Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。

Simon Phillips / Protocol IV

Simon Phillips (Ds)
Greg Howe (G)
Dennis Hamm (Key)
Ernest Tibbis (B)
Rec. 2017, LA
(Phantom Recordings-Universal UCCU1546)

上原ひろみとの共演により、テクニックにも音楽性にも一段と磨きがかかった感のあるサイモン・フィリップス。自己のバンドであるプロトコルは、これまで「Simon Phillips / Protocol II(14年、別頁あり)」と「Simon Phillips / Protocol III(15年、別頁あり)」を聴いてきたのだが、どちらも最高に素晴らしかったので、4枚目となる本作にも大いに期待している。今回はギタリストがアンディ・ティモンズからグレッグ・ハウに、またキーボーディストもスティーヴ・ウェインガートからデニス・ハムに代わっているけれど、ハウはヴィクター・ウッテン、デニス・チェンバースとの共演盤「Greg Howe/Extraction(03年、別頁あり)」が超強力だったし、ハムも「CAB / Live on Sunset(11年、別頁あり)」や「Virgil Donati / In This Life(14年、別頁あり)」でなかなかいい仕事をしていたので、はたしてどういうことになっているのか楽しみだ。

全9曲がフィリップスのオリジナル。
メンバーが代わっても、やっていることは過去2作と基本的には変わりなく、相変わらずのハードフュージョンがカッコいい。「Greg Howe/Extraction」では「Proto Cosmos」をやっていたことからして、アラン・ホールズワースからの影響を大きく受けていると思われるハウの、部分的にはスコット・ヘンダーソンあたりにもよく似たテクニカルなプレイといい、シンセでいろんな音を出しながらバンドとしてのサウンドをゴージャスにしていて、なおかつアドリブでも上手さを見せつけてくれるハムといい、フィリップスとはアンソニー・ジャクソン以上に相性のいいアーネスト・ティブスの、堅実ながらも多くの引き出しを持っているベースといい、各人とも非常に魅力的なプレイで聴かせてくれる。肝心のフィリップスも、今回は同じような感じのミディアムテンポの曲が続いているにもかかわらず、ドラミングはけっこうバリエーションに富んでいるのだから流石だね。でもせっかくハウと共演しているのだから、壮絶な戦いをしているほどのアグレッシブな曲も何曲かあってもよかったかも。おそらくトータルサウンド重視で、バンドとしてのサウンドを綺麗に纏めるためにこれぐらいの演奏に留めておいたのかもしれないけれど、ハウの速弾きに絡むぐらいどうってことのないフィリップスだけに、できればそうして欲しかった。この辺は「Extraction」でハウと共演しているデニチェンに軍配が上がるし、フィリップスに多大な影響を与えた初期の頃のビリー・コブハムも、ドラミングが素晴らしいだけではなく楽曲自体も変化に富んでいただけに、それらと比較すると本演奏はどっちつかずに終わってしまった感がある。ハウを前面に打ち出そうとするあまりか、ドラムソロもそんなに多くはないしね。これよりだったらメンバーが変わる前の2作品の方が、音楽的にも演奏的にも面白かったような気がする。
ということで期待していたほどではなかったのだが、Protocolが好きなバンドであることに変わりはない。ハードフュージョンをやるバンドは、先日聴いたばかりの「John McLaughlin & the 4th Dimension / Live @ Ronnie Scott's(17年、別頁あり)」等は別としてどんどん減ってきているので、またメンバーが代わってもいいので、できることならフィリップスには長く続けてもらいたいものだ。本作は録音(エンジニアはフィリップス本人)も、フュージョンものとしては最上級の音で録れている。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


プロトコル IV
サイモン・フィリップス
ユニバーサル ミュージック
2017-09-20


--EDIT--

Dianne Reeves / Light Up the Night: Live in Marciac

Dianne Reeves (Vo)
Peter Martin (P)
Romero Lubambo (G)
Reginald Veal (B, Background-Vo)
Terreon Gully (Ds, Background-Vo)
Gregoire Maret (Harmonica)
Rec. 2016?, Live in Marciac, France

ヴォーカルものにはほとんど興味がないのだが、ダイアン・リーヴスは嫌いではないし(近作の「Dianne Reeves / Beautiful Life(13年、別頁あり)」はイマイチだったけど)、バックのメンバーもピーター・マーティン、レジナルド・ヴィール、テレオン・ガリー、グレゴア・マレと美味しいどころが揃っているので、本作を買わないわけにはいかないだろう。ギターのホメロ・ルバンボも含めて「Beautiful Life」にも参加していた面々ではあるし、テリ・リン・キャリントンがプロデュースしているのも同様ではあるけれど(リーヴスとの共同プロデュース)、今回は全曲をメンバー固定でやっているライブ盤なので、それなりの演奏が期待できそうだ。

リーヴスとEduardo del Barrioの共作が1曲、マーティン、ガリーとの共作が1曲、マレ曲が1曲、スティーヴィー・ニックスの「Dreams」、パット・メセニーの「Minuano」、ショーターの「Infant Eyes」、マイルスの「All Blues」、Arden Altinoの「Beautiful」で全8曲。
スタンダードの歌ものはあまり歌わないリーヴスらしく、本作でも器楽演奏向きの曲を取り上げているのだが、かといってスキャットの引き出しが多くないのには、逆に人間味が感じられて好感が持てる。おそらくリーヴスはバックバンドを従えて女王様的に歌うといった図式ではなく、バンドと同化して歌いたいという気持ちを持っているのだと思うけど、だからこそ私のように歌聴きではなく演奏聴きであってもすんなりと受け入れることができるんだよね。それはヴォーカルの他にピアノも弾けるダイアナ・クラールやイリアーヌにも言えることだけど、ここではメセニーの「Minuano」(2曲目)、ショーターの「Infant Eyes」(4曲目)、マイルスの「All Blues」(5曲目)を取り上げていて、しかも相当いい感じの演奏となっているのだから嬉しくなってしまう。当然ながらバックのメンバーも曲調に応じながら最良のプレイで聴かせてくれるのだが、ピアノトリオにギター、ハーモニカという変則的かつシンプルな編成(更に曲によっては誰かが休んだりしている)のおかげで、各人が持ち味を活かした個性的なプレイをしていながらも焦点はヴォーカルにきちんと合っていので、これは編成的にも大成功といっていいだろう。ただし中盤あたりからはゆったり目の曲が続いているので、聴いているうちに少々退屈してくるけどね。リーヴスの根底にあるアフリカ的なものはちゃんと伝わってくるし、お客さんを乗せようとしてコールアンドレスポンスをやっているのもいいことだけど、せっかくのライブなのだから、昔のようにイケイケな曲がもっとあってもよかったのではと思う。
ということで全てに共感できるといったわけではないけれど、ヴォーカルものとしては自分好みの演奏が堪能できた。本作は録音(Live Sound By Paul Boothe, Mixed by Jeremy Loucas and Terri Lyne Carrington)も、ヴォーカルと各楽器が非常にバランスよく録れていて、その音質共々上々だね。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)


Light Up the Night
Dianne Reeves
Concord
2017-09-22


--EDIT--

(HMV)
1.Jasper Somsen / New Episode In Life Pt.2(10/30キャンセル)
2.Laurent De Wilde / New Monk Trio(10/30キャンセル)
3.Sherman Irby / Cerulean Canvas(10/30キャンセル)
4.Brian Blade / Body & Shadow(10/30キャンセル)

4枚で35%オフセール利用。

--EDIT--

↑このページのトップヘ

google-site-verification: google878c7206ee6d4f7b.html