Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜を中心に感じたままに書いている個人ブログです

Walter Smith III, Matthew Stevens / In Common:

Walter Smith III (Ts)
Matthew Stevens (G)
Joel Ross (Vib)
Harish Raghavan (B)
Marcus Gilmore (Ds)

Recorded December, 2017 at the Clubhouse in Rhinebeck, NY
Engineer: Paul Antonell
Assistant Engineer: Heather Tobiss
Mixing Engineer: Kyle Hoffmann
Mastered by Peter Beckmann & Michael Janisch
Produced by Walter Smith III and Matthew Stevens
Executive Producer: Michael Janisch
Photos: Paul Antonell
Album Artwork Design: Sophie Moates
Orininal Artwork:
'In Common Monster' by Carter Smith
'Chalkboard Galaxy' by Macie Smith
(Whirlwind Records WR4728)

1. freefive 1:14
2. Unsung 5:40
3. YINZ 3:18
4. ACE 5:05
5. foreword 4:05
6. Baron 2:14
7. 13th Floor 4:39
8. About 360 3:42
9. Unconditional Love 5:20
10. ACE [reprise] 1:52

ウォルター・スミスIII、マシュー・スティーヴンス、ハリシュ・ラガワン(ハリッシュ・ラグハヴァン?)はスミスIIIの「Walter Smith III / Still Casual(14年、別頁あり)」「Walter Smith III / Twio(18年、別頁あり)」で共演しているので、おそらくそれらがメンバー全員の名義となっている本作へと繋がっているのだろう。プロデュースをスミスIIIとスティーヴンスが担当しているということは、作曲も2人が中心と思われるけれど(クレジットに作曲者名は記されていない)、比較的ラフな曲作りによる演奏は何小節かのコード進行に基づく自由度の高いものとなっているのが特徴。4ビートと非4ビート曲をバランスよく配しながら、曲によってはスミスIII、スティーヴンス、ジョエル・ロスのアドリブが同時進行していたり、バラード調の曲ではロスがピアニスト的な役割を担っていたり、マーカス・ギルモアがソロ的なバッキングをしていたりといろんなアプローチを見せていながらも、演奏自体はきちんと統一感が取れているので、とっ散らかったような印象は受けないし、各人のあえて前面には出てこないさりげない上手さも堪能できるのだが、10曲も入っているのにトータルで37分はいくらなんでも短すぎではないかな。演奏の雰囲気にようやく馴染んできたと思ったら終わってしまったので、最低でももう10~15分ぐらいはやってほしかった。でも同じコンテンポラリー・ジャズであっても、他のバンドとはひと味違った独自の演奏が楽しめたので、これでよしとしよう。
不満に感じるのは収録時間の短さだけだし、本作は録音も各楽器が実在感を伴った図太い音で録れていて、オーディオ的にも楽しませてくれる。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


In Common: Walter Smith III, Matthew Stevens, Joel Ross, Harish Raghavan, Marcus Gilmore [日本語解説付き]
In Common: Walter Smith III & Matthew Stevens
Whirlwind Recordings / Inpartmaint
2018-10-31


--EDIT--

Rudy Royston / Flatbed Buggy

Rudy Royston (Ds)
John Ellis (Bass-Cl, Saxes)
Gary Versace (Accordion)
Hank Roberts (Cello)
Joe Martin (B)

Produced by Rudy Royston
Executive Producer: Dave Douglas
Engineered, edited and mixed by David Kowalski at Teaneck Sound Studtios, Paramus, NJ, April, 2018
Mastered by Kevin Blackler at Blackler Mastering, Brooklyn, NY, May, 2018
Cover Design by Rudy Royston
Cover Buggy Photo by Isabella Loprete
Rudy plays Canopus Drums, Sabian Cymbals, Gibralter Hardware and Vic Firth Sticks and Mallets
(Greenleaf Music GRE-1065)

1. Soul Train 9:44
2. Bed Bobbin' 0:36
3. Flatbed Buggy 5:45
4. boy...Man 5:43
5. Twirler 5:24
6. Dirty Stetson 0:33
7. Hourglass 7:16
8. Bobblehead 5:52
9. The Roadside Flowers 6:55
10. Hold My Mule 0:36
11. girl...Woman 11:08
12. I Guess It's Time To Go 1:36
All songs by Rudy Royston
This music is dedicted to time and journeys

ルディ・ロイストンのリーダー作は「Rudy Royston / 303(14年、別頁あり)」「Rudy Royston Trio / RisE of Orion(16年、別頁あり)」共に良かったのだが、3枚目の本作ではメンバーをガラリと代えているのと、一風変わった楽器編成なのが興味深いところ。裏ジャケがチャップリンだし、「この音楽は時間と旅に捧げられています」とも書いてあるので、その辺のところがテーマとなっていると思うけど、実際の演奏もゲイリー・ヴェルサーチが弾くアコーディオンやハンク・ロバーツのチェロ、ジョン・エリスがメインで吹いているバスクラが哀愁やレトロな雰囲気を醸し出していながらも、やっている音楽自体はいろんな要素を取り込んだコンテンポラリー・ジャズ(非4ビート主体に4ビート曲もあり)というのがユニーク。これまでのルイストンとは異なり手数の多さで攻めるのではなく、多くの曲を占めているゆったり目や大人し目の曲調に合わせた控えめなプレイをしているのが、ブライアン・ブレイドがフェローシップ・バンドでやっているときとも共通するけれど、だからといって叩き足りないとは感じさせないのが素晴らしい。もちろんテンポが速めの曲では容赦なくガツンといっているしね。アンサンブルを含めたトータルサウンドが聴き所となっていながらも、エリスやヴェルサーチ、ロバーツのソロスペースはたっぷりと用意されているし、ジョー・マーティンにもこんなに見せ場の多いアルバムが他にあったかなと思わせるほどにスポットが当たっていて、ジャズはアドリブを楽しむための音楽だというセオリーに則った演奏をしているのには非常に好感が持てる。楽曲は全てがロイストンのオリジナルだけど、曲作りに関してもブレイドやアントニオ・サンチェスあたりと比べて引けを取っていない。
トータル61分が短く感じるほどに良い演奏だし、録音も各楽器の音質、バランス共に申し分ないので、本作は5つ星といきたいところだが、ロイストンの最大の魅力は手数が多くてスピーディーなドラミングだと思っているので、ここは4つ星に抑えておこう。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Flatbed Buggy
H'ART Musik-Vertrieb GmbH / Marl
2018-11-02


--EDIT--

Benny Green / Then and Now

Veronica Swift (Vo)2, 4, 7, 9, 11
Anne Drummond (Fl, Alto-Fl)1, 3, 6
Benny Green (P, El-P on 1, 3, 4)
David Wong (B)
Josh Jones (Per)1, 3
Kenny Washington (Ds) except 6

Produced by Benny Green
Exective Producer: Lois Wagner Green
Project Coordinator: Anna M. Sala
Project Assistance: Scout Opatut
Recorded: Fantasy Studios, Berkeley, CA on Fabruary 26-67, 2018 and Samurai Studio, Astoria, Queens, NY on June 1, 2018
Engineers: Gary Mankin (Fantasy), Tyler McDiarmid (Samurai)
Edited: Mixed & Mastered: Gary Mankin (Knob & Tube Studio), San Francisco, CA
Photography: Lois Wagner Green
Graphic design: Christopher Drukker
(Sunnyside SSC 1528)

1. Donny Hath A Way (Benny Green)
2. For Regulars Only (Dexter Gordon)
3. Latin America (Cedar Walton)
4. Naturally (Benny Green)
5. Minor Contention (Hank Jones)
6. Enchanted Forest (Benny Green)
7. Split Kick (Horace Silver)
8. Say You're Mine (Duke Pearson)
9. Humphrey (Benny Green)
10. Hipsippy Blues (Hank Mobley)
11. Something I Dreamed Last Night (Sammy Fain, Jack Yellin & Herb Magidson)
12. Wiggin' (Benny Green)

前作「Benny Green / Happiness!(17年、別頁あり)」がとても良かったベニー・グリーンだけど、本作はそれより一つ前の作品「Benny Green / Live In Santa Cruz!(15年、別頁あり)」のメンバーであるデヴィッド・ウォン、ケニー・ワシントンに加えて、曲によってはヴォーカルのヴェロニカ・スウィフト、フルートのアン・ドラモンド、パーカッションのジョシュ・ジョーンズが参加したり、アコピだけではなくエレピも弾いていたりと、これまでとは路線を変えているのが興味深い。実際の演奏もパーカッション入りの1曲目「Donny Hath A Way」や3曲目「Latin America」はラテンタッチな演奏となっているのがグリーンにしては珍しいし、ヴォーカルやスキャット入りの5曲も、過去にヴォーカリストと共演しているのは聴いた記憶がないだけに、やけに新鮮に感じるね。おそらくマンネリ打破のためにこういう方向に持っていったのだと思うけど、だからといって音楽性がガラリと変わっているわけではなく、バド・パウエルやオスカー・ピーターソンの流れを汲むグリーンの本質自体は変わらないし、ピアノトリオだけの曲もちゃんと用意しているので、これまでどおり安心して楽しむことができる。どの曲においてもグリーンのスウィンギーかつ力感のあるピアノ(エレピも含む)が心地いいし、ここ何年か女房役となっているウォンのベースとの相性もバッチリ。久しぶりにメンバーに返り咲いたワシントンのバップ臭がプンプンするドラミングも最高にマッチしていて、トリオだけでも十分楽しめるというのに、これが初聴きのスウィフトの感情のこもったヴォーカルやスキャットの上手さも堪能できるし(声質を含めておしつけがましさは一切感じさせないのも私好み)、ドラモンドの女性的なフルートやコンガを主体としたジョーンズのパーカッションもいいアクセントとなっていて、終始ノリノリで聴いていたらトータル42分(LP並みの短さ)があっという間に終わってしまった。スキャットにはもうひとりの女性の声や男性の声も入ったりしているけれど、オーバーダブなのか男性はグリーンなのかは分からないけど、一糸乱れぬユニゾンやハモりをしているのも特筆ものだね。
ヴォーカル入りということで聴く前はあまり期待していなかったのだが、こういう演奏であれば全然オーケー。本作は録音も各楽器の音質、バランス共に上々で、オーディオ的にも満足させてくれる。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Then And Now
Benny Green
Sunnyside
2018-10-26


--EDIT--

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