Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。

Peter Erskine and the Dr. Um Band / Second Opinion

John Beasley (Key)
Bob Sheppard (Sax, Fl)
Benjamin Shepherd (B)
Peter Erskine (Ds, Per)
Rec. June 2016, IN
(Fuzzy Music PEPCD024)

ピーター・アースキンの「Peter Erskine is Dr. Um(16年、別頁あり)」に続く、Dr. Um名義の第二弾。前作ではゲスト扱いだったボブ・シェパードが正式メンバーに加わっているのと、ベースがヤネク・グウィズダーラからこれが初聴きのベンジャミン・シェパード(ジャケ内の写真を見ると6弦のエレベを弾いている)に代わっているのが興味深いのだが、取り上げている楽曲もアースキン曲の「Hipnotherapy」がジェームス・ギャドソン、ジョン・ビーズリー曲の「Eleven Eleven」がマイク・クラーク、ヴィクター・ヤングの「Street of Dreams」がスタン・ケントン、ビーズリー曲の「Not So Yes」がトニー・ウィリアムス、ビーズリー曲の「Lida Rose」がリダ・ビーズリー、ヘンリー・マンシーニの「Dreamsville」がシェリー・マン、アン・ロネルの「Willow Weep For Me」がジョー・モレロにそれぞれ捧げられているのだから、はたしてどういうことになっているのか楽しみだ。

アースキン曲が1曲、ビーズリー曲が3曲、ボブ・シェパード曲が2曲に、マンシーニ曲と2曲のスタンダードで全9曲。
アースキン曲の1曲目「Hipnotherapy」はゆったりとしたテンポの、比較的シンプルなファンキー曲(ザヴィヌルの「Mercy, Mercy, Mercy」とヘッドハンターズ時代のハンコックを足して2で割ったような感じ)なので、取り立ててどうこういうことはないけれど、ビーズリー曲の2曲目「Eleven Eleven」での、出だしのマイク・クラーク的なアースキンのドラミングといい、それに被さってくるベンジャミンのWRの「Teen Town」をパクった感じのジャコ的なベースラインといい、ハンコックを意識しながら弾いているビーズリーのエレピでのアドリブといい、ベンジャミンのオクターブ奏法なのかオクターバーを使っているのかは分からないけど、ソロの後半では1人ユニゾンまでしているテクニカルなプレイといい滅茶苦茶カッコいいことになっていて、この1曲だけでも買ってよかったという気分にさせてくれる。新加入のベンジャミンはどの曲でも大活躍で、例えばバラード調の演奏が途中から盛り上がりを見せる4曲目「Not So Yes」なんかでも、マーカス・ミラーがソロをとっているときのような感じの、単にテクニカルなだけではなく歌心もバッチリなソロで聴かせてくれるものだから、さすがにこのバンドに抜擢されただけのことはあるね。バッキングにおいても一音一音の長さまで完璧にコントロールしているプロ意識が素晴らしい。またボブ・シェパードも同じく4曲目では、オーバーダブでソプラノとテナーをユニゾンで吹いているほどの気の入れようだし、自身のオリジナルである4ビート曲の5曲目「Did It Have To Be You?」や7曲目「Solar Steps」なんかでも、相変わらずスマートなアドリブを聴かせてくれたりして、このバンドに必要不可欠な存在となっているね。もちろんビーズリーもアコピ、エレピ、シンセを弾き分けながら実にいい仕事をしているし、肝心のアースキンも腹八分目ではあるけれど、どの曲をとっても素敵なドラミングで楽しませてくれる。前作同様に落ち着いた感じの曲が多いのは私の好みと合致するとはいい難いけれど、バンドとしてこれだけ良い演奏をされては、そんなこともどうでもよくなってしまう。楽曲的にもハンコックやWR似の曲がありながらも、バンドとしてのオリジナリティを兼ね備えていて好感が持てるのだが、4曲目「Not So Yes」のどこがトニー・ウィリアムスに捧げられているのかは気になるところ。その点5拍子でやっている9曲目「Willow Weep For Me」は、「Take Five」でお馴染みのジョー・モレロだなとすぐに分かるし、2曲目のマイク・クラークなんかもそうなのだが、そもそもが誰それに捧げた曲というのを常に意識して聴いているわけではないので、これでよしとしよう。
想像していた以上に良い演奏だし、録音(エンジニアはMark Hornsby)も各楽器が音楽的にも音的にも最高に良い音で録れているので、これはオマケして5つ星にしておこう。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

Second Opinion
Peter Erskine & Dr. Um B&
Fuzzy Music
2017-02-17

 

--EDIT--

David Binney / The Time Verses

David Binney (As, Voice, Electronics)
Jacob Sacks (P)
Eivind Opsvik (B)
Dan Weiss (Ds)
Jen Shyu (Vo)6
Shai Golan (Alto Part)11
Rec. February 17, 2016, NY
(Criss Cross 1392)

Criss Cross初の紙ジャケットだけど、番号が1個上(Criss 1393)の「David Gilmore / Transitions(07年、別頁あり)」はこれまでどおりのプラケースなので、今後はミュージシャンが好きな方を選べるようにして2本立てで行くということなのかもしれない。CDを出し入れしにくい紙ジャケなので、私としてはあまり好きではないけどね。それはさておき、デヴィッド・ビニーは過去にも「David Binney / Bastion Of Sanity(05年、別頁あり)」「David Binney / Aliso(10年、別頁あり)」でジェイコブ・サックス、ダン・ワイスと共演。またそのうちの「David Binney / Aliso」にはアイヴィン・オプスヴィク(?)も参加しているのだが、今回ビニーはアルトだけではなくヴォイスやエレクトロニクスも担当しているので、これまでとはまた一味違った演奏が楽しめそうだ。

全14曲がビニーのオリジナル。
非4ビートがメインの典型的なコンテンポラリー・ジャズ。今回は曲作りに力が入っていて、ボイスやエレクトロニクスを効果的に用いることにより、2曲目「Walk」なんかはPMGを連想するような大掛かりな曲想(組曲風)となっているのに新鮮味を感じる。そんな中でビニーが縦横無尽に吹きまくっていて、他のメンバーの出番は思ったほど多くないのだが(ジェイコブはけっこうアドリブも取っているけど)、それでいながらワンマンな演奏には感じさせないのは、細部までよく練られた楽曲を、各人ともこれ以上カッコいいことはやりようがないのではと思わせるほど魅力的なプレイをしているから。特に曲調にバッチリ嵌っているワイスのセンスのいいドラミングが、今どきの凄腕ドラマーと比較すると小粒ではありながらも大きな推進力となっていて、それだけでも買ってよかったという気分にさせてくれる。またジェイコブのコンピングやアドリブ、オプスヴィクのベースラインに自信が満ち溢れているのも好印象。もちろんビニーのアルトもどれだけ吹いたとしても、冗長には全く感じさせないのだから大したもの。ダーク基調ながらも以前よりは若干明るめの楽曲はどれもがみんないいのだが、曲によってのビニーのヴォイスやエレクトロニクス、6曲目「Seen」でのジェン・シューの澄み切った歌声(チック・コリアの「妖精」の頃のゲイル・モランによく似ている)、12曲目「Fifty Five」での唯一の4ビート曲がとてもいいアクセントとなっていて、決して一本調子ではないアルバムとしての構成力にも素晴らしさを感じる。
同じくジェイコブ、オプスヴィク、ワイスが参加している「David Binney / Aliso」も相当良かったけれど、本作はそれ以上に気に入った。録音(エンジニアはマックス・ロス)も各楽器の音質、バランス共に申し分がなくて、オーディオ的にも満足。昔のCriss Cross(マックス・ボールマンがエンジニアの時代)はジャズの平均的な音質だったけど、ここ6~7年で明らかに変わったね。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!) 

The Time Verses
David Binney
Criss Cross
2017-02-17

 

--EDIT--

(HMV)
1.Cameron Graves / Planetary Prince
2.Chris Potter / Dreamer Is The Dream
3.Gerald Clayton/ Tributary Tales
4.Bobby Watson / Made In America
5.Diego Barber / One Minute Later

4枚で35%オフセール利用。 

--EDIT--

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