るし、録音もジェームス・ファーバーにしては珍しく、肝心のベースの音がソロの部分以外は不鮮明で芯も感じられないのが気になるところではあるけれど、どちらも許容範囲なのでこれでよしとしよう。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)

Etoilee
Joe Martin
Delta
2019-03-14



--EDIT--

Matt Brewer / Ganymede

Matt Brewer (B)
Mark Shim (Ts)
Damion Reid (Ds)

Rroduced by Gerry Teekens
Recording Engineer: Michael Marciano
Mixing: Michael Marciano
Mastering: Michael Marciano
Recorded: September 11, 2018
Recorded at systems Two Recording Studios, New York, N.Y.
Rhotography: Jana Dagdagan
Cover Design: Gerry Teekens/Bloemendaal in Vorm
(Criss Cross 1403)

1. Ganymede (M. Brewer) 6:30
2. Don't Wake The Violent Baby (M. Shim) 5:19
3. RJ (R. Carter) 4:24
4. Triton (M. Brewer) 4:26
5. Afro Centric (J. Henderson) 7:19
6. IO (M. Brewer) 6:09
7. Eos (O. Coleman) 3:00
8. Psalm (M. Brewer) 7:17
9. Willisee (D. Redman) 8:50
10. When Sunny Gets Blue (M. Fisher/J. Segal) 6:05

マット・ブルーワーの、「Matt Brewer / Mythology(14年、別頁あり)」「Matt Brewer / Unspoken(16年、別頁あり)」に次ぐ3枚目のリーダー作だけど、またまたメンバーを代えて、本作ではマーク・シム、ダミオン・リードとのトリオ作品となっているのが興味深い。ダークな雰囲気を醸し出した演奏なのはこれまでとも変わらないとして、今回はコード楽器レスということからも想像がつくとおりかなりアグレッシブ。コルトレーンやジョー・ヘンダーソンの流れを汲むシムは、同じトリオ編成で何枚もアルバムをリリースしているJDアレン(「JD Allen / Americana: Musings on Jazz and Blues(16年)」等別頁あり)あたりに刺激を受けたのか、自分のリーダー作以上にダイナミックに吹きまくっているし、それに輪をかけてリードが手数の多いドラミングで容赦なく攻めまくっているのだからなんともたまらない。またブルーワーも2人のパワーに負けじと力感たっぷりに弾いていて(数曲でのソロも非常に聴き応えがある)、サイド参加のときと比較すると遠慮ぎみに感じられた前2作品でのプレイはいったいなんだったのかと思ってしまうほどに魅力的なベースで楽しませてくれる。4ビートと非4ビート曲をバランスよく配した楽曲は、オリジナルの中にロン・カーター、ジョーヘン、オーネット・コールマン、デューイ・レッドマンの曲が混じっているけれど、全部が自作曲かのように統一感は見事に取れているし、ダークな曲調が続いた後のラスト曲に歌ものの「When Sunny Gets Blue」を持ってきているのも実にいい塩梅。3人が真剣勝負していながらも、トリオとしての調和も取れた演奏には終始聴き惚れてしまった。
ということでブルーワーのアルバムの中では本作が一番好き。ただ単に演奏が良いだけではなく、録音も流石にマイケル・マルシアーノだけあって各楽器の音質、バランス共に申し分がないので、これは5つ星にしておこう。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Ganymede
Matt Brewer
Criss Cross
2019-02-15


--EDIT--

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