Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。


2017年のベストアルバム01
2017年のベストアルバム02
2017年のベストアルバム03

昨年のベストアルバム発表後にブログアップしたCDは92枚。その中からジャズ10枚、フュージョン系1枚、最優秀録音1枚を2017年の私的ベストアルバムとしました。

(ジャズ)

(フュージョン)

(最優秀録音)

--EDIT--

Edward Simon, Scott Colley, Brian Blade / Steel House

Edward Simon (P, Key)
Scott Colley (B)
Brian Blade (Ds, Pump-Or)
Rec. December 10-12, 2014, Sonoma County, CA
(Artist Share AS0156)

エドワード・サイモンのジョン・パティトゥッチ、ブライアン・ブレイドとのトリオ作品(「Edward Simon / Trio Live in New York at Jazz Standard(13年)」等別頁あり)には何度も期待を裏切られているのだが、本作ではベースがスコット・コリーに代わっているので、その辺で音楽的な変化があるのかないのか興味深いところ。ただし録音は古めで昨年Sunnysideからリリースされた「Edward Simon / Latin American Songbook(2015年8月録音、別頁あり)」よりも前なので、なんで今頃といった感はあるけどね。ちなみにArtist Shareからはコリー、ブレイドが参加している「Koppel + Colley + Blade / Collective(2014年5月録音、別頁あり)」がリリースされているので、本レコーディングはその流れだったのかもしれない。

サイモン曲が3曲、コリー曲が4曲、ブレイド曲が1曲で全8曲。
1曲目「Glad You're Here」はゆったりとした曲調で、しかもブレイドがドラムではなくオルガンを弾いているのだから、私好みでは全くない。でも2曲目「What If?」ではチック・コリアを意識したような演奏をしていて、ブレイドのドラミングも期待どおりにダイナミックなので、そんなこともどうでもよくなる。16ビート調の3曲目「Kingpin」ではコリーがノリのいいベースで聴かせてくれるし、4曲目「87.5% of You」以降もこのメンバーならではの聴き応えのある演奏が続いていて、ライブ盤を除く最初の2作品よりははるかにいい感じで楽しませてくれる。曲によってはシンセを味付け程度に用いていたり、コーラスが入っている曲もあったりするけれど、それらもまたサウンド上のいいアクセントとなっているね。全体的にゆったり目の曲が多いながらも、曲中で大きく盛り上がっていたりするので、テンポ的なことはあまり気にならないし、非4ビートがメインながらもリズムの変化に富んでいるのに加えて1曲だけ4ビートも取り上げているので、ビート的な不満も特には感じない。どの曲をとっても3人の持ち味がきちんと生かされていて、なおかつトリオとしても調和の取れた演奏が堪能できる。おそらくサイモンのオリジナルだけをやっていれば似たような曲が続いて単調になっていたと思うけど、自分の曲よりもコリーの曲を多く取り上げていて、それらがまた実にいいので(ブレイド曲の1曲目は「なんだこりゃ?」だけど)、本作の立役者はコリーといっていいだろう。とはいえこれだけのメンバーが揃っているのだから、もっとハードな曲があってもよかったのではと思う。
ということで、これまでのブレイド入りの4枚の中では一番気に入ったし、録音(エンジニアはStephen Hart)も各楽器の質感、バランスとも上々で(やっている音楽にもよくマッチしている)、手元には未聴新譜が他に3枚あるけれど、本作を今年の聴き納めにして正解だった。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Steel House
Edward Simon (piano/keyboards)
ArtistShare


--EDIT--

Willie Jones III / My Point Is...

Willie Jones III (Ds)
Eric Reed (P)
Buster Williams (B)
Eddie Henderson (Tp)
Ralph Moore (Ts)
Rec. March 7, 2016, NY
(WJ3 Records WJ31018)

ウィリー・ジョーンズIIIの自主レーベルWJ3からのリーダー作の7枚目。メンバーのエリック・リード、バスター・ウィリアムス、エディ・ヘンダーソンは前作「Willie Jones III / Groundwork(16年、別頁あり)」から引き続きなのだが(リードは全アルバムに参加)、今回は新たにラルフ・ムーアが参加しているのが興味深い。同じラルフでもボウエンの方は活躍ぶりがよく目立つけど、ムーアはここ20年ぐらいは聴いた記憶がないので(Criss Crossへの吹込みも「Brian Lynch Quintet/Sextet / At The Main Event(93年)」が最後)、近年はどういうプレイをしているのか楽しみだ。

ジョーンズIII曲が3曲、リード曲が1曲、ウィリアムス曲が2曲、ハンコックの「The Maze」、ホレス・シルヴァーの「Peace」で全8曲。
フロントに2管を配した典型的なハードバップ路線なのは「Groundwork」等とも変わりはないのだが、一番多くアドリブを取っているヘンダーソンの次に目立っているように感じるのがリードなのは、人間味があふれるプレイをしているから。音数はあえて少な目に弾いているけれど、それが一音一音の重みやノリのよさに繋がっているね。ムーアもコルトレーンやブレッカーのような私好みの奏法で吹いてはいるけれど、存在感のあるリードと一緒では影が薄く感じてしまうので、どうせやるのならもっとガツンといって欲しかった。それでようやく華のあるプレイで聴かせるヘンダーソンともバランスが取れると思うし、リードと同様に存在感のあるリズム隊のウィリアムスとジョーンズIIIの方に耳が向いてしまうといったこともなくなるのだが、その辺は久しくレコーディングから遠ざかっていたために勘が鈍っていることが一番の要因なのだろう。そんなムーアだけはいい感じに吹いているわりにはいまいちパッとしないものの、他のメンバーは全員が魅力的なプレイをしているし、既成曲を含めた楽曲もどれもが良好なおかげで、最後までノリノリで楽しむことができる。ドラム好きとしてはジョーンズIIIが数曲でドラムソロも取っていて、中でもアップテンポの8曲目「Blues for Dat Taz」では、右手でライドシンバルを普通に刻みながらスネアやバスドラ等で自在にソロを取るといった、パッと聴きでは派手さは感じないものの、テクニック的にはまるで2人で叩いているかのような高度な奏法が目茶苦茶カッコいい。他の曲でも上手さとセンスのよさがきらりと光っているね。
よくあるタイプのハードバピッシュな演奏ながらもマンネリに感じるようなことは一切なくて、本作は買って大正解。録音(エンジニアはマイク・マルシアーノ)も各楽器の音質、バランス共に申し分がなくて、音的にも満足させてくれる。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


My Point Is
Willie Jones III
Wj3 Records
2017-10-20


--EDIT--

↑このページのトップヘ

google-site-verification: google878c7206ee6d4f7b.html