Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。

Terence Blanchard featuring The E-Collective / Live

Terence Blanchard (Key, Tp)
Charles Altura (G)
David Ginyard Jr. (El-B)
Fabian Almazan (Key, P)
Oscar Seaton (Ds)
Dr. Cornel West (Spoken Word) 7

Produced by Terence Blanchard, Robin Burges and Frank Wolf
All tracks recorded by Frank Wolf
Track 1 recorded at The Bop Stop, Cleveland, OH
Track 2 recorded at The Bop Stop, Cleveland, OH and The Wyley Therter, Dallas, TX
Tracks 3, 6 and 7 recorded at The Wyley Theater, Dallas, TX
Track 4 and 5 recorded at The Dakota, St. Paul, MN
Mixed by Frank Wolf at Studio F, Tarzana, CA
Mastered by Gavin Lurssen at Lurssen Mastering, Hollywood, CA
Cover art by Andrew Scott
Design by Paul Moore
Photography Henry Abebonogo
(Blue Note Records 00602567462545)

1. Hannibal 11:00
2. Kaos 12:07
3. Unchanged 13:27
4. Soldiers 8:23
5. Dear Jimi 4:45
6. Can Anyone Hear Me 8:55
7. Choices 17:10
All Xongs except "Hannibal" and "Unchanged" by Terence Blanchard
"Hannibal" by Marcus Miller
"Unchanged" by Charles Altura

前々作「Terence Blanchard / Magnetic(13年、別頁あり)」が最高に良かったわりには、前作の「Terence Blanchard featuring The E-Collective / Breathless(15年、別頁あり)」はそれほどでもなかったテレンス・ブランチャードだけど、本作は「Breathless」とメンバーがほとんど同じ(ベースだけがドナルド・ラムゼイからデヴィッド・ジンヤードに代わっている)ながらもライブ盤ということで、それなりの良い演奏が堪能できる。ただし1曲目「Hannibal」は曲調も含めてもろエレクトリック・マイルス(マーカス・ミラーが絡んでいた時代の)的なサウンドとなっているので、ジャズの進化に一役買ってきたブランチャードがこの程度の曲作りで満足してもよいのかと思ってしまうけどね。でもなんか聴き覚えがあると思ってクレジットを見てみたら正真正銘のミラー曲で、似たような感じの曲を作ったというわけではないので、これでよしとしよう。2曲目「Kaos」はいよいよ本領発揮で、フュージョン的な16ビートながらも、先が読めないアグレッシブな展開となっているのが私好み。エレクトリックなエフェクターを駆使しながら吹きまくっているブランチャードはもちろんのこと、他のメンバーも気合の入ったプレイでガツンといっている。それはよりジャズ的な3曲目や、以降の曲にもいえることだけど、「Breathless」でのプレイも際立っていたチャールズ・アルトゥラとファビアン・アルマザンは、ここでもブランチャードのやりたいことを把握した上で、自分の持ち味もきちんと発揮しているのが素敵だし、オスカー・シートンもライブならではの手数の多さで、流石にこのバンドに起用されただけのことはあるなあと思わせてくれる。またこれが初聴きのジンヤード(ベースはフレットレスを使っているのかな)の、パッと聴きでは派手さが感じられないものの、よく聴くと結構いいことをやっているアンソニー・ジャクソン的なプレイが好印象。10分以上の長い曲がほとんどだけど、曲ごとにビートやテンポを変えているのと、各曲に盛り上がりの部分を用意しているおかげで、トータル76分が長く感じるようなことはなし。ときたま入ってくる、私が苦手としているスポークン・ワード(ブランチャードのしゃべりも含む)も、これぐらいの短さであれば気にならない。
演奏には満足するし、録音もまた数か所でのレコーディングのわりには音の統一感が取れているのと、各楽器の質感やバランスも上々で、本作は買って正解だった。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


LIVE - FEAT. E-COLLECT
TERENCE BLANCHARD
BLUEN
2018-04-20


--EDIT--

Brad Mehldau Trio / Seymour Reads The Constitution!

Brad Mehldau (P)
Larry Grenadier (B)
Jaff Ballard (Ds)

Produced by Brad Mehldau
Recorded and Mixed by James Farber at Avatar Studios, New York, NY
Assistant Engineers: Aki Nishimura, Tim Marchiafava
Mastered by Greg Calvi at Sterling Sound, New York, NY
Production Coordinator: Tom Korkidis
Design by John Gall
Cover Photograph by Mitch Epstein
Executive Producer: Robert Hurwitz
(Nonesuch Records 7559-79344-3)

1. Spiral (Brad Mehldau) 8:33
2. Seymour Reads the Constitution (Brad Mehldau) 8:03
3. Almost Like Being in Love (Alan Jay Lerner/Frederick Loewe) 5:41
4. De-Dah (Elmo Hope) 8:42
5. Friends (Brian Wilson/ Dennis Wilson/Carl Wilson/Al Jardine) 8:15
6. Ten Tune (Brad Mehldau) 10:07
7. Great Day (Paul McCartney) 5:54
8. Beatrice (Sam Rivers) 8:54

ジョシュア・レッドマンとの「Joshua Redman & Brad Mehldau / Nearness(16年、別頁あり)」や、サイド参加の近作「Wolfgang Muthspiel / Rising Grace(16年、別頁あり)」「Peter Bernstein / Signs Live!(17年、別頁あり)」でも素晴らしいプレイで魅せつけてくれたブラッド・メルドーのトリオ作品は、「Brad Mehldau Trio / Blues and Ballads(16年、別頁あり)」以来。クレジットに録音年月日が記されていないので、当方未購入のソロピアノ作品「Brad Mehldau / After Bach(18年)」よりも前なのか後なのかは定かでないけれど、ラリー・グレナディア、ジェフ・バラードのトリオになってからも既に4枚目(上記「Blues and Ballads」の他には「Brad Mehldau Trio / Ode(12年、別頁あり)」「Brad Mehldau Trio / Where Do You Start(12年、別頁あり)」があり)だけあって、トリオとしてより調和の取れた、なおかつ密度の高い演奏で楽しませてくれる。1曲目で早くもドラムソロが用意されていたりして、曲によってはメルドーだけではなくグレナディアやバラードにもきちんとスポットが当たっているのも私好みではあるのだが、クラシカルな要素も加味しながらの、かつてのロン・カーターあたりの曲作りにも通じる物悲し気なオリジナルの楽曲に関してはバッチリとツボに嵌っているとは言い難いものがある。それにはビート的なことも関係しているのだが、むしろマッカートニーの「Great Day」以外は普通の4ビートでやっている既成曲の方が私としてはしっくりくるし、3人が楽しみながら演奏している様も窺えて好きだけどね。でも不満な点はそれぐらいのもので、「Blues and Ballads」とは異なりミディアムテンポ以上のノリのいい曲がメインとなっていることも相まって、メルドーのトリオ作品としては、久しぶりに終始いい感じの演奏が堪能できた。
このメンバーなので演奏が良いのは当然として、本作は録音もまた今に始まったことではないけれどエンジニアがジェームス・ファーバーだけあって、各楽器の音質、バランス共に上々で、オーディオ的にも満足させてくれる。近年のファーバーはECM以外では、あえてナローレンジかつ温かみのある音で録るようになっているけれど、それがやっている音楽を必要以上に冷たく感じさせない要因となっていて、その辺のレーベルやミュージシャンの要望への対応力も流石だなあと思わせてくれる。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Seymour Reads the Constitution
Brad -Trio- Mehldau
Nonesuch
2018-05-18


--EDIT--

Will Vinson / It's Alright With Three

Will Vinson (As, Ss)
Gilad Hekselman (G)
Antonio Sanchez (Ds, Per)

Produced by Gerry Teekens
Recording Engineer: Michael Marciano
Mixing: Max Ross
Recorded: September 20, 2017
Recorded at Systems Two Recording Studios, Brooklyn, N.Y.
Photography: Jimmy Katz
Cover Design: Gerry Teekens/Bloemendaal in Vorm
(Criss Cross 1399)

1. My Shining Hour (H. Arlen) 7:21
2. The Pines (W. Vinson) 5:57
3. It's Alright With Me (C. Porter) 8:47
4. Samurai Hee Haw (M. Johnson) 6:38
5. Where Are You? (J. McHugh) 7:20
6. Resting Jazz Face (W. Vinson) 6:32
7. Down Homeless (S. Vinson) 4:19
8. Nobody Else But Me (J. Kern) 9:01

ギタリストではジョナサン・クライスバーグやラーゲ・ルンドとの共演が多いウィル・ヴィンソンだけど、本作ではヴィンソンと同様アリ・ホーニグのバンドの常連組ではあるも、アルバムで一緒にやっているのはこれまで聴いたことがなかったギラッド・ヘクセルマンと共演しているのが興味深い。しかもドラムが現代最高峰のアントニオ・サンチェスなのだから、ヘクセルマンもサンチェスも大好きな私としては期待に胸が高鳴るのだが、実際の演奏が思ったほどイケイケではないのは、ヴィンソンの音楽性もあると思うけど、それ以上にベーシストがいないことによりヘクセルマンがギターでベース的なパートも受け持っていることの方が大きく関係している。そのためにヘクセルマンには奏法上の制約が生じていて、ホーニグのバンドのときのような反応の素早いプレイはできなくなってしまっているし、サンチェスもまたベーシストの代わりに土台を支える必要があるので、ドラムソロや一部の場面以外はこれでもかというほどのアグレッシブなプレイはしていないのが物足りなく感じる点。とはいえドラムソロのスペースは多めに用意されているし、4曲目ではまさか今の時代に聴けるとは思ってもみなかった、Bass Desiresやジョンアバ絡みの演奏で大好きだったマーク・ジョンソン曲「Samurai Hee Haw」をやっていたりして(この曲や以降の曲でのヘクセルマンはオーバーダブなのかリフのループ音に被せているのかは定かでないが、ロック調のトーンでギンギンに弾いていたり、ビル・フリゼール的なエフェクターを用いていたりもする)、曲が進むにつれてそんなこともどうでもよくなるけどね。変則的なトリオなのに、スタンダード曲に対する演奏の持っていき方が意外とオーソドックスなのにも不思議な魅力を感じる。でもゆったり目のテンポの曲が多いので、どうせやるのならヘクセルマンやサンチェスの持ち味を生かしたスリリングな展開となっている曲がもっとあってもよかったのではと思う。
本作は期待していたような演奏とは異なるものの、ヘクセルマンとサンチェスのプレイは曲調の範囲内では堪能できるし(ヴィンソンは二人の強烈な個性に埋もれてしまっているような気がするけれど、「It's Alright With Me」にでも掛け合わせたのか、本人がアルバムタイトルとなっている「It's Alright With Three」と思っているのであればそれでよし)、録音も近年のCriss Cross盤同様上々なおかげで、聴き終わった後にはそれなりの充実感を味わうことができた。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)

It's Alright With Three
Will Vinson
Criss Cross
2018-05-18



--EDIT--

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